全商連など国会内でシンポ インボイス廃止も求め
不公平な税制をただす会と税経新人会全国協議会、全国商工団体連合会(全商連)の3団体は4月16日、国会内でシンポジウム「消費税減税、給付付き税額控除はどうあるべきか」をオンライン併用で開きました。税理士や中小業者、建設業者ら60人が参加し、オンラインで187カ所から視聴されました。

下関市立大学の関野秀明教授が「税・社会保障改革の四つの論点」と題して基調報告(別項で要旨)。税経新人会全国協議会の岡澤利昭税理士、全商連の服部守延常任理事・税金対策部長、不公平な税制をただす会の浦野広明税理士が、消費税減税や給付付き税額控除を巡って意見を交わしました(下の別項で各氏の発言要旨)。
参加者から「2026年度税制『改正』で、防衛特別所得税が導入され、軍拡財源に充てられるのを、どう考えればよいか」「『社会保障国民会議』で議論されている食料品の消費税ゼロではなく、消費税の一律5%減税こそ必要なのでは」などの質問が出され、「軍拡財源として防衛特別所得税が実施され、今後さらに消費税増税となっていくのは間違いない。給付付き税額控除導入をそれと結び付けて考える必要がある」(岡澤)、「消費税は導入後37年、一度も減税されたことがない。民意を踏まえるなら国会で議論し、消費税減税こそすべきだ」(服部)などと答えました。
「インボイス制度の廃止を求める税理士の会」の青野友信税理士は「すぐできる景気対策は、インボイス制度の廃止だ。『国民会議』が6月に出す予定の中間とりまとめに『インボイス廃止』が掲載されるよう、運動を広げていきたい」と発言。湖東京至税理士は「食料品の消費税ゼロは、業者間の不公平を拡大する。絶対やるべきではない」と強調しました。
コーディネーターを務めた全商連の中山眞常任理事が閉会あいさつ。「シンポジウムの議論は、高市早苗政権が『国民会議』で進めている『給付付き税額控除推進』『消費税減税に及び腰』の議論と真逆の結論に至った。高市政権は、秋の臨時国会で国民会議の中間とりまとめに基づく法案提出をもくろんでいる。各団体や地域で議論を深め、国民の側からの提案を強めていこう」と呼び掛けました。
日本共産党の小池晃参院議員が参加し、国会情勢を報告しました。
「国民会議」へ対案示す
防衛予算拡大へ消費税が狙われ
税経新人会 税理士 岡澤利昭さん

「国民会議」は「増税会議」とも言えます。消費税廃止を掲げる政党は参加対象に含まれず、高市首相が総選挙公約で掲げた「食料品の消費税ゼロ」は、業界の反対の下、年度内実施は困難という意見が出るありさまです。
高市政権が消費税を基幹税とした税収構造を前提としているのは、防衛予算拡大の財源として消費税増税を意図しているためです。そのためにも本格的な「給付付き税額控除」の検討を急いでいるのでしょう。物価高騰に苦しむ国民から「消費税減税を」の声が上がります。消費税減税は当然です。財源は、所得税と法人税の税率を少し前の水準に戻すことで確保できます。
経済対策ならば消費税を5%に
全商連常任理事 服部守延さん

米国とイスラエルのイラン攻撃によるホルムズ海峡封鎖が、中小業者に深刻な影響を与えています。緊急の経済対策として直ちに消費税率を5%に引き下げることを強く求めたい。
食料品の消費税ゼロでは、物価は下がらず、減税効果も小さく、経済対策として不十分。消費税率5%への一律減税こそ、中小業者の経営を確実に上向かせます。
「国民会議」では財界筋の委員から「消費税減税はすべきでない」「消費税減税より給付付き税額控除を」の声も上がっています。導入とセットで消費税率が引き上げられる恐れもあります。給付付き税額控除の導入が社会保障切り捨てにつながらないよう運動を進めていきます。
消費税の減税に背を向ける手口
不公平な税制をただす会 税理士 浦野広明さん

「給付付き税額控除」制度創設に向けた議論は、消費税率引き下げに背を向ける手口と言えます。
同制度はかつて、2008年に旧・民主党が「税制抜本改革行動計画」で番号制導入によって国民管理をするために導入しようとした経過があります。「(社会保障制度改革)国民会議」もかつて、2012年に当時の民主党と自民党、公明党との3党合意に基づいて消費税増税の策を授けるために設けられたものでした。高市政権の「国民会議」にも、当時の議論を主導したメンバーが参画しています。
「給付付き税額控除」の議論に幻惑されず、物価高に対応する最善策として、消費税率を緊急に一律5%に引き下げ、間断なく廃止することだと求めていきましょう。
社保削減の口実にも
下関市立大学教授 関野秀明さん

高市政権による「税と社会保障の一体改革」の大前提とされる「責任ある積極財政」は成り立ちません。金利の上昇を招き、国民が重い債務に苦しむことになります。「責任ある積極財政」など認めてはいけません。
「積極財政」による金利の上昇を止めることはできません。だからこそ、最低賃金の引き上げと消費税減税、社会保障の充実で生活と暮らしを守ることが必要です。富裕層と大企業へ応分の税負担を求め、消費税を減税し、社会保障を充実すべきです。
「食料品の消費税ゼロ」で、食品大手メーカーは莫大な還付金を受ける一方、簡易課税の中小業者は還付金を受けられません。中小業者が泣きを見る食料品の消費税ゼロはやめ、一律5%減税こそ実施すべきです。
高市政権が導入をめざす「給付付き税額控除」は一定額を減税し、減税し切れない低所得者には給付を行おうとするものです。これは”低所得者に優しい”ように見えて、その実は「消費税減税阻止」「重複する社会保障給付削減」と抱き合わせの考え方です。
つまり、「給付付き税額控除をしているから、生活保護は削ります」「給付付き税額控除で助けているから、消費税を上げたっていいでしょ」というものです。こんなやり方を許してはいけません。
高市政権が進める「税と社会保障の一体改革」とは異なる「税の集め方と使い方」「新しい福祉国家」が必要です。「みんなで一緒に豊かになる」対抗軸を掲げ、大企業・富裕層優遇税制をただし、消費税率5%への一律減税と社会保障充実を進めましょう。

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