10月1日で、消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が強行実施されて2年となりました。
インボイス制度は、小規模事業者やフリーランスに過度な負担を押し付けています。売上高が1千万円以下の事業者を対象にした、消費税の納税義務を免除する免税点制度は残されていますが、インボイスを発行せざるを得ない事業者には、それが適用されません。
来年9月末には、中小業者の負担軽減措置である「2割特例」の廃止と、「8割控除」を「5割控除」に縮小することが決められています。「2割特例」は、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった場合、消費税の納税額を売り上げにかかる消費税の2割とする措置で、「8割控除」は課税事業者が免税事業者と取引した場合、本来認められない仕入税額控除の8割を認めることにより、免税事業者の取引排除を極力防ごうとする苦肉の策です。
「STOP!インボイス」発起人の小泉なつみさんは「年間売上高330万円のフリーランスデザイナーの場合、2割特例の廃止で消費税の納税額が2.5倍の15万円へとハネ上がり、1カ月分の生活費が消える。消費税・インボイスは非人道的だ」と批判しています。「取引先から『8割控除が5割になれば、インボイス登録をお願いすることになる』と言われている」と危機感を募らせ、負担軽減措置の継続を求めています。
インボイスが強要される背景に、消費税法第30条7項があります。インボイスと帳簿の両方を保存していないと、消費税の計算上、その取引を否認するという実体経済を無視する条文も廃止すべきです。
7月の参院選では、消費税減税・廃止を求める政党の議席が、消費税減税に反対する自公の議席の1・5倍になりました。一方、インボイス制度の廃止を主張した政党の議席と、存続すべきとする政党の議席は拮抗しています。
インボイス制度廃止の運動をさらに強めながら「インボイス廃止までは負担軽減措置を維持してほしい」というフリーランスや小規模事業者の願いに応え、署名・宣伝・対話を進め、賛同を広げましょう。