大阪府内の民商 相談会開き集団申請
大阪府内の民主商工会(民商)で、「申請型換価の猶予」の集団申請の取り組みが広がっています。
インボイスで課税業者に
消費税額4倍で一度には払えず 住之江民商

住之江民商は、班会で「申請型換価の猶予」を知らせています。今年は、消費税インボイス(適格請求書)の登録で新たに課税事業者になった会員や、確定申告相談会の際に「納税が、しんどい」と言っていた会員らに、改めて「換価の猶予」申請を呼び掛けました。
3月31日には4人、4月4日には4人の計8人が集団申請に参加。住吉税務署に出向き、既に提出した消費税申告書の控えを参考に、「換価の猶予」申請書などをその場で作成し、税務署に提出しました。
税務署とのやり取りの結果、2人が分納、8人が「換価の猶予」を申請することになりました。このうち7人は、インボイスで新たに課税業者になり、消費税額が昨年の4倍になった会員たちです。「予想外の消費税額になり、一度に払うことはできない」と、「換価の猶予」の集団申請に参加しました。
分納できる額をそれぞれ考えて 住吉民商
住吉民商は2017年から毎年、説明会とセットで「換価の猶予」申請書の作成会を行っています。
4月8日の「換価の猶予」説明会には、建築やサービス、清掃を営む会員3人が参加。事務局員からの説明を受け、「申請型換価の猶予」は法律で認められた権利であることや、猶予が認められると延滞税が軽減されることを学びました。
参加者同士が「ようやく黒字になったが、消費税は一括で支払えない」「インボイスで課税事業者になったので苦しい。今回、初めて猶予申請する」など、互いの状況を交流。「生活費も考えて、1カ月分の収支を見込もう」「分納額は毎月同じとは限らず、各人の状況に応じた額でいい」「余計な情報は書かない」―などの注意点も確認し合いながら、申請書を作成しました。
その後、説明会に参加できなかった会員=図面作成=も含め、4人のうち2人が税務署に「換価の猶予」を申請。別の2人も5月中に申請する予定です。
5人全員が申請通りの額認められる 大正民商
大正民商は「申請型換価の猶予」が2015年4月に創設されて以降、相談会と集団申請に取り組んでいます。
3月25日の相談会には建設2人、料飲3人の5人が参加。今回初めて「換価の猶予」を申請する安田良平さん(仮名)=建設=は、取引先からインボイス登録を求められ、課税事業者に。昨年の消費税の申告相談で民商に入会しました。
昨年の消費税額は3カ月分だったので一括納税できましたが、今年は丸々1年分となり、約17万円に。一時に支払えないので、「換価の猶予」の相談会に参加しました。
相談会では、自らの経営状況を踏まえて「換価の猶予」申請書などを各自が書き上げ、事前に申請書のコピーを税務署に提出。30日の集団申請で、5人が申請書(正本)を提出した際、やり取りがスムーズに進むよう工夫しました。
集団申請では、5人とも、申請通りの結果を勝ち取り、安田さんも3回の分納が認められました。安田さんは「申請通りになって良かった」と安堵しています。