
10月20日、臨時国会で飲食料品の消費税率を2年間限定で1%にする法案が審議入りしました。消費税導入後37年間で初めて、税率の引き下げが国会の大争点となります。こうした下、全国商工団体連合会(全商連)は同18日、第23回税金問題研究集会(税研集会)をオンラインで開き、全国の県商工団体連合会(県連)や民主商工会(民商)など227カ所で視聴されました。参加者は、変化する税制・税務行政の特徴をつかみ、デジタル化とAI(人工知能)活用や、強権化する税務行政から、納税者の権利を守る取り組みを交流。飲食料品のみ2年間1%ではなく、一律5%減税とインボイス(適格請求書)廃止の展望を学びました。

全商連の喜多健吉常任理事(税金社会保障対策部長)が主催者あいさつ。「高市早苗政権が成立を狙う『消費税率引き下げ』では、外食事業者は消費税負担が増える一方、大手食品メーカーは巨額の還付金を得る。物価も下がらない」と指摘。「”高市減税”は成立していない。消費税廃止各界連が取り組む『消費税に頼らず社会保障財源を捻出し一律5%減税とインボイス廃止を求める署名』(新署名)を広く集めて大きな世論にし、一律5%減税とインボイス廃止こそ実現しよう」と訴えました。
消費税減税は可能 全品目での実現を

佐伯和雅税理士が「なぜ一律5%減税を求めるのか~食料品消費税1%を巡る特例と経過措置の概要」と題して特別報告。「高市減税は”消費税減税は物価高対策として効果がない”との世論を招き、消費税増税の布石となる可能性がある」と警鐘を鳴らし「消費税廃止や一律減税なら、こうした問題は起こらない。今回”消費税を減税できる”と分かった。であれば『全ての品目』の減税を実現させよう」と呼び掛けました。

「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」の小泉なつみさんも特別報告。「STOP!インボイスの『緊急アンケート』では、インボイス制度の負担軽減措置の改悪を『知らなかった』が約6割に上り、約9割がインボイス『廃止を望む』と答えた」と報告。各地の9月議会などで、インボイス廃止や見直しの意見書が可決されていると述べ「インボイスで事業者が消費税負担を押し付け合う仕組みが変わらない限り、未来は暗い。インボイス廃止に向け、力を合わせましょう」と訴えました。
通知前に帳簿提出 税務調査が大改悪
全商連の小林俊光常任理事が報告と問題提起を行いました。税務行政のデジタル化やAI活用の急速な進行と、それによる納税者の権利侵害の実態を告発。①納税者の権利を徹底して身に付ける②納税者が「納得できる選択」「自分で決める」ことを支援する立場を大切に③小法人対策に挑戦し、パソコン・スマホ会計に習熟する―の三つの方向を提起しました。「消費税廃止を展望した一律5%以下の減税を実現する力は世論と運動だ。今こそ民商の出番」と呼び掛けました。
税務行政を巡る新たな動きとして「国税庁は今年7月、実地調査の事前通知をする前に納税者から帳簿等のデータの提出を求めるという調査手続きの大改悪に踏み出した」と告発。「全商連として国税庁をただし、税務調査は納税者の協力を得て進めるという基本方針を厳守するよう迫っていく」と表明しました。
5民商と2県連が実践報告。全商連の服部守延副会長が、まとめを兼ねた閉会あいさつ。「予算カット発言と裏金で批判を浴びた簗和生農水相(当時)が事実上、更迭された。国民の世論と運動が高市首相に決断を促した。声を上げれば、政治は動く。新署名で対話や宣伝に打って出て、消費税の一律5%減税とインボイス廃止を実現しよう」と力強く呼び掛けました。
各地の実践報告
「税務行政のデジタル化や効率化による納税者へのサービス後退に対し、自主記帳・自主計算・自主申告の取り組みを強めようと、毎年この時期に税金記帳学習会を開いている。10月15日に『経営セミナー』の一環として実施した」(長野・浅間民商)
「八重山民商では18年ぶりに税務調査が発生。立ち会いを経験したことがない役員と学習会を開き、納税者の権利や調査対策を学んだ。『自分たちでも立ち会いができる』と確信に」(沖縄県連)
「税務行政のデジタル化とセンター化で、北海道内が四つのセンターに集約された。広大な地域を一元管理するようになり、納税相談を100キロ離れた税務署とオンラインでしている」(北海道・北見民商)
「独自の会計ソフトで、法人の会員が自主記帳、自主計算を進めている。『自分で決算書を完成させられて、うれしい』と好評で、入会にも結び付いている」(東京・蒲田民商)
「若い事業者が民商に相談し、レシートの整理から学んで『分からない』が『自分でできる』に変化。仲間とつながり”今度は、自分が支える側に”と変化した」
「大津高島民商では、来年の申告に向けて班会学習会に挑戦。税務調査の対策学習会も開き、役員体制の立て直しにもつながった。税務行政のデジタル化に、民商を大きくして反撃したい」(滋賀県連)

倉敷民商弾圧事件の差し戻し審で、無罪を求める岡山・倉敷民商の禰屋町子さんが、さらなる支援を呼び掛けました。

03-3987-4391







