
全国商工団体連合会も加わる中央社会保障推進協議会(中央社保協)は9月20日、第52回中央社保学校を佐賀市内で、オンライン併用で開催。各地の県商工団体連合会や民主商工会を含め、全国から376人が参加しました。今回のテーマは「ひとりじゃない声をあげよう!つぶやきから叫びへ~社会保障運動を学ぶ」。
21日は、神戸大学の井口克郎准教授が「社会保障入門~分断を乗り越え手をつなごう」と題して学習講演。「貧困と不平等が社会問題化し、多くの人々が不満を感じる一方、社会保障が一層抑制され、引き締められるのはなぜか。そのキーワードは『分断』と『対立』だ」と指摘しました。資本主義では、資本家階級と労働者階級が対立し、その中で労働者同士が分断されているとし「改めて”階級”の自覚を持ち、多くの人々が連帯することが、生活課題を解決するために重要だ」と述べました。若者と高齢者、正規労働者と非正規労働者など「表面上の違いを乗り越えて、”被支配階級”として連帯することが大事だ」と強調しました。
シンポジウム「九州から発信する社会保障運動と展望」では、佐賀、福岡筑後、長崎、沖縄の4地域社保協が実践報告。「自治体要請では、子どもの医療費補助などを位置付け、高校卒業まで医療費無償化を行う小さな自治体も」(佐賀)、「自治体懇談の冒頭、国民健康保険法第1条の『この法律は(中略)社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする』などを確認し、今では全自治体が”国保は社会保障”と述べるようになった。高過ぎる国保料引き下げを求めていく」(福岡筑後)、「”平成の大合併”を経た中でも、歴史ある自治体キャラバンだけは毎年取り組んでいる」(長崎)、「高額療養費制度の自己負担上限引き上げ撤回を求める陳情書を全自治体に発送し、意見陳述できた議会もある」(沖縄)などと発言。助言者の村田隆史・京都府立大学准教授は「自治体キャラバンは『自治体に、こういう要請をしよう』『こんな成果を勝ち取ろう』と議論することに意味がある。展望が湧く取り組みを広げていこう」と呼び掛けました。
翌21日は「オスプレイ配備反対・有明海地域再生をめざす運動から学ぶ」をテーマに、7~8月に自衛隊オスプレイ17機が配備された陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀空港に隣接)などを見学しました。