国会に届け 二つの署名を推進 消費税5%以下への引き下げなどインボイス廃止と経過措置の継続 野党励まし公約実現を|全国商工新聞

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全商連が提起した新署名

 全国商工団体連合会(全商連)は、第2回理事会で「消費税5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める請願」(統一署名)と、全商連が新たに提起するインボイス制度廃止と経過措置の継続を求める署名(「インボイス制度廃止と、負担を軽減する『2割特例』『8割控除』の継続を求める請願」)に取り組み、「全県で1会員5署名目標を達成して、全中連幹事会・省庁要請(10月3日)に結集する」ことを呼び掛けました。二つの署名を推進する意義について、全商連常任理事の服部守延税金対策部長に聞きました。

>> 署名用紙はこちらからダウンロードできます

全商連常任理事・税金対策部長 服部守延さんに聞く

消費税減税が国会の多数派

―改めて二つの署名の意義を教えてください。
 服部この秋に開かれる臨時国会は、中小業者にとって切実な願いである消費税の減税とインボイス(適格請求書)廃止を実現するために、まさに正念場の国会となります。
 7月の参院選で、政権与党の自民党と公明党が大敗し、衆院に続いて過半数割れとなりました。有権者は自民党政治に対する不満や怒りを投票行動として示し、とりわけ、物価高対策を重視して投票先を決めました。2万円の給付金実施を公約に掲げた自民、公明両党に対し、消費税の減税や廃止を掲げた政党の議席数が大きく上回りました。有権者が示したのは”給付金より消費税減税・廃止”という意思でした。
 インボイス廃止でも、立憲民主党、国民民主党、参政党、れいわ新選組、日本共産党、社民党の6政党が賛成の立場です。議席の上では、臨時国会で消費税減税法案を可決させられる環境が整いました。消費税率5%への一律減税によってインボイス廃止に道を開く状況も生み出せます。
 国会議員は、国民の声に応える責任があります。しかし、現状では、消費税減税を巡り、その在り方や期間、財源論などで、野党の主張に違いがあります。
 署名を積み上げ、消費税減税の実現を野党議員に迫ることは、こうした主張の違いを乗り越え、消費税減税を今すぐ具体化するために何が必要かという議論を促すことにもなります。「四の五の言わずに、さっさと消費税減税を具体化せよ」という圧力をかけることになるのです。
 
―インボイス制度の「2割特例」「8割控除」の継続を求めることと、インボイス制度廃止の関係は?
 服部請願署名の題名を見てください。引き続き進める統一署名は「インボイス制度の廃止を求める」となっています。新たに提起した署名は「インボイス制度廃止と、負担を軽減する『2割特例』『8割控除』の継続を求める」となっています。私たちが求めるのは、あくまでもインボイス制度の廃止です。
 しかし、このまま手をこまねいていて、2026年の9月末までで「2割特例」が廃止され、「8割控除」が「5割控除」へと縮小されたら、多くの業者がインボイス増税の直撃を食らい、大量廃業に追い込まれかねない事態に陥ります。今は、免税事業者のままで取引できていても、8割控除が縮小・廃止されれば、インボイス登録を求める動きや値引き圧力、取り引き排除が強まるでしょう。

インボイスの負担増を回避

 「2割特例」「8割控除」の廃止・縮小を阻止するためには、年末にまとめられる来年度の税制改正大綱に「2割特例、8割控除の継続」を盛り込ませ、来年の通常国会で決めさせる必要があるのです。
 そのためにも「インボイス制度廃止と、負担を軽減する『2割特例』『8割控除』の継続を求める請願」署名を、秋の運動(9~11月)で大きく積み上げることが大切です。仮に、インボイス制度の廃止が2026年以降にずれ込んだとしても、今より負担が増える事態は回避させることができます。
 インボイス登録で課税事業者になったフリーランスや小規模事業者の9割以上がインボイス制度廃止を求め、「2割特例」「8割控除」の利用者は7割に上ります。当面の対策に手を打ちながら、インボイス廃止に向けて着実に中小業者・国民の声を結集させていくことが必要です。
 重要なことは、秋の臨時国会で、参院選で「消費税減税」や「インボイス廃止」を公約に掲げた野党を結束させ「消費税減税」「インボイス廃止」の法案を成立させることです。二つの署名は野党を激励し、情勢を動かす大きな力になります。この秋、署名を力に、政党や一人一人の国会議員に、公約実現を厳しく迫る運動を進めていきましょう。

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