広島市が差し押さえ乱発 事業継続への影響計り知れぬ 広島市内4民商 市に要請|全国商工新聞

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 「市県民税を2千円滞納しただけで、預金を差し押さえられた」「住民税の特別徴収を15万円滞納しただけで、自宅を差し押さえられた」―。広島、広島北、広島西部、広島安芸の広島市内4民主商工会(民商)は2日、広島市による安易な差し押さえの執行や法律の一面だけを捉えての画一的な徴収の是正を求め、市財政局収納対策部へ要請しました。4民商から、差し押さえ当事者の民商会員を含む11人が参加し、日本共産党の市議4人が同席しました。市から徴収企画課の岡野登課長、徴収第二課の山﨑俊治課長ら5人が応対しました。

市県民税 2千円滞納で預金を

画一的な徴収行政の実態を広島市に訴える広島市内4民商(右側)
広島市に徴収行政の改善を求めて要請書を提出しました

 「2千円の滞納で預金が差し押さえられた」と告発した会員は「国民健康保険(国保)料や固定資産税は口座引き落としにしていたが、市県民税だけ現金払いにしていたので、うっかり忘れてしまった。引き落としだと思っていたこともあり、督促状に気付かなかった。督促状も文字が小さく、高齢者には読めない。他の市税は完納しているのだから、電話一本でも連絡をしてくれたら、いいではないか。担当者に連絡すると『法律通り』と言われた」と訴えました。

住民税の特別徴収 15万円 滞納で自宅を

 滞納額15万円で自宅を差し押さえられた会員は「延滞金がかかるぐらいだろうと、納付を後回しにしてしまったことは申し訳ないが、自宅が差し押さえられたせいで、新規の借り入れが厳しい状況だ。計り知れないダメージだ」と告発しました。
 参加者から「差し押さえを行うと、事業継続できなくなる恐れがある。市は、事業者に及ぼす影響を想像しているのか」「以前は、各区ごとにあった税務課が、市税事務所になり、気軽に相談できない」「市は『生活実態を伺い、丁寧に対応する』と言うが、実際には事情を十分に聞いていないのでは?丁寧に聞くと言うなら、電話などでの注意喚起を徹底してほしい」「差し押さえは、最後の手段。現在の対応では、差し押さえ件数が増えるだけだ」などの声が次々と上がりました。
 市側は「いきなり差し押さえるのではなく、督促状、催告状を送付するなど段階を踏んでいる。職員1人当たりの担当人数も多く、対応は厳しい」などの回答に終始しました。
 民商から「差し押さえは事業継続への影響が計り知れない。市民に寄り添い、対面や電話で確認するなど、生活の実態を丁寧に聞いてほしい。個々の実情を十分に調査するという趣旨の回答を、しっかり実践してほしい」と重ねて要望しました。

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