三田市の商売人がつながり 元気になるイベントを 兵庫・三田民商 初の「マルシェ」に14店舗|全国商工新聞

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 「楽しかった。また出店したい」「三田に、こんなお店があるなんて知らなかった。今度、お店にも行きます」―。兵庫・三田民主商工会(民商)は先ごろ、JR三田駅南口のペデストリアンデッキで「つながろう・つなげようマルシェ」を初開催。会内外の14店舗が出店し、ピーク時には市民など約70人が訪れるなど大盛況でした。

新しいお店と出会いの場に
居酒屋「必食仕事人主水」の内村君子さん(左)と娘の絢さんは、ハンドメイドの小物入れを出品
普段はウェブ上でタロット・占星術をしている占い師の「あかつき」さん
「まんまるfarm」の河野文孝さん(右)と妻の友さん。「ビーガンスイーツ」や「焙煎珈琲」を出品
実行委員も務めた婦人服店「タニーズ」の軽野真理さん(右)。「民商をみんなに知ってほしい」と話していました

 居酒屋「必食仕事人主水」の内村君子さんと娘の絢さんは、麻ひもで作った小物を出店。「コロナ禍で店が開けられない時に、店内を整理するため、麻ひもを編んで動物の小物入れを作ったら、民商の人に『めっちゃ上手、売れるやん』と言われ、作品を知ってもらおう」と参加しました。
 「地球と身体、心に優しいお店」をコンセプトにオーガニックビーガンカフェ「ポノカフェ」を営む藤原なおみさんは「事務局長から『イベントするよ』と聞いて、出店を決めた」と、お弁当と、植物由来の素材を使ったハンバーガーなどを提供しました。「食生活の見直しやフードロスを無くすなど、小さいことが世の中を変える。考えるきっかけになれば」と話していました。
 普段はウェブ上でタロット・占星術をしている占い師の「あかつき」さんは「役員から『参加しない?』と声を掛けられ、久しぶりのイベントなので楽しみたい」と笑顔。
 神戸市北区で、こだわりの焙煎コーヒー豆や、無農薬・無化学肥料で野菜やコメを育てて料理を提供する「まんまるfarm」の河ゆう野文孝さんと妻の友さんは「民商に入って、まだ1年ちょっとですが、確定申告が分からなくて困っていた。いろいろ教えてくれて助かっています」。「無農薬米」や「焙コーヒー煎珈琲」、「ビーガンスイーツ」などを出品しました。実行委員も務めた婦人服店「タニーズ」の軽野真理さんは「”店の宣伝になれば”と、友達と参加した。民商をみんなに知ってほしい」と話していました。出店のほか、フルートの生演奏や、じゃんけん大会などのイベントが会場を盛り上げました。
 出店者や参加者からは「楽しかった、また出店したい」「三田に、こんなお店があるなんて知らなかった、今度はお店にも行きます」など、うれしい声が届きました。

民商を知ってもらうために

 マルシェ開催のきっかけは、昨年8月の若手役員の「民商を知ってもらうために、何かイベントをやりませんか?」の一言でした。「『民商は、こんなこともやってんねや!』って、知ってもらって、つながりを広げましょう!」―。その勢いに押され、準備を進めました。
 三田市と市教育委員会の後援を取り付け、当初は昨年11月2日の開催で準備を進めましたが、大雨警報が発令され、中止に。実行委員会は今年4月の再開催を決め、確定申告期の真っただ中にもかかわらず、会内外の店へのポスター掲示の依頼や、出店の声掛け、事前の買い出しなどに役員や会員が奔走。当日は、爽やかな風が心地良い晴天に恵まれ、実行委員と役員は開催できたことに大感激でした。
 実行委員長の宮本尚利さん=加工製造=は「コロナ禍以降、飲食業をはじめ『商売が厳しい』との会員の声を聞いてきた。以前、市に支援策を要請し、実現したこともあり、再度『業者を救う施策を』と要請したものの、今回は『予算がない』と実現しなかった。それなら、民商が『みんなが元気になるイベントをしよう』と話し合ってきた。三田市の商売人同士がつながって、いろんな人が民商の扉を開いてほしい」と語ります。
 マルシェ終了後の実行委員会では、初開催で準備や段取りが大変だったことや、やってみて感じたこと、改善点などを出し合いました。「次回は相談ブースを設置しよう」「参加してもらいやすいように工夫していこう」と意見交換し、次回の日程も決め、走り出しています。

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