日米首脳会談「共同声明」 大軍拡合意許さず暮らし優先に|全国商工新聞

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 石破茂首相とトランプ米大統領は2月7日、日米首脳会談を行い、共同声明を発表しました。むき出しの強権政治を実行し、これまでの国際合意や国際法にも背を向けるトランプ米大統領におもねるばかりか、国会はおろか閣議にも諮られていない、新たな大軍拡の約束も盛り込みました。
 2022年12月に閣議決定した「安保3文書」の「防衛力整備計画」(整備計画)では、27年度以降の防衛力を「安定的に維持する」としていました。共同声明では、これを「抜本的に強化していく」と踏み込み、トランプ大統領にさらなる軍事費の増額を自ら進言したのです。
 整備計画が「23~27年度の5年間で軍事費を43兆円増額」すると打ち出したことにより、すでに25年度予算案は、社会保障や文教・科学、中小企業対策費が前年物価上昇率2.7%を下回り、実質減となっています。さらなる軍拡は、減らされている暮らしの予算を一層、圧迫するものです。
 共同声明は、日本被団協のノーベル平和賞受賞直後にもかかわらず、いざという時には米国の核兵器を含む軍事力の行使も辞さないことを意味する「拡大抑止、さらなる強化」と明記しました。完成の見通しのない沖縄・辺野古新基地建設を含めた「在日米軍再編の着実な実施」や、沖縄など南西地域での自衛隊と米軍との共同訓練強化などを強調。石破首相は会談で、沖縄での米兵による女性への性暴力や日米地位協定改定について一言も触れず、トランプ大統領の「ガザ所有」発言にさえ、言及を避けました。
 全商連も加盟する安保破棄中央実行委員会は「石破政権が米国の進める中国に対する軍事戦略に加担し、国民の暮らしを犠牲にしてさらに税金を大軍拡に注ぎ込むものであり、絶対に認められない」との談話を発表しました。
 被爆・戦後80年の今年、「戦争する国づくり」を一段と進める今回の日米合意を許さず、大軍拡政治を転換するために「軍事費を削って、暮らしに回せ」の運動をさらに強化することが大事です。「平和でこそ商売繁盛の道」を信条として、平和や民主主義を守る運動に尽力してきた民商・全商連の役割を確信に、「大軍拡反対」の声を大いに上げましょう。

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