大軍拡の新年度予算が成立 自民政治終わらせ暮らし優先に|全国商工新聞

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 営業や暮らしを切り捨て、「戦争する国」へと暴走する2024年度予算が3月28日、自民・公明両党などの賛成多数で成立しました。「裏金」疑惑の真相解明や能登半島地震被災への支援強化などを求めて、日本共産党や立憲民主党などは反対しました。
 憲法違反の「敵基地攻撃能力の保有」を掲げる岸田政権は、長射程ミサイルの取得・開発・量産などを狙い、軍事費は過去最高の約8兆円を計上しました。そのうちの半分は、契約した兵器購入費の後払いに充てられます。自衛隊の武器調達の契約期間を5年から最大10年に延長する「防衛調達特措法」を恒久化する改定法も成立し、軍事ローン(後年度負担)が巨額に膨れ上がる懸念が広がります。侵略戦争に突き進んだ戦前の反省から、戦後に採用されてきた予算の「単年度主義」が一層、形骸化します。
 24年度の中小企業対策費は1693億円となり、23年度当初予算から11億円減に。コロナ禍や資材高騰の影響に加えて、消費税のインボイス制度導入によって多くの中小業者が廃業の危機に立たされており、さらなる支援策拡充が求められます。一方で、半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)1社に、中小企業対策費の7倍以上にもなる1・2兆円超の補助金を投入するなど、大企業を優遇する予算措置が目立ちます。
 24年度税制改正関連法も成立し、6月から1人当たり4万円の所得税などを減税する定額減税が実施に。事業主に面倒な実務が押し付けられます。物価高騰対策であれば、消費税減税の方が経済効果が高いのは明らかです。
 産業競争力基盤強化の名の下に、特定分野に10年間減税する制度なども創設され、大企業を中心に年間2500億円近い減税が見込まれます。消費税導入から35年、消費税収は539兆円に上る一方で、法人3税・所得税などは613兆円も減税されました。「裏金」の温床とされる企業・団体献金を禁止しない限り、税のゆがみは大きくなるばかりです。
 金権腐敗にまみれながら、中小業者と国民に苦難を押し付け、大軍拡・大増税を進める悪政を転換させなければなりません。「自民党政治を終わらせよう」の声を広げましょう。

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