STOPインボイス 増税するな! 各地で響かせ|全国商工新聞

全国商工新聞

 消費税のインボイス制度実施が目前に迫った9月中旬、各地で「STOP!インボイス」の多彩な行動が繰り広げられました。大阪や愛知では、県商工団体連合会(県連)や民主商工会(民商)も加わる実行委員会による集会やデモ行進が数百人規模で行われ、愛媛県四国中央市では自動車25台が市内をパレード。「インボイス制度について考えるフリー編集(者)と漫画家の会」は東京・新宿や札幌市でライブドローイング(公開絵描き)に取り組みました。

ポップカルチャー守れ 大商連など大阪有志の会 360人でサウンドデモ

STOP!インボイスを掲げ、大阪市内の御堂筋をデモ行進する参加者

 「STOP!インボイス」「ノーカルチャー・ノーライフ」「インボイスは、めんど(面倒)いだけや」―。音楽に乗せたコールが大阪市内の御堂筋を揺らしました。通行人が「インボイスって何?」「増税って、あかんやろ」とスマホを向け、手を振りました。大阪商工団体連合会(大商連)や府内の民商会員も加わる「STOP!インボイス大阪有志の会」は9月17日、「ポップカルチャーしなせない」を掲げて御堂筋をデモ行進。360人を超える参加者が本町から、なんばまでアピールしました。
 デモを見かけ、自転車で並走した福嶋嘉章さんは、「ポップカルチャーを死なせたらあかん」と拳を上げました。通行人の女性が、プラカードを持つ参加者に「インボイスって何ですか」と声を掛けたり、若いカップルがコールを聞いて「消費税は『預かり金』やない」と話し込む場面も。大学生の女性二人連れは「STOP!インボイス」のうちわを受け取り、「うちらも絶対反対です」と声を上げました。
 行進前のミニ集会で「有志の会」のTOMさん=デザイナー=(福島民商会員)は、「大阪から日本のポップカルチャーを守った日と刻まれるデモにしたい」と開会あいさつ。フリーライターの合田享史さんは、「これまでは孤独だった。でも、今日、怒りの声を上げる、こんなにたくさんの皆さんとつながることができた」と声を詰まらせました。漫画家の、ましろまろさんは「今はうまくなくても、10年後に世界に出せる漫画を描くようになる人もいるかもしれない。そんな人が、インボイスで廃業せざるを得ない社会でいいんですか」と問い掛けました。山形市から参加した、らいだぁさん=ITエンジニア=は、「私たちに本来の仕事をさせろ。『インボイスやめろ』が事業者の本音だ」と訴えました。
 MCを務めた西成民商元さかえ会員の栄裕矢さんが、サウンドトラックの上から「インボイスに対応できひんのやったら廃業しろって、何でそんなこと言うねん。みんな一生懸命生きるために商売してるんすよ。こんなめんどい制度、押し付けるのは、もうやめろって。増税押し付けんな」とコールすると、参加者は「そや!」とレスポンスしました。
 集会には、森山浩行(立民)、大石あきこ(れいわ)の両衆院議員、大椿ゆうこ参院議員(社民)、清水忠史元衆院議員(共産)が連帯あいさつしました。

全員に不利益もたらす 名古屋市内民商とフリーランスの会 集会・デモに200人

名古屋市内民商の会員らが参加したデモ行進

 「名古屋市内民商インボイスいらんがねの会」は9月17日、「STOP!インボイスinNAGOYA」を行い、集会・デモ行進に200人が参加しました。「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP !インボイス)愛知支部のメンバーにも呼び掛け、実現したもの。各民商が、市さかえ内随一の繁華街・栄周辺を自動車パレード。トラックや乗用車に横断幕や旗を付けてインボイス中止をアピールしました。
 集会では、実行委員長の榊原晋さん(昭和天白瑞穂民商会長)が「中小業者やフリーランスいじめのインボイス制度を絶対に中止させよう。嫌なことは嫌と大きな声で叫ぼう」と、あいさつ。STOP!インボイス愛知支部の2人が「オンライン署名は現在39万人分に。首相官邸前に50万人分を持ち寄ろう」と力を込めました。市内の金山駅頭でスタンディングを続けているチェリールゥさん=もみほぐし=は「インボイスは増税です。業者やフリーランスだけでなく、全員に不利益をもたらす」と訴えました。名古屋南民商の板平勇会長が「今日はいろんな立場の人が集まって行動できた。税制で商売を諦めることがあってはいけない。絶対に中止させよう」と呼び掛けました。
 その後、「STOP!インボイス」「商売つぶすな!」「未来をつぶすな!」「増税するな!」とコールしながら、大須から栄をデモ行進。沿道から手を振る人、声援を送ってくれる人の姿がありました。

「消費税は減税を」 愛媛・宇摩民商ら 自動車パレードも

愛媛・宇摩民商は自動車25台でパレード。市民に「インボイス中止」をアピールしました

 愛媛・宇摩民商も加わる「大軍拡・大増税を許さない四国中央市の会」は9月10日、同市内で自動車パレードと街頭宣伝を行い、民商の12人を含め34人が参加。消費税減税、インボイス反対をアピールしました。
 四国中央市の9月議会に「インボイス制度に関する陳情」を提出するのに合わせて、自動車パレードと、その後の街頭宣伝を企画。自動車25台が市内を東西のコースに分かれてパレードし、スーパー「ハローズ」三島店前に集結し、街頭宣伝を行いました。各団体から「消費税は減税を」「インボイスは中止・延期せよ」「大軍拡の財源を庶民に押し付けるな」「物価高騰への支援を行え」などとリレートークし、車から手を振る人も多くいました。
 も多くいました。民商は、3・13重税反対統一行動の実行委員会を中心に議論を重ね、2月にも自動車パレードを実施するなど取り組みを強化し、四国中央市の会の結成につなげました。

イラスト描き訴え 漫画家ら編集者の会 人だかり100人超

STOP!インボイスと訴える漫画家の由高れおんさん

 漫画家らは9月19日、東京・新宿駅西口地下広場で「STOP!インボイス」と訴えました。
 「インボイス制度を考えるフリー編集者の会」とインボイス制度に反対する税理士らが共催した「ライブドローイング(公開絵描き)と青空インボイス勉強会」には、仕事帰りのサラリーマンや通行人が足を止め、100人を超える人だかりができました。
 税理士の安藤裕さん、神田知宣さんらがインボイスや消費税を解説。漫画家らが続々と駆け付け、その場でイラストを作成。「STOP!インボイス」「インボイス増税反対」と書き添えました。
 「友人たちがやっている行動を応援したい」と駆け付けた漫画家の加藤礼次朗さんは「インボイスで余計な手間を押し付けられる。インボイスで、もうかるわけでもない」と憤りました。ツイッターを見て参加した女性漫画家は「制度導入のメリットがどこにあるのか。出版社からは『これまで通り』と言われているが、不安は残ります」と語りました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから