全商連第3回常任理事会決議|全国商工新聞

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 全国商工団体連合会は11月27日、第3回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。

危機打開とインボイス中止の運動を強め、すべての組織が年度末増勢に挑戦を

一、中小業者の苦難と政治の責任

 3年に及ぶコロナ禍に円安・物価高騰が追い打ちをかけ、中小業者・国民の営業と暮らしが極度に圧迫されています。価格・単価の見直しや経費節減など必死の努力にもかかわらず、利益が減少し、廃業・倒産が広がっています。
 しかし、閣議決定された総合経済対策は極めて不十分です。電気・ガスの負担軽減策とガソリン元売り企業への補助金継続が盛り込まれましたが、負担軽減効果は1家庭当たり月額5千円に過ぎません。制度の適用は来年からで、9月には縮小する方針です。低所得者にとって切実な食費の負担軽減策はほとんどありません。
 いま求められているのは、個別品目の一時的な負担軽減ではありません。円安を誘導する金融緩和政策をやめ、日本経済を根底から立て直す対策です。補正予算で使われる29兆円の財源があれば、消費税率を1年間ゼロにできます。この道にこそ進むべきです。
 岸田政権は、敵基地攻撃や継戦能力の強化に突き進んでいます。核弾頭を搭載できる巡航ミサイル・トマホークの配備にも言及し、今後5年間で防衛力整備に48兆円を費やそうとしています。
 政府税制調査会で消費税増税論議が始まり、年金や介護保険の大改悪が狙われています。
 いくら攻撃能力を高めても、飛来するミサイルをすべて撃ち落とすことも、着弾前に避難することも困難です。軍備で平和はつくれません。憲法と民主主義を壊し、原発依存を強め、ジェンダー平等を敵視する自公政治の暴走は目に余ります。国家間の緊張を高める大軍拡ではなく、憲法を暮らしに生かし、9条に基づく平和外交の推進こそ、政治の責任です。

二、要求運動の重点

 1、自治体にコロナ禍や物価高騰に苦しむ中小業者への支援策を実施・拡充させ、経営継続に生かしてきました。
 中小業者の切実な要求をしっかり受け止める相談を組織的に強めます。国・自治体に給付金など直接支援を要求します。金利・保証料の自己負担なしで借り換えと新規融資を可能にするなど使い勝手の良い制度や返済免除の実施を迫り、資金繰り支援に全力を挙げます。
 地域で労働組合との共同を広げ、中小業者が行う賃上げに必要な原資を前払いで直接補助する仕組みや、社会保険料の事業主負担を半減させる制度を国に迫ります。
 全商連の経営対策交流会も参考に、経営継続を応援し合う交流を民商活動に根付かせます。

 2、消費税減税・インボイス中止の宣伝・署名や共同を広げ、地方議会に働きかけ、政府への意見書送付を実現してきました。インボイス非登録者を排除しようとする自治体やタクシー業界の動きを是正させてきた全商連の活動が、実施中止を願う中小業者やフリーランスを励ましています。全中連の11・6大集会は、フリーランスや作家、出版関係者をはじめ、農業者や労働組合など多彩な業界が結集し、共同の広がりを示す画期的な行動となりました。アニメーターや声優のアンケート調査結果を国会議員やマスコミが取り上げるなど、「中止・延期」への可能性が広がっています。
 インボイスは消費税率の変更を伴わない増税策であり、さらなる税率アップの突破口です。「実施中止」に追い込むことを絶対にあきらめず、全国民的課題であることを広く知らせます。署名や議会請願・議員要請を強めます。来年3月末とされるインボイスの「登録期限」には特例があり、9月末までに申請すれば、10月から有効な番号が交付されます。申請した登録を取り消すことも可能です。登録申請の相談には、実施中止の立場を堅持して対応することが重要です。大切なことは、「登録しないことが実施反対の意思表示」「登録を求めてきた取引先には『絶対に迷惑はかけないから待ってほしい』と伝えよう」と声を掛け合うことです。登録申請を促す動きにどう対応するかを含め、インボイス中止の運動と対策、自主計算パンフの活用促進をめざす学習活動を強めます。
 「消費税減税こそ最大の景気回復策」の世論を広げ、野党が国会に提出している「消費税5%減税とインボイス廃止」を求める法案の審議・採択を全国会議員に迫ります。
 税金相談員を増やし、自主計算・自主申告を広げます。消費税減税・インボイス中止を求める全納税者の一大決起の共同行動として3・13重税反対全国統一行動・集団申告を成功させます。2月19日に東京・日比谷野外音楽堂で開かれる消費税減税・インボイス中止を求める共同集会を全国からの参加で成功させます。倉敷民商弾圧事件・禰屋裁判の勝利に向けた行動提起に応え、全国から支援を強めます。

 3、改憲勢力が3分の2以上を占めた参議院選挙以降、改憲と軍事費2倍化の策動が強まっています。憲法リーフで自民党改憲案の危険な内容を学び合い、改憲発議を阻止します。「軍事費を削って暮らしに回せ」の世論と運動を強めます。辺野古新基地建設の断念を求める新署名を来年3月まで短期集中で集めます。
 統一協会と議員の癒着は民主主義に関わる大問題です。統一協会は、極端な韓国中心主義を教理とし、集団結婚式や霊感商法、高額献金の強要など反社会的行為を繰り返してきた集団です。統一協会と最も深い関係を持ち、選挙支援も差配してきたとされる安倍元首相の国葬が国会審議抜きで行われたことは、癒着の免罪につながるだけでなく、憲法に反する暴挙です。統一協会への解散命令を求めつつ、政策協定を交わし、広告塔となってきた国会議員や地方議員に疑惑の解明を迫ります。改憲・大軍拡を推進し、増税と社会保障改悪を押し付ける岸田政権打倒に力を合わせます。

 4、健康保険証を廃止し、実質義務化につながるマイナンバーカードとの一体化反対の共同を強め、断固阻止します。
 自公政権と一体に、保健所や医療提供体制の削減をはじめ、民営化や大型開発を推進する地方政治の在り方が問われています。来春の統一地方選挙を要求実現の機会と位置付け、政治の革新に力を合わせます。議会ごとに報告会を開くなど、政治と商売の関わりを話し合う機会を増やします。全商連の「国保提言・2022年版」で学習を広げ、国保負担の大幅軽減を地方選挙の争点に押し上げます。統一協会との癒着が明らかな議員をはじめ、カジノ誘致や新自由主義政策を進め、ジェンダー平等や立憲主義と敵対する議員に審判を下します。

三、組織建設の重点

 1、70周年を出発点にした新たな前進をめざし、第1回理事会決議に基づいて、読者・会員の年間増勢に挑戦してきました。県連として、読者・会員が10月末で昨年末を上回るのは沖縄県連だけにとどまり、全国増勢に転じることに成功していません。しかし、読者で70民商、会員で93民商が会勢を前進させており、取り組みの前進面に学ぶことが大切です。
 秋の運動では、コロナ禍・物価高騰の中で、創意的な営業動向調査の活動が会員対話と結んで展開されてきました。全会員の班・支部への所属にこだわり、多くの会員からの紹介を読者前面の拡大に結実させた経験もありました。県連で足並みをそろえ、お互いに激励し合う統一行動や拡大リレーが仲間を元気にしているとの報告も寄せられています。県連拡大推進委員会の毎月開催を定例化し、拡大の独自追求を成功させている県連もあります。相談活動のウイングを広げられれば、小法人やフリーランスに至るまで、仲間に迎え入れるべき、大勢の拡大対象者が存在します。第55回総会方針が示す「成長・発展目標」の視点から、取り組みを見直し、すべての民商が23年3月末での年間増勢に力を合わせます。

 2、70年史を活用し、読後感を出し合う事務局員の研修や、自治体要請に生かす取り組みが進んでいます。「ここまで70年史としてまとめておけば、きっと民商・全商連が新しい歴史をつくる力になると思う」(ベテランの役員)との感想も寄せられています。
 70年史は、過去を振り返るだけのものではなく、現在の中にも限りなく息づいています。今後の運動・組織の前進に役立てることにこそ、発刊の最大の目的があります。歴史的に貫かれている方針の系統性に理解を深め、さまざまな政策提案にも学んで「商売・人生・民商」への確信と誇りを培い、危機打開に立ち向かう力にします。

 3、年末から、未収克服の対話と財政活動改善の取り組みを強め、春の運動では全会員の活動参加を視野に入れて、要求運動と組織建設を一体的に推進します。
 すべての民商が、機関会議や拡大推進委員会で、拡大の到達目標と仲間のやる気を引き出す統一行動などの計画を持つようにします。商工新聞で運動を組織する「読者前面の拡大」を追求し、学習相談と結んだ会員拡大、読者から入会の取り組みを強めます。
 班・支部など身近な集まりを設定して、コロナ禍で希薄になっている仲間の結び付きを取り戻します。困難打開へ、消費税減税・インボイス中止などを掲げた学習・相談を、内外に広く呼び掛けて成功させます。実績チラシや商工新聞の宣伝紙を大いに活用し、打って出る取り組みを強めます。広範なフリーランスと商工新聞の出合いを広げるため、ホームページ・SNSでの結び付きや会員・読者からの紹介を呼び掛けます。
 制度学習大綱・特別措置では、新会員の歓迎学習会への助成を「入会から1年以内」まで広げています。民商全体の魅力を伝え、3・13統一行動などへの参加を促します。

 4、運動前進のカギを握るのは、会長と事務局長の相互信頼と団結です。規約に基づく会の民主的運営を保障し、方針に会員の総意を結集して、自主計算活動を軸に運動が正しく発展するようにします。
 コロナ禍対応での「自前の共済」の魅力を伝え、同時加入で助け合いの輪を広げます。業者婦人実態調査の結果に基づく国・自治体への要請と婦人部の仲間づくりを支援します。相談活動で若手の担い手づくりを進め、業者青年交流会の成果を伝えて、青年部建設を援助します。
 県連拡大推進委員長会議の報告と討議に基づき、拡大運動の独自追求への意思統一を図るとともに、民商や県連を中心に新春学習決起集会を開催して「仲間を増やして要求実現」への意欲を湧かせます。

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