マイナ保険証の取得強要 廃止すべきは「個人番号カード」|全国商工新聞

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 岸田政権は、マイナンバー(個人番号)カードと健康保険証を「マイナ保険証」に一体化させ、2024年度秋に現行の健康保険証を廃止すると表明しました。これまで、「任意」としてきた個人番号カードの取得を事実上強制するもので、「国民が望まないものを強制するな」と、怒りが広がっています。
 政府は、来年3月末までに全国民にカードが行き渡ることを目指していますが、9月末時点の交付率は49%です。カードを読み込むためのリーダー専用機を設置した医療機関や薬局は、約3割にとどまっています。
 カードの普及が進まないのは、政府への信頼がないからです。個人番号制度により国民の個人情報がひも付けされ、膨大な量の情報が収集・集積されます。多くの国民は、政府が集めた個人情報を悪用し、国民一人一人の人物像をプロファイリング(分析)して監視社会化が強まることに強い懸念や不安を感じています。
 もともと、個人番号制度は、税や金融情報などをひも付け、国民の収入・資産状況を把握し、徴税強化と社会保障の給付削減を狙って導入されました。
 全国商工団体連合会(全商連)はこの間、中小業者に過大な管理負担などを押し付ける個人番号制度に反対し、確定申告書や地方税の特別徴収税額決定通知書、雇用保険手続きにおいての番号不記載を迫り、制度の形骸化を図りながら廃止を求めてきました。
 全商連も参加するマイナンバー制度反対連絡会が呼び掛けた「保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名(ネット署名)」は21日時点で11万人を超え、反対の声が日増しに高まっています。全国中小業者団体連絡会の11・6大集会(東京・芝公園)スローガンにも「マイナンバーカードの取得強要反対」が追加されました。
 政府は、来年の通常国会にマイナンバー法改定案を提出し、社会保障、税、災害対策の3分野に限るとされている利用範囲の拡大を狙っています。
 「廃止すべきは個人番号カード」の声を強め、運動を大きく広げましょう。

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