岩手県奥州市 軽貨物業者も対象に 原油高騰の支援金 当事者の「生の声」伝え 胆江民商の要請実る|全国商工新聞

全国商工新聞

 「軽貨物運送業者にも原油高騰の支援事業を追加適用させた」―。岩手県奥州市は9月9日、「運輸事業者運行支援緊急対策事業」(対象車両1台当たり2万3千円を支給)の対象に軽貨物運送業者を加える決定を行いました。岩手・胆江民主商工会(民商)が8月23日の懇談で要望していたもので、民商では「原油高で苦しむ運輸関連業者へ伝え、活用を進めよう」と呼び掛けています。

要請書を手渡す胆江民商の千葉敦会長(左)

 懇談には、千葉敦会長=獣医=はじめ3人が参加。市商工観光部の佐賀俊憲部長、門脇純商業観光課長が応対しました。
 奥州市は9月以降、コロナ禍における原油価格・物価高騰対策として、トラック協会に加盟する市内大手の事業者やバス、タクシーなどの事業者に対する支援をメニュー化。一方で、団体に所属していない軽貨物運送業や運転代行業を営む小規模事業者は支援の対象に挙げられていませんでした。
 市との懇談に参加した軽貨物運送事業者が自らの状況を訴え、「大手宅配事業者と契約するため、軽自動車による貨物運送業者に義務付けられている車両の『黒ナンバー』を取得し、毎年、所得税の申告もしている」「夏はガソリン代節約のため、エアコンもつけずに一日中運転している。今年はガソリン代が高く、それでも赤字になる」と厳しい実態を伝えました。運転代行業者の苦境も伝え、支援対象とするよう要望。門脇課長は「参考になった。前向きに対応したい」と回答していました。
 千葉会長は「民商の懇談で市の姿勢を変えることができた。業者の『生の声』を市に届けることが今回の成果につながった」と語っています。
 民商は、今回は具体化されなかった運転代行業者への支援実現に向けて、市への要請を継続することにしています。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから