仲間増やしで奮闘した民商・県連|全国商工新聞

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 全国商工団体連合会(全商連)第55回総会では、商工新聞読者や会員など仲間増やしで奮闘した民主商工会(民商)、県商工団体連合会(県連)が表彰されました。活動の一部を紹介します。

前総会から会員340人増勢 兵庫県連 全自治体要請と宣伝継続し

たつの市との懇談

 兵庫県連は、会員現勢が第54回総会時から340人増え、1万5440人となり、2総会連続で前総会時現勢を突破しました。
 その要因は、大きく二つあります。一つは、8年前から取り組んできた全自治体要請が各民商を強めてきたことです。各民商が、地域の中小業者を代表して、業者の要求を取りまとめ、毎年、自治体と懇談。「国の悪政が続く中、自治体に目を向けた運動が大切や」と、全30民商と県連が41自治体と県に「中小業者支援策の拡充・改善」を要望してきました。
 県連は、民商が足並みをそろえ、自治体懇談の力量を高められるよう、県連役員を派遣。県連役員は、所属民商の担当自治体はもちろん、サポートする自治体要請にも参加し、その姿勢や施策、地域の業者の実態などを学びました。コロナ禍以降は、困窮する業者に「事業継続の直接支援」を要請し、多くの自治体が「地域を盛り上げたい」と、前向きな懇談に。加西市では、市長が毎年懇談に出席し、「ご提案は一つずつ取り入れさせていただいている」と話し、市独自の小規模事業者支援金制度や国保税引き下げなどを実現。担当する、はりま中央民商は要請結果をニュースで知らせ、支援制度を大いに活用しました。
 もう一つは、地域に民商を粘り強く知らせてきたことです。会員で5%増勢した長田民商の粟田皓二会長=電気工事=は「10年前から取り組んできた『メール便を使ったお知らせ』の成果だ」と振り返ります。「営業許可申請の名簿を区役所で調べたり、電話帳で発掘した千人超に、記帳や労働保険、共済会、インボイスなどを知らせる民商のビラをメール便で届けてきた。前総会時以降に入会した30人の約半分は、メール便を送った相手」と言います。

メール便で地域の業者に届けた長田民商のビラ
三田民商の拡大行動

 会員で5%増、読者も増勢させた三田民商は、商店街訪問や何でも法律相談会、一人親方が住んでいそうな住宅街へのビラ配りを毎月、欠かさず実施。役員会で「コロナ禍で大変な時だからこそ、会員の声を聞こう」と話し合い、5年以上続けている会員訪問も途切れず行いました。訪問した会員から「ありがとう」と歓迎され、会内の一体感が生まれ、前向きの力になりました。

コロナ相談内外に周知 鹿児島県連 3民商が会員で前総会時突破

3民商で会員の前総会時現勢を突破した鹿児島県連

 鹿児島県連は、前総会から、会内外に積極的にコロナ支援の相談会を呼び掛け、運転資金獲得と事業継続に力を合わせてきました。この中で、きもつき、奄美の両民商が読者せんだいと会員で、さつま川内民商が会員で、前総会時現勢を突破しました。
 きもつき民商は、コロナ支援相談の呼び掛けはがきを作成し、全会員に発送。「誰一人取り残さない」と、累計200件以上の相談を受け付け、事業復活支援金の申請を150人以上、行いました。相談者の話を丁寧に聞き取る役員と事務局員の姿勢が信頼を広げ、今春には20年ぶりに最高現勢を突破しました。
 奄美民商では、確定申告期でも支援金申請の相談を後回しにせず、「国や自治体の支援策をいち早く、困っている会員や地域の事業者に知らせよう」とニュースを作成し、商工新聞とともに配布。ニュースを手に申請相談に来る人が増え、「民商に相談すると、早く申請ができて助かる」と紹介が増えました。「この機会に、民商で日々の帳簿付けを勉強しよう」と呼び掛けています。
 さつま川内民商も、民商だよりで制度を知らせ、「いつでも電話してください」と呼び掛け。「民商なら相談しやすい」と、相談者が知り合いの業者に伝え、入会が増えました。役員会は月1回開いて、相談や拡大の状況を把握。拡大の目標達成を喜び合いつつ、「もっと民商を知らせよう」と話し合っています。

支援金申請で信頼 北海道・北見民商 会員、7年連続で増勢

飲食・関連事業者への支援を求め署名5千人分を北見市に提出する北見民商の会員ら
北見民商が開いたインボイス学習会

 北海道・北見民商は、反転攻勢(会員6%増)、総会増勢(商工新聞読者20%増、会員12%増)、第54回総会時会員比読者数(169%)の4項目で表彰基準を達成しました。民商は会員で7年連続、読者で2年連続の年間増勢を続けています。特徴は、「コロナ支援相談を通じた仲間増やし」です。
 2021年3~6月、飲食・関連事業者に対する北見市独自の支援制度を求める署名に取り組み、5千人分を市に提出。制度が実現しました。取り組みの中で対話も進み、北見市の繁華街では1年で19人の飲食店会員が増えました。
 読者になって、それが入会につながる例も少なくありません。支援金相談を通じて読者になり、その後継続して相談に訪れる中で入会した人は、この1年で11人いました。
 各種支援金申請に必要な事前確認は、会長の佐々木泰さん=行政書士=が直接担当。これまで一人で300件もの確認作業を手掛け、そのうち50人ほどは他民商からも依頼を受け付けました。佐々木さんが言います。
 「『支援金申請は民商で!』という口コミが広がりました。北見民商はこの10年、会員を100人ほど増やし、55回総会時で552人になりました。地域での存在感が増しています。次は600人会員をめざし、さらなる飛躍をめざしたい」

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