全国商工新聞

阪神電鉄元町駅に隣接した地下飲食街「有楽名店街」
11月4日の「裁判の説明会」

 神戸市中央区の阪神電鉄元町駅に隣接した地下飲食街「有楽名店街」の2店舗が阪神電鉄から明け渡しを求められていた訴訟で先ごろ、大阪高裁で勝利的「和解」が成立。阪神電鉄の不当な明け渡しとたたかってきた神戸民主商工会(民商)会員の長野春男さん、井上貞子さんは「皆さんの支援のおかげ」と喜びます。
 有楽名店街は1947年につくられた地下飲食街で、元町駅の東口と西口を結ぶ約120メートルの通路にスナックや小料理屋が軒を連ねます。最盛期は50店舗ほどありましたが、撤退も相次ぎ、今は15店舗に。
 2014年3月、大阪の阪急電鉄十三駅前に密集する飲食店街で39店舗が焼ける大規模火災が発生。阪神電鉄は、この火災などを受けて同年11月、「火災時の安全が確保できない」と有楽名店街の閉鎖を決め、説明会を開催。これに対し、有楽名店街は「撤回」を求め、たたかってきました。名店街には多くの民商会員が在籍しており、民商も活動を支援してきました。
 今回、勝利的和解を勝ち取った2店舗は、18年に阪神電鉄から明け渡しを求め、提訴されていました。裁判の争点は「定期賃貸借契約」についての説明の有無でした。阪神は「更新のない定借」と主張。原告は「その説明はなかった」と反論してきました。神戸地裁は21年1月、2店舗に明け渡しを命じましたが、2人は判決を不服として大阪高裁に控訴していました。
 5月13日から始まった控訴審で、裁判長は和解を提案。阪神電鉄に「立ち退きを求める正当事由はあるのか?」とただしたことを踏まえ、同社は急きょ、方針転換。同社が「立ち退き料に相当する解決金を支払う」、2店舗が「1月11日までに退去する」旨を内容とする和解が成立に至りました。
 長野さんは「より良い条件で和解できて良かった。裁判長から『今後も商売を頑張ってください』と言われ、本当にうれしかった」と喜びます。井上さんは「(和解は)有楽名店街と民商の仲間が地裁の時から傍聴に来てくれ、皆さんの支援があったおかげ。店は閉じますが、生涯会員でいるつもり」と話します。

13店舗は未解決

 2店舗とは和解したものの、阪神電鉄は「残りの店にも適宜、明け渡しを求めていく」としており、残る13店舗との間で問題は解決していません。
 有楽名店街は11月4日、訴訟代理人の與語信也、坂本知可の両弁護士を招いて説明会を開催し、全面解決に向け、引き続き頑張っていくことを確認しました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから