全国商工新聞

 沖縄県名護市が国や自治体からの給付金などの申告について、返答がない場合は推計課税をするという不当な文書を送り付けた問題で、名護民主商工会(民商)は5日、同市に抗議し、「返答がなくても推計課税をしない」と約束させました。

憲法順守の税務行政求め 給付金受給者が対策会議

名護市に文書の撤回を求める名護民商の仲本興真会長(左側手前)たち
文書を受け取った会員が集まった民商の対策会議

 問題の文書は、2020年分の申告について給付金などを受給した場合、申告が必要になるため、収入・経費が分かる書類を準備し、11月5日までに申告することを求め、期限までに返答がない場合、推計課税をするというもの。民商では交渉前に、文書を受け取った会員を集めた会議を開き、念入りに打ち合わせしました。
 要請には、当事者10人をはじめ16人が参加。「市が送付した事業収入および給付金等の確認文書は申告納税制度を逸脱した行為であり、国民の主権を踏みにじるものであり、憲法を順守し、税務行政に努める」ことを求め、①給付金等受給の確認を口実にした呼び出しや調査は行わない②文書を撤回する③コロナ関連の給付金は非課税にすることを国に求める④申告納税制度を徹底する―を要望しました。税務課から係長と担当職員の3人が応対しました。
 名護民商の仲本興真会長は「20年分の確定申告では、給付金等の収入計上は税法にのっとって申告するように話し合い、今日の参加者も申告前に収支内訳書を準備し、真面目に確定申告をした。そもそも、国税庁の所得税法基本通達では、収入金額の記載がなくても申告は有効であり、罰則もなく、不利益もない。収支内訳書の未提出も、罰則のない訓示規定である」と抗議。「今回の行為は、国民の主権を踏みにじるもの。『確認期限内に返答がない場合は、推計課税をさせていただきます』の文言は、申告納税制度を無視した、とんでもない内容だ」と市の姿勢をただしました。
 係長は「給付金が収入になることを知らない方がいたので、お知らせのつもりだった」などと弁明。それに対して、役所に一人で出向いた会員は「通帳を見せなさい」「なんで赤字になるの」「今日はこれで帰っていいけど、後からまた文書があるかもしれないから」などと言われ、「とても恐くて、脅されているように感じたと話していた」と伝えました。
 係長は「やり方がきつかったかもしれません。今後、改善します。今回のことで、返答がなくとも推計課税はしません」と明確に答えました。
 参加者は「コロナ禍で業者や市民が苦境の今こそ、市民の暮らしを守ることが自治体の役割だ。国に対して給付金を非課税にするように求めてほしい」と重ねて要望しました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから