全国商工新聞

国民監視の共謀罪反対 番号未記載も受理さす

共謀罪法の成立に抗議し、5500人が集まった国会前の集会=2017年6月15日

 「専守防衛」の建前さえ捨て、外国のために戦争する「集団的自衛権」を容認したことを画期として、自公政権はこの10年、日本を「戦争する国」に変えるための法整備を進めてきました。2013年に特定秘密保護法、15年には安保法制(戦争法)、17年には共謀罪法を押し通しました。国があらゆる個人情報をひも付け、12桁の個人番号で管理するマイナンバー(個人番号)制度を実施。今年9月にはデジタル庁を発足させ、全国民へのマイナンバーカード強制を狙っています。民商・全商連は、国民監視を強める強権的な政治とたたかってきました。

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 17年1月に開会された第193回通常国会。「森友疑惑」が発覚し、「私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」と答弁した安倍首相(当時)の意向を忖度し、公文書の廃棄や改ざんが次々と行われ、官僚の虚偽答弁が繰り返されました。
 その国会で最大の焦点になったのが、共謀罪とのたたかいです。3月21日に法案が提出。共謀罪法案は2003年から三度提出されましたが、根強い反対の声が上がり、いずれも廃案に追い込まれました。
 共謀罪は「現代の治安維持法」といわれ、対象となる「犯罪」の中には、所得税法や法人税法も含まれていました。例えば、民商の集まりで「税金が高くて払えない」と相談をしたことを、捜査機関が「犯罪」を計画した、話し合った(共謀した)とみなせば、処罰を可能にするものです。
 民商・全商連は「共謀罪は、戦争する国づくりの一環。廃案に追い込もう」と呼び掛け、集会や宣伝行動を各地で展開。国会前では、衆院法務委員会で採決が強行された5月16日以降、連日のように集会や座り込みが行われました。
 しかし6月15日、異例の徹夜国会の末、参院本会議で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決・成立。その日の夕方、全国各地で抗議集会が開かれ、国会前には5500人が駆け付けました。「やむにやまれず、連日のように国会に足を運んだ」と話すのは、埼玉・入間東部民商の玄間可那子さん=金属加工。「共謀罪は、モノを言う人たちを監視し、日本を戦争する国にするためでしょう。子どもの頃、戦争を体験しているので、戦争につながることや、憲法をないがしろにする動きは許せない。戦争は絶対にさせない」。全商連は、太田義郎会長名で抗議声明を発表し、廃止をめざすたたかいを提起しました。
 マイナンバー制度のたたかいでは、国民監視・管理を強め、資産調査によって税の徴収強化や、社会保障給付削減につながる恐れがあること、漏れた場合の罰則があるなどの問題点を明らかにし、制度実施の延期・廃止を求めました。
 国税庁などとの交渉では、「確定申告書などに個人番号が記載されていなくても受理する」「事業者が従業員などの個人番号を扱わないことに対して罰則や不利益はない」などの回答を引き出しました(15年10月27、28両日)。
 各地の民商では、学習会や班会で運動の成果を学び、不安を解消させました。沖縄民商では、安倍政権が個人番号で国民統制を強め、徴税を強化して戦争する国づくりをめざしていることを学習会で学び、「私はマイナンバーを提出しなしんがきい」宣言書を作成。新垣義武さん、美津枝さんは、番号提出をしつこく求めていた市役所の職員に宣言書を示し、年金を受け取りました。
 毎年、各地で取り組まれている「3・13重税反対全国統一行動」では、番号未記載でも確定申告書が受理されています。


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