全国商工新聞

 全国商工団体連合会(全商連)は5日、新型コロナウイルス感染拡大により飲食業をはじめとした中小事業者への持続化給付金・家賃支援給付金の不支給決定に対する審査請求手続きの開始や一時支援金の「不備ループ」解消へ、審査情報の提供を中小企業庁に要請しました。

会員の動画を映し営業実態を明らかにした全商連の中企庁交渉

 全商連と自由法曹団は6月21日、持続化給付金・家賃支援給付金を不支給とされた案件について、行政不服審査法に基づき71件の審査請求を申し立てています。
 これについて、中小企業庁は「補助金・給付金は法解釈上、『処分』とはみなされていない。処分でない以上、同法の審査請求を受理することはできない。また、規程で『申請者等から不服の申し立てがあった場合は、適宜再調査を行うなど必要な対応を図る』としている点については、すでに行ってきた。事後的な審査を行うようなことはやっていない」と再審査に応ずる考えはないことを明らかにしました。
 また、「不備ループ」解消への情報提供についても「個別の情報提供は想定していない。一律全体的な対応ができるように考えている。審査事務局にもマニュアルの徹底を図る。情報提供はホームページ上やコールセンターなどで行っていく」と述べました。
 また、月次支援金の締め切り延長についても「現時点では考えていない」と否定しました。
 加藤健次弁護士は「実態がありながら、給付から漏れている人がいることを認識していながら、審査請求を受け付けないとは、あまりにもひどい。これらの人を、どう救済していくのか。コロナ禍で困窮している事業者に『不服があったら裁判所に持っていけ』というのは、あまりに酷だ。見直し、再吟味はできるのではないか」と再検討を迫りました。これに対し「持ち帰り、検討させてほしい」と応じました。
 「不備ループ」問題では、現金商売の申請者で営業実態が明らかではないとされている会員5人の商売の状況をまとめた動画を映し、実態を示しました。これについても「書類上は何が足りないのか、確認し、示していけるようにしたい」と述べるにとどまりました。
 全商連の岡崎民人事務局長は「地域に根を張って、真面目に商売をしている多様な業者の経営実態をよく見て、公平・公正に支給してほしい」。中山眞常任理事は「実態を示し、声を上げている人に、個別具体的に対応してもらいたい」と重ねて要求。柔軟な対応を訴えました。
 日本共産党の田村智子副委員長、岩渕友、大門実紀史の各参院議員が同席。大門氏は「不備ループは大問題。国会の調査案件として取り上げたい」と述べました。
 交渉終了後、全商連は審査請求人の代理人弁護士と打ち合わせし、中小企業庁が審査請求について法的解釈を示したものの、行政としてどう対応するか検討するとの態度を示したことから、個別事案ごとに不支給決定の不当性を明らかにし、審査の見直しを求める方向で一致。具体的な取り組みについて話し合っていくことになりました。

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