全国商工新聞

衆院第一議員会館内で開かれた「消費税インボイス制度実施は延期・中止に!緊急集会」

「コロナ禍の中で、インボイス制度の実施はやめよ」-。「消費税インボイス制度実施は延期・中止に!緊急集会」が4日、衆院第一議員会館内で開かれました。会場には、建設や米穀など業界団体や労働組合、農民組合、全国商工団体連合会(全商連)の役員、税理士ら70人が参加。ウェブでも配信して170人が視聴しました。
 自民党・安藤裕、立憲民主党・末松義規、日本共産党・清水忠史の各衆院議員が激励に駆け付け、連帯あいさつ。
 元静岡大学教授の湖東京至税理士が講演。「政府は免税事業者をなくすためにインボイス制度を導入しようとしている。同時に、帳簿方式からインボイス方式に変えるのは、ヨーロッパ諸国のように税率を20%まで引き上げるため」と導入の狙いを明らかにしました。
 意見交換では、コロナ禍の状況やインボイス制度が与える影響が報告され、「コロナ禍の中で、インボイス制度実施は中止を求める一点での共同」が呼び掛けられました。
 全商連の中山眞常任理事が、閉会あいさつで集会アピール案を提案。インボイス制度の実施を延期・中止させるため、幅広い業界団体・個人が声を上げ、①情報の発信、共有②国会請願署名の推進③政党・議員への働き掛けに取り組むことを確認しました。

取引排除の危険を告発 署名や議員要請を広げ 全商連など緊急集会 総選挙の一大争点に

 「消費税インボイス制度実施は延期・中止に!緊急集会」(4日)は、税理士や大学教授、演劇・映画関係者、農民連ふるさとネットワーク、全労連、東京土建一般労働組合、全国商工団体連合会(全商連)が呼び掛けたもの。

各界から参加して開かれた「消費税インボイス制度実施は延期・中止に!緊急集会」

 呼び掛け人の立正大学法制研究所の浦野広明特別研究員(税理士)が開会あいさつ。「インボイス制度は課税事業者にインボイスの発行と保存を義務付け、間違ったインボイスを発行すれば、罰金を課す厳しい制度。消費税減税やインボイス制度を中止させる政権をつくるため、力を合わせよう」と呼び掛けました。
 ジャーナリストの斎藤貴男さんは「政府の中小業者つぶし政策は、いよいよ総仕上げの段階に入った。理不尽なインボイス制度の導入を許せば、事業者の存続だけでなく、とんでもない社会がつくられてしまう」と警鐘を鳴らしました。
 元静岡大学教授の湖東京至税理士は、インボイス制度の問題点とともに、制度がもたらす重大な影響について講演。「圧倒的な小規模事業者が免税を放棄して課税事業者を選択し、残った小規模事業者は転・廃業を迫られる。免税事業者がいなくなると、韓国のように紙ではなく電子インボイスになり、キャッシュレスの進行と併せて、全ての取引が国税庁に集積される。デジタル社会をつくる入り口がインボイス制度」と指摘しました。
 意見交換では、京都からウェブ参加した個人タクシー互助協同組合の洲見雅義代表理事は「コロナ禍で1日走っても売り上げは3千円から5千円。インボイスを発行できない免税事業者の個人タクシーは利用されなくなる。力を合わせて中止させたい」と力を込めました。
 全国建設労働組合総連合東京都連合会の宮本英典書記長は「免税事業者の一人親方は、インボイス制度によって取引から排除されるか、消費税分の値引きが強要される。多くの団体と共同を広げ、実施を中止させよう」と訴えました。
 ダンプや軽貨物ドライバーも深刻です。建交労神奈川県本部の高橋英晴書記長は「ほとんどが免税業者。課税事業者になれば消費税の負担に耐え切れず、廃業に追い込まれる。消費税減税やインボイス制度の中止を求めて総選挙をたたかいたい」と決意を述べました。
 日本米穀商連合会の相川英一専務理事は「コロナ禍の中で中小零細事業を苦しめるようなことは、やめてほしい。消費税減税が世界の流れ。皆さんと手を取り合って、運動を盛り上げたい」。農民運動全国連合会の吉川利明事務局長は「販売農家107万戸のうち、約9割は免税事業者。有機農家が取引先から『課税事業者になってくれ』と言われ、試算すると700万円の売り上げで、消費税負担は約10万円。消費税は赤字でも払わねばならないので、課税事業者となるのは重い選択だ」と訴えました。
 「インボイス制度中止を求めた意見書を各政党に提出した」と報告したのは、税経新人会全国協議会事務局長の井上礎幸税理士。「国会議員に問題点を理解してもらうことが重要。実施を中止させよう」と呼び掛けました。呼び掛け人の新宿税理士政治連盟会長の菊池純税理士は「インボイス制度は免税事業者をつぶすための制度。インボイス制度中止と消費税減税を野党の共通政策に掲げてほしい」。千葉税経新人会の岡澤利昭税理士は「財務省は免税事業者に制度内容を周知せず、実態もつかもうとしていない。制度の問題点を広げることが重要」と強調しました。
 日本エンターテイメント連盟の白井博之代表理事は「大道芸人やタップダンサーなどは9割以上が免税事業者。コロナ禍で廃業に追い込まれた事業者もいる。消費税の負担が強いられることは許せない。中止を強く求めたい」とメッセージを寄せました。

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