全国商工新聞

 全商連付属・中小商工業研究所は4月28日、「2021年上期(3月)営業動向調査」を発表(調査期間=2月17日~3月20日)。新型コロナ感染症拡大で経営危機が続く宿泊・飲食業の動向に焦点を当て、極めて深刻な状態にあることが浮き彫りになっています(有効回答=701人、調査モニター人数=47都道府県1192人、有効回答率=58.8%)。

 今回の実施時期は、新型コロナパンデミック宣言(WHO=世界保健機関、昨年3月11日)からちょうど1年。前期(20年下期)調査は、全ての業種で、過去の調査結果と比べて最も悪化したといってよいほどDI値(「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を引いた割合)の落ち込みが見られました。
 今上期の全業種における「総合経営判断」「売り上げ」「利益」の各DI値は持ち直しの兆しを見せているものの、新型コロナ感染症拡大前の水準には戻っていません。調査期間後、変異ウイルスが拡大し、3度目の「緊急事態宣言」が発令され、「まん延防止等重点措置」の適用地域も広がっています。今調査は、この現下の状況を反映していません。従って、コロナ感染症の拡大次第では、これらのDI値は腰折れし、再び急激な悪化に転じることが十分に考えられると、「腰折れの懸念」を強調しています。
 宿泊・飲食業の経営動向については、「極めて深刻な経営実態が浮き彫りになった。前期調査で過去最も落ち込んだ売上DI値は横ばい(前期調査▲93.3→今期調査▲92.1)で、利益DI値は悪化(前期調査▲93.5→今期調査▲95.2)した。営業時間の短縮要請を受けている地域や、それ以外の地域の飲食業者も危機的な経営に陥っていることがうかがえる」と指摘しています。
 その上で「不十分な支援策では、年度末にかけての倒産・廃業の増加が危惧される。持続化給付金の再給付と消費税減税を求める声が目立った。売上規模に応じた持続化給付金を、全国の中小商工業者を対象に行うべきである。政府は、中小商工業者支援策としての消費税減税に踏み出すべきである」と求めています。

「ひとこと欄」から

 調査は、飲食店の苦境について言及。「『ひとこと欄』に寄せられた、各地の飲食店経営者たちの悲鳴は、深刻な経営実態を物語っている。営業時間の短縮要請を受けている地域や、それ以外の地域の飲食業者も危機的な経営に陥っていることがうかがえる」と指摘しています。
◎…コロナ禍でステイホームが呼び掛けられ、店に客が一切来なくなった。貯金を切り崩しながら経営している。(群馬・50代男性、飲食店)
◎…緊急事態宣言の時短要請に従って短時間、店を開けているが、19時を過ぎると帰る客がほとんどだ。売り上げは半減。(兵庫・70代男性、飲食店)
◎…同業者で廃業する人も増え、腹立ちさと淋しさでいっぱい。(大阪・70超女性、大衆酒場・スナック)
◎…和歌山の飲食街でラーメン店を営業しているが、客足は激減し、売り上げは8割減だ。いつ終わるとも知れないコロナ禍を耐えている。(和歌山・70超男性、ラーメン店)
◎…新型コロナの影響は予想以上に深刻で、昨年は仕事がなくなり、今年も予約のキャンセルが相次ぎ、先の見通しがつかない。給付金も底を突いた。(兵庫・60代女性、飲食店)
◎…2020年の年間売り上げは創業以来最低。客が元のように戻ることは厳しいだろう。(兵庫・50代女性、大衆酒場・スナック)
◎…スナック業界は今後必要とされるのか、続けていけるのか。借金だけが増えてすごく不安。(高知・30代女性、大衆酒場・スナック)
◎…実質倒産状況だ。(長崎・40代女性、一般飲食店)

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