コロナ禍の課題を交流 全中連業界懇談会 オンライン中継も|全国商工新聞

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「コロナ禍を乗り越えるためにも、地域循環型の経済をめざそう」と呼び掛ける太田義郎代表幹事(全商連会長)

 全国中小業者団体連絡会(全中連)は9日、2021年度業界懇談会を全商連会館で開催しました。「コロナ禍と業界の課題と展望」がテーマの3部構成。日本米穀商連合会など28人が出席し、ズームでオンライン中継し、全国53カ所で視聴されました。
 太田義郎代表幹事(全国商工団体連合会会長)が主催者あいさつ。デジタル改革関連法案の動きに触れ、「国が個人情報を一括管理して国民監視が強まるばかりか、民間企業が個人情報をもうけに使うことを許すことになる」と告発。「コロナ禍を乗り越えるため、地域循環型の自立した経済をめざす方向性についても意見交換を」と呼び掛けました。
 第1部は「コロナ恐慌と日本の選択」と題し、群馬大学の山田博文名誉教授が講演。コロナ危機は、世界のGDPの1割強を消滅させるなど、100年に一度の世界恐慌に陥っており、アベノミクス下の積極的な財政出動や金融緩和でだぶついた資金が証券市場に回り、投機的なビジネスが活発化し、貧困・格差の拡大が進んでいると指摘。わが国は1300兆円を超える超債務国になっており、危機脱出のためには、大企業の内部留保488兆円、対外純資産382兆円、富裕層資産333兆円への適正な課税が不可欠と強調しました。
 第2部は、湖東京至税理士が「危険な消費税・インボイス制度」をテーマに、インボイスの危険性を、Q&A方式で分かりやすく解説。湖東氏は、インボイスの導入で1千万円以下の免税事業者も、課税事業者である取引先から“お宅の請求書では、仕入税額控除ができない”と適格請求書を求められることになり、課税事業者にならなければ、取引を止められる恐れもあると指摘。「日本でもデジタル化やキャッシュレス化が進めば、韓国のように、インボイスが電子化し、全ての取引が税務署に管理され、申告納税制度が崩壊するかもしれない」と警鐘を鳴らしました。
 第3部は、建設政策研究所、株式会社きかんし、全労連、農民連など5人が、コロナ禍の状況やインボイス方式導入への懸念などを報告。
 住江憲勇代表幹事(全国保険医団体連合会会長)が閉会あいさつ。コロナ収束を前提に組まれた21年度予算を修正させ、中小業者や国民の営業と生活を守らせようと呼び掛けました。

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