全国商工新聞

 国会では、発足から約2カ月になる菅政権の政治姿勢を正すべく、野党共闘を生かした論戦が展開されています。
 焦点の一つは、日本学術会議の新会員任命拒否問題です。菅首相は、学者たちが戦争法などに異を唱えたことと任命除外の関連性を否定するものの、言を左右にして理由の確答を避けています。しかし、立憲民主党や日本共産党の議員団による追及で、次第に真相が明らかになっています。
 人事の検討過程では、除外した多くの学者を菅首相は知らず、警察庁出身の杉田官房副長官が判断していました。また、菅政権は「推薦通りに任命する義務があるとまでは言えない」との見解を「一貫した考え」だと主張しますが、記録は2年前に内閣府が法制局と協議した内部文書だけです。任命権を「形式的」としてきた累次の大臣答弁をこっそり変更していました。菅首相は「推薦前の調整がなかった」とまで言い出しています。政府が事前調整を強いるなら、学術会議の独立性を犯す明白な政治介入です。菅政権は学問の自由を侵害する暴挙に反省とおわびを表明し、任命拒否を撤回するべきです。
 国会論戦での焦点のもう一つは、コロナ危機打開です。暮らしと商売、命と健康をめぐる苦難が深刻さを増し、支援策の拡充が待ったなしです。
 参院予算委員会での共産党・小池参院議員の質問に反響が広がっています。例えば、緊急包括支援交付金約3兆円のうち、医療機関には3千億円しか届いていないとの厚労大臣答弁です。損失補てんを含む支援で地域医療を守るべきです。持続化給付金では「来年に向けた次の一手が必要」と継続支援を迫りました。成長戦略会議委員のアトキンソン氏が「中小企業の数を半分以下に」と述べていることを批判すると、菅首相は「小規模事業者が継続的に発展することが重要」と述べざるを得ませんでした。
 徴税権力は、コロナ禍にも持続化給付金を差し押さえるなど強権的な徴収を強めています。野党が先の通常国会で共同提案した「地方特定給付金差押え禁止法案」の実現も切実です。憲法理念を広げ、コロナ危機打開と消費税減税の実現をめざして、世論と運動で政治を動かそうではありませんか。

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