全国商工新聞

 安倍首相は8月28日、持病の悪化を理由に辞任を表明しました。新型コロナウイルスへの対応が後手に回り、内閣支持率も大きく低下し、政権運営が見通せない中での辞任表明です。
 記者会見では、経済政策(アベノミクス)と、集団的自衛権の行使に道を開く安保法制(戦争法)の成立を誇りました。また、森友・加計学園や「桜を見る会」をめぐり国政私物化との指摘については、反省の言葉は全くありませんでした。
 深刻な政治的行き詰まりの反省を抜きに、国民の期待に応える新しい政治への転換はあり得ません。
 新型コロナ対策では、感染対策の決め手であるPCR検査が一向に進まず、感染「第2波」が広がる中で「Go To トラベル」を前倒しで実施し、国民の反感を広げました。中小業者の苦境が広がる下で、求められる追加の給付金要望に背を向けるなど、「出口戦略」を示すことができていません。
 経済政策では、大胆な金融緩和で円安と株高を誘導し、大企業や富裕層をもうけさせる一方、2回の消費税増税を強行し、国民生活と経済に大打撃を与えました。賃金や消費は年々低下し、貧困と格差が拡大しました。
 平和憲法の理念に反し、「戦争できる国づくり」を推進。沖縄県名護市辺野古の新基地建設では、県民の「新基地ノー」の度重なる民意を無視し、埋め立て工事を強行するなど、アメリカ言いなりの政治を続けてきました。
 次期首相を選ぶ総裁選に注目が集まっていますが、立候補を表明している菅、岸田、石破の3氏は閣僚の一員として戦争法成立の共同責任を負っています。菅氏に至っては、安倍路線の継承を掲げています。近く召集される臨時国会では首班指名選挙で終わらせず、コロナ対策など重要課題の議論を行うべきです。
 同時に、いつ衆院解散・総選挙があってもおかしくない政治状況であり、「安倍政治」と決別して新たな政治をめざし、市民と野党の共闘を大きく前進させることが急務です。消費税減税と地域循環型経済の実現、戦争法の廃止など、命と暮らしを守る共通政策を豊かに発展させ、希望ある社会への転換に力を合わせましょう。

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