貸しはがし 金融庁が信金を指導へ|全国商工新聞

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貸しはがし解決に向け金融庁に要請した鶴田さん(右端)と参加者

 神奈川・湘南民主商工会(民商)の鶴田昌也さん=広告=は、7月15日、信用金庫の貸しはがしの解決を求め、民商の仲間らと金融庁に要請、後日、金融庁から信金への指導も入り、商売の見通しがつきました。
 広告代理店を経営している鶴田さんは、2018年10月、およそ10年の取引があるメインバンクの信用金庫に対し、業績の悪化から条件変更を申し入れました。すると、信金は応じないばかりか、一括返済を求め、今後の取引中止と、さらに自宅を競売にかける旨を示しました。
 鶴田さんは知り合いに民商を紹介され、相談して入会。新型コロナウイルス感染拡大の情勢を反映し、金融機関に対して、金融庁が「中小企業に寄り添った金融事業を行い、持続可能な経済社会の後押しに寄与すること」を要請していることを相談会で学んで、「今回の事例は方針から逸脱している。改善を求めよう」と話し合いました。
 要請では、鶴田さんがこれまでの経営の実情や経緯を文書にして説明。戸塚民商鎌倉支部の若林重利支部長は「金融庁が出している方針に沿って、地域経済を発展させてほしい」と訴えました。同席した畑野君枝衆院議員(共産)は、金融庁が2月28日付で出した「年度末における中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について」を示し、金融機関に対し円滑な資金供給にとどまらず、借り手の営業の実情に応じた適切な解決案を提案・支援するよう要請していることを指摘しました。
 金融庁は、「年度末だけでなく常時求めているもの。中小業者は、財政的基盤が弱いことから丁寧に対応する必要がある」と述べ、信金に再度話を聞くよう連絡すると答えました。
 鶴田さんは、「民商の存在も知らなかった。ましてや、こうした金融庁の方針や交渉ができることも発想になかった。これまで資金繰りに走り、家財を売って返済に充て、会社を畳んでまた一からやり直すことも考えていた。直近の営業努力も実り、契約も決まりかけ、良い方向に向かえそうで、本当に良かった」と話していました。

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