全国商工新聞

感染対策は保健所の仕事

 全国商工団体連合会(全商連)は7月22日、安倍晋三内閣総理大臣に対し、飲食店等の営業権を脅かす、新型コロナウイルス感染拡大防止を口実とした風俗営業適正化法による警察権力の違法な立ち入りの中止を求める要請書を提出、「声かけ」と称する営業妨害をやめるよう求めました。

「コロナ」口実許さず

「東京アラート」発令後、医師を連れて歌舞伎町を練り歩く都や新宿区の職員(6月5日)

 7月19日の民放番組内において菅義偉官房長官は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風俗営業適正化法)を活用し、警察を動員した飲食店等への立ち入りを行う旨、発言しました。
 警視庁は小池百合子知事の協力要請を受け、7月24日、風俗営業法違反の疑いがあるとして東京・歌舞伎町のキャバクラやホストクラブに立ち入り調査を実施。都庁職員も同行し、コロナ対策の徹底を求めました。

 風俗営業適正化法に基づく立ち入りは、同法の施行に必要な限度において認められるもので、その具体的運用について定めた解釈運用基準(警察庁生活安全局長通達平成30年1月30日)では、「その実施に当たっては、国民の基本的人権を不当に侵害しないように注意する必要がある」とし、法の目的の範囲内で必要最小限度で行わなければならないとしています。

 今回の警察の立ち入りは、風営法違反を口実にした「実質的にコロナ対策に関する調査」であることは明らかで「コロナ感染防止で、なぜ警察まで来るのか」と批判の声が上がっています。
 全商連は「感染拡大防止への取り組みを徹底するために必要な助言や指導は本来、飲食店に営業許可を与え、公衆衛生や感染症対策を担っている保健所の体制を強化して行うべきである」と要請しています。
 新型コロナウイルスの感染者は8月2日、全国で新たに1331人が確認され、5日連続で1千人を超えました。にもかかわらず政府は感染拡大につながるとの批判の多いGoToキャンペーンを強行するなど、感染拡大防止へのまともな対策を講じていません。特別措置法にもない立り入り調査を「あらゆる法令を駆使して進める」(27日、西村康稔経済再生相)など許されません。

脅しより信頼と安心を

東京・豊島民商 鈴木 純子さん=スナック

 「夜の街」とひとくくりにして(警察が)立ち入るより、国と都が率先してPCR検査をもっと増やす方が、お客さんも従業員も、そして私も安心して商売できます。
 豊島民商も参加する大運動実行委員会が7月20日に取り組んだ豊島区への緊急要請に参加しました。齋藤雅人副区長が「1日、60件の検査が限界」と話した時、まだ少ないと実感しました。飛沫防止シートを張ったり、消毒、お客さんの体温測定、ドアを開けての換気など、できる限りの努力をしてますよ。サラリーマンのお客さんは週に一度の来店を楽しみにしていて「ここは、憩いの場。ママ、絶対店をつぶさないで」と言っています。警察の立ち入り調査などによる脅しより「信頼と安心」が欲しいですね。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから