全国商工新聞

各地の民商 要請が実る

 第2次補正予算が6月12日、国会を通過・成立しました。家賃支援や雇用調整助成金の増額など、第1次補正予算では不十分だった中小業者の要求も一部盛り込まれました。しかし、安倍政権は「自粛と補償は一体で」という要求には背を向けたままです。一方、「支援を必要としている人に、速やかに」と、自治体の独自の支援制度が各地の民主商工会(民商)の要望などを踏まえ創設され、緊急切実な要求に応えるものと歓迎されています。

沖縄県うるま市 その場で20万円給付

 沖縄県うるま市の「飲食店等緊急支援金」は宿泊業、飲食サービス事業者が対象で一律20万円を支給。電話で予約し、営業許可証、身分証明書を持参すれば、原則として申請確認と同時に現金が給付されます。
 うるま市でレストランを経営する沖縄民商のNさんは、「時間通りに行くと警察官立ち会いの下、その場で現金が渡された。準備する書類も少なく、どの給付金より早かったので助かった」と喜びます。
 同市は、売り上げが落ち込んでいる飲食店を対象に、「出前タクシー」の制度も創設しています。市内の飲食店の料理を、出前タクシーが自宅まで配達するもので、1500円以上の注文で宅配費用(上限1500円)を市が負担します。
 タクシーによる飲食品の配送は、新型コロナの影響で乗車率の低下したタクシー事業者が雇用の維持に努めることなどを条件に、国土交通省が9月末まで特例で認めたものです。

岩手県宮古市、山田町 売り上げ1円減でも

テークアウトなど工夫しながら店を開ける飲食店(都内で)

 岩手県宮古市「中小企業者等事業継続給付金」は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、売り上げが1円でも下がった業者が対象で、休業していなくとも受けられます。1事業者20万円で、必要書類は、①事業を行っていることが確認できる書類②売上高が確認できる書類③本人確認書類―です。
 山田町でも「事業継続支援金」が創設されています。支援金は1事業者30万円です。さらに、「地域企業経営継続支援事業費補助金(家賃補助)」(4月1日から9月30日までの間の連続する3カ月以内の家賃の2分の1以内、1月分10万円を上限)、テークアウトサービスまたはデリバリーサービスを導入する飲食店の支援もあります(上限10万円)。
 宮古民商では、役員・会員を通じて「宮古市の給付金は申請しましたか?」の声掛けを強めています。「3密」を避けるため、市役所に行く必要のないように申請書類は民商に備え置き、すでに67人が申請しています。
 ミニ産直のOさんは「売上減少分の補填やアルコール消毒など感染症対策、ウイルス対策につながる設備設置の一部にしたい」と話します。

群馬県館林市 50%未満の減も対象

 群馬県館林市「小規模事業者支援給付金」一律10万円は、国の持続化給付金の対象にならない小規模事業者を対象にした市独自の給付金です。要件は、「売り上げが50%未満の範囲で減少している」こと。必要書類は個人事業主の場合は、申請書の他、①確定申告書②売上台帳(1月~6月分)③本人確認書類―です。
 議会で「税金が払えないほど厳しい人を見捨てるのか」という議論が行われた結果、納税要件もありません。館林民商が繰り返し市に求めてきたものです。

都や国の「対象外」も 武蔵野市、板橋区、新宿区

 東京都は、都の休業等の要請に協力した事業者に対し「感染拡大防止協力金」(1回目と2回目、各50万円。2事業所以上は各100万円)の協力金を支給しています。都の協力金の対象にならない事業者を支援する制度を創設する自治体もあります。
 武蔵野市の「中小企業者等支援給付金」は「感染拡大防止に協力」していることを条件に支援するものです。売上減は条件にしていません。
 法人30万円、個人事業主15万円。申請には申請書の他、①直近の確定申告書②本人確認③感染拡大防止策の実施をしている写真―などの添付が求められます。
 板橋区は「小規模企業者等緊急家賃助成金」を創設し、4月、5月の平均売り上げが20%以上減の事業者に、4月~6月の3月分、各月上限5万円最大15万円(1事業所)、月額家賃の2分の1まで(各月を合計した金額と15万円と比べて少ない金額まで)複数事業所がある場合は、3事業所まで(最大45万円)の助成を行います。これは3月に板橋民商が区に要請していたものです。
 同民商の猪田佳一会長は、「納税要件が付いたのは残念だが、20%以上減収している業者はかなりいると思う。民商の出番だ。大いに活用を呼び掛け、経営の立て直しに役立ててもらいたい」と話します。
 新宿区は、賃貸人が賃借人の事業が継続できるように店舗等家賃を減額した場合に、賃貸人に対して減額した家賃の一部を助成します。
 賃借人の売り上げが5%以上の減収が条件。新宿区内の店舗等の家賃について、減額した金額の2分の1を助成。助成上限額は、1物件につき、月額5万円。対象月は4月から10月分まで(うち最大6カ月分)。賃貸人1人につき、ひと月あたり5物件まで。

打撃の観光を支援
石川県加賀市、大分県別府市、神奈川県鎌倉市

 観光が主要な産業である地域では、観光関連への支援も行われています。
 石川県加賀市は市内70の旅館・ホテル業者を対象に、事業規模に応じて、1施設平均100万円を給付します。
 大分県別府市は、①売上高が減少したために新たに融資を受けた②返済猶予等の既借入融資の融資条件を変更した③雇用調整助成金の特例措置(新型コロナウイルス感染症関連)の助成を受けた④持続化給付金の給付を受けた―業者を対象に、市内で賃借または自己が所有している店舗等の賃料および賃料相当分(6カ月分)の2分の1(月上限7万円)を支援します。さらに、宿泊事業者への支援として、宿泊需要喚起「湯ごもりエール泊」助成事業、1泊当たり2千円も。
 神奈川県鎌倉市は「5%以上」の減収を対象に、最大100万円を上限に、減収率に応じ2カ月分の家賃を補助する制度を創設しました。

コロナ特別枠を創設 東京都足立区

 東京都足立区は「小規模事業者経営改善補助金【新型コロナウイルス感染症対応特別枠】」を創設しました。「テレワークに係る機材、飲食業者の弁当容器の購入、検温器や消毒液など保健衛生用品の購入」や「店舗やオフィスの間仕切りの設置、業態転換のための店の改修、室内の空気を外気に入れ替える換気設備の工事費」他、広告宣伝費、委託費、修繕費および改造費などの経費を幅広く補助。4万円~上限20万円で、補助割合は経費の5分の4です。申請から約1週間で交付決定され、2週間程度で振り込まれます。
 足立西民商の要望で対象を拡充した補助金に、コロナ対応の特別枠が設けられたもの。小林芳一郎事務局長は「3密の防止、飛沫感染防止やテークアウトなど、新たな対応も求められているので、経営を守るために活用を呼び掛けていきたい」と話しています。

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