緊急事態解除と第2次補正予算案 全ての業者に行き届く対策急げ|全国商工新聞

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 5月25日、政府は緊急事態宣言の全面解除を決めました。多くの国民・中小業者が自粛要請に応え、協力してきた結果です。
 一方、宣言解除と同時に変更された「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」は都道府県に対して、外出の自粛、イベント等の開催、施設使用制限の緩和は段階的に行い、接待を伴う飲食業、ライブハウスなどの営業や県をまたぐ不要不急の移動は6月18日まで避けるよう求めています。
 深刻な打撃を受けた経済の回復も見通せず、不安は募るばかりです。
 一人10万円の特別定額給付金がいまだに届かない人も多く、雇用調整助成金の支給決定は申請者の半数程度です。持続化給付金の審査も滞り、拡充されたはずの融資を断られた業者も出ています。
 もっと早く、さらに大規模な経営支援が求められる中で、5月27日に閣議決定された第2次補正予算案に「家賃支援給付金」(家賃補助)の創設、雇用調整助成金の日額上限引き上げなど全商連の要望が反映されました。
 持続化給付金の対象を今年3月までに開業した業者へと広げ、「雑所得」「給与所得」で申告していたフリーランスにも支援の道が開かれます。「地方創生臨時交付金」の2兆円積み増しが実行されれば、国民健康保険での傷病手当に事業主を含めることをはじめ、自治体独自の支援策拡充の財政的裏付けになります。
 しかし、問題点も多く、大幅な組み換えが必要です。
 せっかくの家賃補助も、「前年同月比で50%以上の売り上げ減少」か「連続する3カ月の売り上げが前年同期比で30%以上減少」に至らない中小業者を排除し、月額上限を個人(50万円)と法人(100万円)とで差をつけたのでは台無しです。審査月を今年2月以降の3カ月とし、速やかな支給を可能にするなど、必要とする全ての業者に行き届くよう改善する必要があります。
 10兆円もの予備費を確保する前に、現行制度を含めた支援額と対象者の拡大、継続実施にこそ踏み出すべきです。そして、国民の生活を応援し、消費を喚起する消費税率引き下げの決断が求められています。

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