オンライン原水爆禁止世界大会NY 核兵器廃絶の機運さらに大きく|全国商工新聞

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 新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりで、4月にニューヨーク(NY)の国連本部で開催予定だった核拡散防止条約(NPT)再検討会議が延期されました。
 NPTに合わせて予定された原水爆禁止世界大会NYの行動は中止されましたが、新たな試みとしてインターネットを活用して4月25日に行われました。
 大会には日本被団協の和田征子事務局次長、国連の中満泉軍縮担当上級代表をはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、南米、中東、オーストラリア、日本からの発言者が、核兵器のない世界への展望と運動への決意を語りました。
 主催者は、新型コロナに感染し苦しむ人々に医療や援助を行うことが緊急で最優先であると指摘。その上で、核戦争と気候破局の生存に関わる脅威の解消がこれまで以上に必要になると訴えました。
 今、世界的なコロナ危機の下でも、核大国は「自国の安全」を優先し核兵器の近代化、増強を進め、世界の緊張を高めています。NPTは他国の核兵器保有を禁じる一方、保有国に対し削減を明確に課しています。核保有国の姿勢に対し非核保有国から強い非難の声が上がっています。人類絶滅までの時間を示す「終末時計」が残り100秒となり、最も破滅に近づいていることも発表されました。
 安倍政権は核兵器保有国と非核国の「橋渡し役」を自認していますが、米国の「核の傘」政策の下、核兵器禁止条約に反対する、被爆国にあるまじき態度をとっています。
 今年は広島・長崎への原爆投下から75年の節目です。核兵器廃絶を願う被爆者の思いに、応えなければなりません。
 全国の民商も参加してきた「国民平和大行進」も緊急事態宣言を受け、例年どおりの開催が困難になっています。こうした中でも、自治体への要請行動、自動車パレード、原爆パネル展、スタンディング・アピール、SNSの活用などの取り組みが計画されています。
 ヒバクシャ国際署名は1千万人分を超えて広がり、秋の国連総会に提出されます。禁止条約は発効も見えてきました。感染防止に留意しながら、新型コロナ危機に立ち向かい、「平和でこそ商売繁盛」と核兵器廃絶の世論を大きく広げましょう。

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