全国商工新聞

 先のアジアへの侵略戦争の痛苦の反省から、徹底した恒久平和主義と人権保障を掲げる日本国憲法が施行(1947年5月3日)されてから73年目の憲法記念日を迎えようとしています。
 今、新型コロナウイルスの感染拡大により、全国に緊急事態宣言が発令されるなど、国民のいのちと健康、暮らし、経営、教育、文化など、安心して生活する社会的基盤が重大な危機にさらされています。
 安倍晋三政権は感染症対策の「緊急経済対策」と、それに基づく補正予算案を編成しました。しかし、感染拡大防止を実効性あるものにする「外出自粛や休業要請と一体に補償を」という国民の圧倒的多数の要求に背を向け続けています。
 こういう時こそ、私たち一人ひとりが切実な声を上げ、憲法で権力を縛る立憲主義に基づく政治の実現が求められています。
 新型コロナの感染者の急増で病床がひっ迫するなど、“医療崩壊”への危機感が専門家会議をはじめ、関係者から相次いで表明されています。
 何よりも人命を優先し、迅速なPCR検査と現場体制の確立、医療への本格的な財政措置に国が全責任を負うことは、憲法13条(個人の尊重、幸福追求権)、同25条(生存権)の要請でもあります。
 憲法29条は、公共のために私有財産を制限する場合、「正当な補償」を定めています。自粛により休業を余儀なくされたり、収入を減らした個人事業主やフリーランスに国が継続的な補償を行うこと、政府要請によるイベント中止などに関わる必要経費の全額補填は当然の措置といえます。
 新型コロナウイルスの感染拡大に乗じて、自民党は憲法に「緊急事態条項」を創設すべきだと野党に働き掛けています。もともと「緊急事態条項」の創設は、安倍首相の宿願である憲法9条への自衛隊の明記などとともに改憲の一つの柱に据えてきたものです。政府の権限集中で、人権侵害の危険性が批判されてきました。感染拡大の危機に便乗した改憲策動は直ちにやめるべきです。
 今求められているのは、思い切った財政措置も行い、憲法理念に基づき、国民のいのち、暮らしを最優先する政治の実現です。

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