全国商工新聞

 確定申告は、白色申告と青色申告の二つの方法があります。白色申告が原則的な方法ですが、国税庁などによる「記帳を推進する」という目的で青色申告という制度が導入されました。
 青色申告は、事業をしている人や不動産の賃貸収入がある人などが対象です。青色申告には帳簿作成の見返りとしての特典(表1)があります。特に大きな特典が65万円の特別控除ですが、期限内申告が条件で、期限後申告になると特別控除が10万円になるので注意してください。また、税務署に届出書を提出することにより、適正な金額の範囲内で家族に支払う給与を必要経費とすることもできます。しかし、青色申告でなければ家族に支払う給与が経費として認められないのはおかしな話です。

 次に青色申告を選択するための二つの要件を説明します。
 一つ目は選択する年の3月15日までに、青色申告承認申請書を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。新規開業や相続などの場合を除き、3月16日以降にその年分の青色申告を選択することはできません。
 二つ目は帳簿を備え付けて記録し保存することです。「白色は簡単な記帳でよくて、青色申告は複式簿記でないとダメだから」という声を聞きますが、そんなことはありません。確定申告で提出する書類の違いはありますが、事業に関する取引を記載した現金出納帳や売掛帳、経費帳などがあれば大丈夫です(表2)

 ただし、消費税の申告をする人は請求書等の保存だけでなく、帳簿に日付・相手先・金額・取引内容などの記載が必要で、とても面倒です。なお、簡易課税制度による場合は、請求書等の保存や帳簿の記載要件もなく、売上高の把握のみで納税額が計算でき、本来よりも税額が少なくなるケースもあるので、一度検討してみるとよいでしょう。
 最後に、2021年に提出する確定申告から、青色申告特別控除額は現行の65万円から55万円となります。ただし、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うと、青色申告特別控除は65万円になります。いずれの方法も事前の準備や申請書の提出などが必要で、納税者の事務負担が増えることになり、慎重な判断が必要です。
(税理士・佐々木淳一)

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