全商連第57回定期総会方針

はじめに

 中小業者の経営継続と民商の存続が危ぶまれる「二つの危機」の打開に力を合わせてきました。営業とくらしが厳しさを増す中、集まって話し合い、相談し助け合って、中小業者の生きる道を開いてきました。「世直し、人助け」の気概を燃やして、旺盛な仲間づくりに奔走してきました。
 導入以来37年間、一貫して消費税の減税・廃止を求め、2026年総選挙では、与野党がこぞって消費税減税を公約する状況をつくり出しました。一律5%への減税・廃止、インボイス制度の撤廃を掲げ、大企業・富裕層を優遇する不公平な税制を正す国民的世論を巻き起こすことが極めて重要な局面を迎えています。
 一方、アメリカ言いなり、財界・大企業優遇という自民党政治の弊害は、高市政権によって、いっそう深刻さを増しています。米国トランプ政権に付き従う大軍拡が強行されれば、国民向けの生活予算が圧迫され、日本国民を戦争に巻き込む危機が高まります。日米の大企業、投資家や大株主に利益を集中させ、地域経済を壊し、中小業者の困難を深める経済政策を続けさせるわけにはいきません。
 「平和でこそ商売繁盛」を信条とする民商・全商連の果たすべき役割を確信に、戦争準備ではなく、憲法に基づく平和外交の強化を求め、食料、エネルギー、医療・介護を地域で確保し循環させる地域経済をめざします。中小業者の要求実現と組織の拡大強化を一体的に推進する運動の発展に力を合わせましょう。
 本総会の目的は、(1)今後2年間の活動方針と「私たちの要求」を採択すること、(2)21世紀半ば以降を展望した2026年修正「基本方向」を確認すること、(3)運動の先頭に立つ役員を選出すること、(4)決算を確認し、運動を支える予算を確立することです。

一、中小業者をめぐる情勢と政治転換の展望

1、大企業優遇政治の弊害と中小業者の危機

 新自由主義を絶対視する政府・自民党は、株主利益の最大化を最優先し、消費者利便や雇用と取引、地域経済に対する大企業の無責任を増長させています。
 世界で最も投資しやすい国をめざすと公言した、安倍政権以来のゆがみはとりわけ顕著です。大企業は2024年度までの12年間で利益を4・6倍に、株主配当を2・8倍に激増させ、内部留保は1・5倍の561兆円へと膨らませています。自社株買い、黒字リストラなどで株価をつり上げながら、実質賃金を引き下げ続けています。企業の付加価値に占める人件費の割合を表す「労働分配率」は小規模企業が80・0%に対して、大企業は48・2%という低さにもかかわらず、成果主義による格差の拡大など、総人件費を抑制し続ける方針です。
 負担を分かち合うという口実で、逆進的な消費税、国保・社会保険の負担が増やされ続けていることも重大です。
 貧困と格差が拡大し、日本経済全体を停滞させる政治の影響が国内消費や中小業者を直撃しています。物価と人件費の高騰、人手不足、消費低迷、はびこる不公正取引などにより、中小企業の倒産、休廃業や解散が広がっています。
 東京一極集中の一方で地方は疲弊し、働き暮らす人々を支える中小業者が全国で減り続けるなど、日本社会の持続可能性が問われる危機的な状況です。

2、反撃する国民・中小業者と危機打開の方向

 「自国の利益第一」「力の支配」を振りかざす米国の暴挙に対して、国際秩序の回復を求める声が広がっています。東アジアの軍事的緊張を高めながら、日本各地で進む長射程ミサイルや弾薬庫の配備を目の当たりにする国民は、日米同盟の在り方を問い、改憲と基地強化に反対の声を上げています。
 長引く不況の下、労働者の賃上げや適正単価の保証なしに、日本経済は再生されないという認識が立場を超えて広がり、不公正取引の告発や自治体による賃上げ支援などが強められつつあります。
 国民・中小業者と財界・大企業との利害対立が深まる中、気候危機打開、原発・火力発電ゼロ、食料とエネルギーの自給率向上など、持続可能な経済・社会への転換を求める動きも広がっています。
 国民の平和な生活を守り、日本経済を再生させるには、安全・安心なくらしと雇用を支える中小業者・中小企業、地域社会・経済の振興が欠かせません。
 中小業者が率先して力を発揮できるよう、「基本方向」が示す「中小業者の役割と新たな可能性」を深め合い、実践に踏み出すことが重要です。自民党政治を終わらせる国民的な共同を発展させて、消費税減税、インボイス廃止をはじめ、中小企業予算の大幅増額、賃上げへの直接支援、社会保険料の減免、公正な取引など、切実な諸要求を実現させます。

二、営業と生活を守り、発展・充実させる運動

 お互いの商売を紹介し合って、知恵と工夫を語り合う交流で、経営力を高め合ってきました。営業と生活の実態を届けて要求実現を自治体に迫り、直接支援など経営環境を守り発展させる成果を勝ち取ってきました。
 民商・全商連運動の基本は、みんなで力を合わせて運動し、一人一人の会員の要求はもとより、全中小業者共通の要求実現のために奮闘することです。自らの要求に向き合ってくれる仲間がいて、助け合いがあるからこそ、運動の担い手が広がります。班・支部、役員会で、日常の身近な問題を率直に話し合い、機敏に相談し合う活動を重視します。
 地域の多数派をめざし、政治を変えて営業と生活を守り合う、民商運動の理念と目的を大いに知らせ、営業と生活を守る全会員参加の活動を強めます。

1、経営力を強め合う取り組みを

 全商連の政策提言に学び、経営対策と地域振興の取り組みを強めます。民商・県連や班・支部で商工交流会を旺盛に開き、商売の知恵と工夫を学び合い経営意欲を高め合います。民商まつりや飲食店めぐり、マルシェなど、経営と地域の振興に取り組みます。業者青年や業者婦人の創意も生かし、魅力ある経営対策を進めます。経営の見直しや補助金獲得、新事業進出などを入口に、事業計画づくりの挑戦を広げます。事業承継の経験を交流し、後継者づくりなどの対策を進めます。

2、融資獲得・資金繰りの対策を

 金利の上昇や事業性評価の導入など、変化に対応する資金繰り相談を強めます。「融資は権利」の立場で、国・自治体による制度融資の活用を進めます。
 地域金融機関と懇談し、資金繰り支援や経営改善の助言など、小規模事業振興への役割発揮を促します。税金滞納や事故歴ばかりではなく、誠実さや事業計画を重視する柔軟な対応を求めます。本人への税務調査を尽くさないまま行われる反面調査や、経営を脅かす徴収の実態を告発し、納税者主人公、借り手・預金者保護の立場に立った対応を求めます。

3、公正な取引ルールの確立を

 転嫁対策や賃上げ支援、公正取引ルールの徹底をはじめ、環境変化や制度変更に対応した業種別・問題別対策を強めます。横行する不公正取引、金融・IT大企業による市場支配、優越的地位乱用、著作権などの権利侵害を告発します。人工知能(AI)の普及・活用が公正な競争と権利、公共の利益を損なわないよう監視・是正の強化を国・自治体に求めます。
 業者・業界団体との懇談や共同行動を積極的に申し入れ、業界の実状や要求を把握し、相互理解を深めて全中連の運動への参加を広げます。

4、自治体要請と地域経済再生を

 暮らし、働き続けられる地域づくりを進めるため、相談活動やアンケートなどで中小業者の実態と要求をつかみ、自治体への政策提案を強めます。
 中小・小規模企業振興条例の制定・改善をはじめ、条例上の支援団体に民商・県連を認定し、審議会などに委員を選出するよう働き掛けます。
 福祉充実、環境保全、温暖化対策、災害対策など、持続可能なまちづくりと結んで中小業者の仕事起こしを進めます。住宅・商店・工場へのリフォーム助成など、個店や商店街、地域業者を応援する施策を積極的に提案します。

三、国民本位の税金・社会保障を求める運動

 中小業者の苦難に心を寄せ、「つぶされてたまるか」と励まし合って、切実な要求をくみ上げる相談活動を広げてきました。
 インボイス制度の廃止を求め、「フリーランスの会」と連携して納税と実務の負担増、取引排除を迫られる実態を告発し、軽減措置を延長させました。生存権を脅かす違法、不当な税務行政とたたかい、予納税1200万円を取り返すなど、中小業者の生きる道を開いてきました。
 OTC類似薬の保険外しに反対し、患者や家族、医療関係団体と力を合わせて政府を追い込みました。しかし、社会保障の4兆円削減を掲げる自民党と維新の会が衆院で圧倒的多数となったことは重大です。健康で文化的な生活を保障すべき国の責務を「自己責任」にすり替える策動と断固たたかいます。

1、消費税減税・インボイス廃止の実現を

 2026年総選挙の経過と結果を見れば、消費税減税は「国民の信託」であり、その実現は日本政治の責任です。生業をつぶし、尊厳を奪うインボイス制度の廃止と併せ、一刻も早い実現を求めます。
 消費税減税、インボイス廃止の実現は、物価高騰と消費低迷が続く日本経済の再生のカギを握り、中小企業の賃上げを後押しする最も有効な施策です。財政面から大軍拡を阻止することにもつながっています。
 大企業・富裕層に応分の負担を求めるなら、消費税を無くしても社会保障は賄えます。低所得者ほど負担が重いなど、悪税の本質を学び、知らせます。統一署名で「消費税減税・インボイス廃止を」の声を広げ、議員要請を強めます。政府への意見書提出を求めて、地方議会の請願・陳情に取り組みます。

2、社会保障の改悪を阻止し、改善・拡充を

 「保険料水準の統一化」を市町村に押し付け、国保料・税の引き上げに拍車をかける都道府県単位化は許されません。「国保提言」で危険な狙いを学び、国保制度の改善を求める共同を広げます。国庫負担を総医療費の45%に戻し、減免制度を拡充するなど、負担の軽減を国・自治体に要求します。
 OTC類似薬や病院窓口での負担引き上げ、病床削減、介護サービス利用料2割負担の対象拡大など、社会保障の改悪に断固反対します。保健所機能を再生・強化し、感染症対策を拡充するよう国に迫ります。
 個人情報の秘密を守り、収集・分析を規制する、プライバシー権や自己情報コントロール権を確立し、従来の健康保険証の利用再開を求め、マイナンバーカード取得を事実上、義務化することに反対する共同を強めます。

3、応能負担制度を確立し、生存権の擁護を

 「納税者の権利宣言」(第5次案)を力に、大企業や富裕層を優遇する不公平な税制・社会保障制度を告発し、応能負担を実現するよう国に迫ります。
 生活費非課税の原則に理解を深め、欧米諸国と比べて著しく低く、生活保護限度額すら下回る、国税、地方税の基礎控除引き上げを求めます。自家労賃を経費と認めない所得税法第56条の廃止をめざし、自治体決議をさらに広げます。
 国保料・税や介護保険料、社会保険料、国民年金保険料などが負担能力を無視して重く課され、滞納が急増するなど生活と健康が脅かされています。苦難の軽減へ、社会保障への国庫負担の増額を求めます。
 年金給付の引き上げと最低保障年金の創設、小規模企業の社会保険料負担軽減を求めた「小規模企業振興基本法の付帯決議」(2014年6月)の実行を国に働き掛けます。

4、自主申告を実践し、納税者の権利の擁護・発展を

 「自主計算パンフ」や「納税者の権利憲章」(第3次案)を日常的に活用し、納税者の権利を身につけて自主申告を守り合います。自主記帳・自主計算・自主申告の活動を組織的に進めます。税務行政のあらゆる場面に適正手続きを貫き、申告納税制度を擁護・発展させるよう国・自治体に迫ります。納税緩和制度や請願権、不服審査など権利救済制度を活用して、人権を損なう強権的な徴収行政から営業と暮らしを守ります。
 納税者サービスを切り捨て、控除や税額で差を付けるなど、デジタル化を押し付ける憲法違反の強権措置に断固反対し、税務署・国税局に是正を迫ります。パソコン会計や小法人対策など、多様化する税金要求に対応できる役員・会員を増やします。
 税制・税務行政の改善を求めて、広範な納税者が声を上げ行動する3・13重税反対全国統一行動を質量両面から発展させます。

四、平和と民主主義、個人の尊厳を守る運動

 自衛隊基地の強靭化やミサイル配備に反対し、辺野古新基地建設阻止を掲げる「オール沖縄」のたたかいを支援してきました。
 「力の支配」を公言し、国際法も国家主権も踏みにじるトランプ米政権への国際的批判が高まっています。ところが、高市首相は米国に追従し、国民の危機意識を煽り、大軍拡を推し進めています。軍事産業を経済戦略の柱とし、武器輸出の全面解禁や戦争の長期化を想定した武器、弾薬の大量確保に乗り出しています。非核三原則の見直しに言及し、核戦争の危険さえ顧みない姿勢は許されません。
 トランプ米政権が求めるGDP比5%・国民一人28万円の負担となる大軍拡を実行すれば、生活予算の削減、大増税、国債大増発など「亡国の選択」が迫られます。憲法を生かした対話による平和外交を求め、戦争準備の策動に全力で反対します。

1、大軍拡を許さず、平和外交の実現を

 憲法9条を持つ日本こそ、平和の国際秩序を求める世界各国と強く連帯すべきです。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とした憲法前文の精神を前面に、日本と世界の平和を脅かすあらゆる策動に反対します。
 大軍拡・大増税や敵基地攻撃の根拠となる「安保3文書」(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)の改定に反対し、閣議決定の撤回を政府に迫ります。敵基地攻撃を想定した米軍・自衛隊の基地の強靭化、憲法違反の武器輸出、国民監視につながるスパイ防止法に反対します。
 日本の主権を踏みにじる日米地位協定の抜本的改定を政府に要求します。日米安保条約を平和友好条約に切り替えるよう世論と運動を強めます。

2、憲法改悪を阻止し、平和・民主主義の擁護・発展を

 国会に改憲勢力が増えていることは重大です。憲法改悪阻止に全力を挙げます。平和と民主主義を守り、発展させる拠り所として日本国憲法の精神を学び、国民主権や個人の尊厳を擁護・発展する共同に力を合わせます。
 全商連の「戦後・被爆80年の証言」DVDや「戦後70年・恒久平和を求める見解」を学び合い、反戦・平和の運動の力にします。
 国家が屈強な戦士を賞賛し、それ以外の多様な個性や価値観を排除して戦争に向かった歴史にも学び、人種、性別、年齢をはじめ、あらゆる差別に反対し、共生社会の実現に貢献します。排外主義に反対し、日本を選んだ外国人が社会に溶け込み、貴重な労働力として貢献している現実に理解を広げます。ジェンダーギャップの解消を求め、選択的夫婦別姓が容認されるよう求めます。

3、被爆の実相を学び広げ、核兵器全面禁止の実現を

 非核三原則「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」は、多くの被爆者が命を懸けて求め続けて実現した国是であり、一内閣の思惑で見直すことなど許されません。「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」を進め、世界で唯一の戦争被爆国として、一刻も早く核兵器禁止条約を批准するよう政府に迫ります。
 国民平和大行進と原水爆禁止世界大会への参加を強め、被爆の実相を学んで核兵器の非人道性と廃絶の意義を語り広げて、運動の継承を進めます。

4、政治革新と革新懇運動への貢献を

 金権腐敗にまみれ、国民・中小業者の願いを踏みにじる政治をこれ以上続けさせるわけにはいきません。規約が定める「政党支持の自由」を生かして、各政党・会派の政策や実績を知って知らせる活動を進めます。
 国・自治体の選挙戦では、自民党政治を終わらせる立場から政治の抜本転換をめざすとともに、一致する要求で力を合わせ、市民と野党の共同を追求します。
 「平和・民主主義・生活向上」の「三つの共同目標」を掲げ、地域での共闘の架け橋となっている革新懇運動の発展に貢献します。

五、組織を強化し、拡大を推進する運動

 「集まって、話し合い、相談し、助け合う」活動の原点に立ち返り、組織の強化に力を注いできました。会勢前進への途上にありますが、機関会議の充実や班・支部活動の再開、多彩な学習相談を広げ、「減らさず増やす」持続拡大を追求してきました。
 拡大推進へ、リレーや駅伝、競争、統一行動などで、励まし合って読者前面の拡大に取り組んできました。助け合いの相談を強め、記帳・申告を教え合って民商の魅力を高めてきました。
 今後2年間、2026年修正「基本方向」に学び、中小業者運動への確信を深めて仲間を増やします。「運動・組織継承の特別措置」も大いに活用し、「地域にどんな民商をつくるのか」を深め合い、「あるべき姿」を探求します。

1、旺盛な会員対話で、持続拡大に挑戦を

 署名の請願趣旨や商工新聞に学び、会員対話と打って出る取り組みを強めます。商売や暮らしの状況や要求に耳を傾け、情勢の焦点と民商運動の重点を知らせる署名を推進し、読者前面の拡大と会員の持続拡大を推進します。
 紙媒体とHP・SNSを組み合わせて、運動の魅力が「目に見え、耳に届き、口コミやSNSで話題となる」よう、多彩な宣伝と対話を工夫します。
 会員比で2%の商工新聞読者と1%の会員を毎月拡大する取り組みに、全ての民商が挑戦します。
 経済センサス調査結果の産業分類や個人・法人別分類も参考にして、商売交流や業種別対策を強め、対象業者比10%を組織する読者前面の拡大に力を合わせます。10%以上の読者や会員を持つ組織は、多数派結集で全国をけん引します。
 県連は、全民商が相乗的に力を発揮できるよう指導・援助を強めます。
 会勢の前進と活動改善へ「成長・発展目標」を充実させ、目標達成に向けた行動計画を工夫して、大勢の仲間で実践に踏み出します。実践と検証を重ねて、活動改善を進めます。

2、要求に応える相談活動と担い手づくりを

 商売や暮らし、世間の動きを、何でも語り合える民商の魅力を実感できるようにします。相談活動の実績を会内外に広く知らせて「相談は民商へ」と呼び掛けます。要求ある中小業者は、自らたたかう力を持っていることを民商・全商連運動の歴史に学び、道理に合った要求を受け止める相談活動に挑戦します。
 気軽に取り組める活動のイメージを湧かせ、役員会と事務局の相互信頼を高めて相談活動の担い手を広げます。相談を通じて助け合いが実感でき、要求ある者が先頭に立てるように仲間で支えて、次の担い手づくりにつなげます。
 記帳を要求運動とする立場で、自主申告や事業計画づくり、事業承継対策、法人化のメリット・デメリット、フリーランス対策などの学習・相談を強めます。
 民商への不当な介入や弾圧を許さず、自主計算の意義を深めて権力の横暴是正に力を合わせます。

3、商工新聞の活用と旺盛な学習・教育を

 商工新聞は、民商・全商連運動の理念と運動、中小業者の広範な要求運動を全国に伝えています。よく読み、学んだこと、感じたことを語り合い、「読んで、増やして、世直しを進める」運動を強めます。
 会員・役員による配達・集金を、読者、会員と民商を地域でつなぐ活動として重視します。商工新聞を運動、組織、財政の前進に生かしてきた歴史に学び、地域と全国の運動を結ぶ商工新聞の役割を深め合って活動参加を広げます。
 「運動しつつ学び、学びつつ運動する」気風を生かして、2026年修正「基本方向」を導きに、民商・全商連の歴史と理念、方針と規約から学ぶ取り組みを抜本的に強めます。「制度学習大綱」や「特別措置」に基づいて、民商や県連の実状に合せて学習の目的や目標を具体化し、年間の学習計画を持って、幹部学校、支部役員学習会、班長学習会、新会員歓迎学習会の開催を増やします。

4、機関会議の充実と班・支部の強化を

 規約を遵守し、会員の総意に依拠した組織の運営に力を合わせます。全ての民商が要求運動と持続拡大の到達を「見える」化し、機関会議を中心にした月サイクルの活動を確立します。会長と事務局長あるいは三役会で、運動と組織の前進に向けた実践に踏み出せるよう、意欲を湧かせる事前相談を強めます。機関会議の決定を支部役員へ丁寧に伝え、協力して班・支部への会員の所属と活動参加を働き掛けます。
 班活動として、会員同士が声をかけ合い、知恵や情報を交換すれば、助け合う場を広げられます。班・支部活動を通じて、会員一人一人の要求をくみ上げ、励まし合えれば、仲間意識が高まります。会員同士の結び付きを取り戻し、身近な仲間が集まりたくなる企画を工夫し、活動の原点を生かす立場で班・支部活動を強めます。
 「民商・全商連の財政活動を強めるために」を役員会と事務局で一緒に学び、「5点改善」を強めます。年末や年度末を節目とし、計画的に未収を克服します。

5、成長・発展へ「あるべき姿」の探求を

 中小業者と民商の危機を乗り越えるためにも、成長・発展目標に基づいて「あるべき姿」を探求していくことが大切です。
 「右手に署名、左手に商工新聞」で、地域に民商の存在を知らせることができます。要の学習・相談で民商の多彩な魅力を知らせます。日常的な自主計算活動で身近な集まりを増やしつつ、会員の身の丈に合ったIT活用を強めます。
 商工新聞中心の活動と班・支部活動を強めることで会員の活動参加は広がります。共済・婦人・青年の活動を通じて、会員とその家族に民商の助け合いへの共感も広げられます。
 今日、強く求められるのは、会員の一人一人が「クライアント(顧客)」ではなく「チーム・メイト(仲間)」なんだと、意識を高めて民商活動に参加してもらえるような提案と対話、相談活動を進めることです。
 全ての支部から民商の機関役員を選んでもらえるようにしつつ、役員や事務局員も悩みを抱え込まないようにし、役員会と事務局の継承も視野に入れて運動を推進します。

六、青年・婦人・共済の支援と総合力発揮

 民商の青年部・婦人部・共済会は、中小業者と民商をより豊かにつなぐ存在です。事業主に加えて家族ともつながることが、税金・経営対策や平和運動、健康増進を促し、民商の信頼を深めて組織を強めます。各構成員の要求を生かした取り組みの推進へ、対応する県連組織との協力・援助を強めて、連合会組織としての団結と連帯を培います。
1、青年部・全青協は、中小業者として歩み始めた若者が、元気に商売を続けられるよう、業者青年の要求実現に力を合わせています。民商青年部の取り組みを通じて日々、経験を積み、知識を蓄え、運動を継承し発展させる力をつけています。
 民商と青年部の「架け橋」となる青年対策部を、30代後半から50代前半の会員・役員を中心に県連で確立し、県内の民商にも広げて青年部の再建・強化を推進します。青年部活動の魅力を伝える訪問・対話を支援して、青年部員の拡大に力を合わせます。
2、婦人部・全婦協は、「全国業者婦人決起集会」や「全国業者婦人の実態調査」を軸に、業者婦人の働きに見合う地位の向上を求めて運動を進めています。平和を求め、差別の根絶をめざす女性運動とも響き合って、共感と共同を広げています。
 婦人部・全婦協のあゆみと戦後日本の女性史を明らかにした「全婦協50年史」の学習を援助し、家父長制と家族経営蔑視の悪弊を残し、ジェンダー平等を妨げる、所得税法第56条の廃止をめざす運動に力を合わせます。領収書整理会やマルシェ、仕事市など、業者婦人の要求に沿った取り組みを支援します。
3、共済会・県連共済会は「共済会40年のあゆみ」DVD視聴を力に、民商の集団健診を広げ、健康破壊の実態を告発し、社会保障を守る運動を進めています。会員加入率が安定的に8割を超え、全会員とその配偶者が加入することをめざしています。
 対象者を出し合って読者・会員拡大をともに進め、同時加入の徹底や未加入者への働き掛けを推進します。班の共済係、支部の共済役員を増やし、もうけ本位の保険と異なる助け合いの良さを生かした「目くばり、気くばり、心くばり」を民商に行き渡らせます。

七、県連に結集を強め、連合会組織の優位発揮を

 民商の自立した運営を基礎にしながら、県連への結集を通じて、全商連方針への団結を強めます。月末現勢や運動週報で全国集約を行う意味を正しく伝えて、要求運動と組織建設を一体的に推進します。
 県連は全商連の加盟単位であると同時に、民商を指導・援助する役割を担っています。民商間連携も強めて相互信頼を高め、優れた活動の教訓を共有できるようにします。全ての民商が県連役員を選出し、機関会議に意思を反映させて、方針実践に力を合わせられるようにします。
 民商の再編・統合が求められる際には、県連として合意形成を図るための尽力も求められます。民商の「あるべき姿」に接近できるよう「特別措置」に対する理解を深めて活用を広げ、組織の再建・強化に生かします。
 民商とともに支部役員の育成を援助し、班・支部のない空白地域を減らします。全商連とともに、事務局員の力量が高まるよう活動を交流し、小規模民商での討議や学習を援助します。事務局員が役員と力を合わせて、班・支部づくりにも力を発揮できるよう援助を強めます。

八、むすびとして

 21世紀の四半世紀が経過しました。2026年修正「基本方向」は、社会と経済の劇的な変化、平和と民主主義をめぐる激しいせめぎ合い、積み重ねてきた方針実践など、21世紀初頭の到達を踏まえて、日本国憲法の精神を民商・全商連運動の隅々に生かそうとするものです。雇用・就労の創出、地域経済の担い手、自由で公正な取引を通じた大資本の横暴規制など、貧困と格差が極まり、行き詰まる社会・経済の再生・発展に欠かせない、中小業者の役割と可能性も明らかにしています。
 この21世紀を中小業者が輝く時代とするために、民商・全商連の前進が欠かせません。2026年修正「基本方向」に学びを深めて、中小業者の社会的・経済的地位の向上をめざし、全国の仲間と力を一つに合わせましょう。

私たちの要求

憲法を生かし、中小業者の経営振興と持続可能な社会をめざす基本要求

1、日本国憲法の理念を堅持・徹底し、国民が主人公の国づくりを進めること。

 政府は、戦争や紛争当事国に対して、国連憲章、国際法を順守し、外交交渉による問題解決を図るよう働きかけること。戦争につながる憲法違反の法律や閣議決定を廃止し、戦争する国づくりをやめること。立憲主義を回復し、憲法改悪につながるあらゆる策動を直ちにやめ、憲法の平和的・民主的条項を完全実施すること。
 憲法9条の国際的な先駆性を生かし、国際協調と市民社会の連帯を重視した平和外交を徹底すること。非核三原則を堅持し、武器輸出は中止すること。個人の尊厳を守り、格差是正、気候危機の打開、ジェンダー平等の社会を築くこと。デジタル社会の下で政府やプラットフォーマーによる情報統制と監視強化をやめること。個人情報の保護を趣旨としたプライバシー権、自己情報コントロール権を守る法規制を強化すること。
 小選挙区制を廃止し、一票の格差是正と民意を正しく反映する選挙制度を実施すること。企業団体献金や政治資金集めパーティーを全面禁止し、金権腐敗政治の根を断つこと。民意を削る議員定数削減をやめること。新自由主義による貧困・格差の拡大、社会保障の削減と自己責任の強要、中小企業淘汰につながる政策をやめ、持続可能な社会を構築し、地域循環型の経済を確立すること。
 多国籍大企業を優遇する経済連携協定の拡大や規制緩和など、日本市場の開放を要求するあらゆる圧力に屈することなく、経済主権を守ること。

2、大企業優遇を改め、中小企業憲章を生かした政策を行うこと。

 中小業者の賃上げを可能にする直接支援を実施するとともに、適正単価と公正な取引ルールを確立すること。小規模企業振興基本法を踏まえ、すべての自治体で、大企業の社会的責任を明確にした中小企業・小規模企業振興基本条例や循環型経済をめざす地域経済振興条例を制定し、条例に基づく施策を具体化すること。
 日本版・小企業憲章(案)の提案を生かし、小企業・家族経営の役割に対する正当な評価を社会に広げ、小企業・家族経営の新規開業や事業承継への支援策を具体化し推進すること。農林水産業と中小商工業の連携を強めること。官公需での地元優先、分離分割発注を徹底し、制度融資の改善・拡充を図ること。各種制度の活用にあたっては税金完納を参加資格要件から削除すること。
 特定の大企業を支援する優遇措置をやめること。地域経済や国民の生活と健康に重大な影響を及ぼすカジノはつくらないこと。IR(カジノを含む統合型リゾート)の建設を推進・整備する法律を廃止すること。

3、税制に「生活費非課税・応能負担」の原則を貫くこと。

 所得税・法人税を基幹税とすること。消費税とインボイス制度を廃止すること。
 「納税者権利憲章」を制定すること。税務行政のあらゆる局面で適正手続きを保障すること。税務行政のデジタル化対応への強要をやめ、最寄りの税務署で納付相談ができなくなるなどセンター化による不利益を押し付けないこと。申告納税制度を擁護・発展させること。
 税理士法を改正し、無償で行う税金に関する相談活動は自由に行えるようにすること。税務相談停止命令制度を廃止し、自主申告運動への介入をやめること。

4、国は社会保障向上・増進への義務を果たすこと。

 社会保障の解体と市場化を目的に、世代間の公平をうたいながら負担増を強要する「全世代型社会保障」改革を中止し、将来にわたって安心と希望が持てる社会保障制度を確立すること。公的医療の破壊・解体を直ちに中止し、医療従事者数や病床数を増やし、保健所の体制を拡充すること。
 国民健康保険制度を社会保障として明確に位置づけ、公費投入を大幅に増やすこと。社会保険料を応能負担になるよう抜本的に改善すること。
 最低保障年金制度を創設すること。病院窓口負担をゼロにすること。社会保障や教育を充実するための費用捻出に大企業の社会的責任を果たさせること。
 取得が任意であるマイナンバーカードを給付金支給や公的サービスの条件とし、持たない人を排除しないこと。「マイナ保険証」の押し付けをやめること。

5、地方自治の本旨を守り、住民が主人公の地方自治を実現すること。

 市町村を合併・消滅に追い込み、地域格差を拡大する「自治体戦略2040構想」や道州制の導入、都構想・副首都構想はやめること。住民合意のない学校や公園など公共資産の切り売りや再開発をやめ、安心して営業し住み続けられる街づくりを進めること。
 地方自治体の統制や個人情報の官民共用を進めるデジタル田園都市国家構想は撤回すること。課税強化と社会保障の給付削減につながるデジタル化は行わないこと。
 削減・民営化されてきた医療・介護をはじめ住民生活にかかわる公共部門の復活・拡充を図ること。PPP/PFI方式は、水道など生活の基盤となるインフラには活用しないこと。商工行政や地域防災の後退を招く自治体職員の削減・非正規化をやめること。
 民間への業務委託など「行革」の度合いや国の施策の徹底状況に応じて地方交付税を増減させて自治体に競争を強いる制裁措置をやめること。

6、災害の復旧・復興は、被災者の暮らしを最優先にすること。

 経営再建をめざす中小業者への直接支援を強化すること。簡単・簡潔な申請で速やかに給付し、非課税とすること。不支給に対する再審査や不服申し立てなど救済策を実施すること。
 「二重ローン」の解消や店舗・工場の再建から販路確保まできめ細かな支援を継続すること。地域産業の振興と住民主体のまちづくりで雇用創出を図り、コミュニティーを保全しつつ、住民自治の力を生かした防災システムを確立すること。

7、原発や火力発電を縮小・廃止し、エネルギー政策を転換すること。

 地域経済の発展、中小業者の経営振興と結んで、地域資源を活用した再生可能な自然エネルギー中心の発電へと根本的に転換すること。
 原発の再稼働・新増設はしないこと。放射性物質の除染と安全確保、原発撤去に伴う仕事・雇用対策に政府が責任を持つとともに、気候変動から地球環境を守るため、温室効果ガスの排出量ゼロを早期に実現すること。
 「大量生産・大量消費・大量廃棄」「24時間型社会」などエネルギー浪費社会を抜本的に見直すこと。

8、日米安保条約を廃棄し、米軍基地をなくすこと。

 在日米軍基地の再編・強化を直ちに中止し、米軍普天間基地を無条件で返還すること。辺野古新基地建設は直ちに中止すること。大軍拡予算は撤回すること。敵基地攻撃を行う長距離ミサイル配備を中止し、自衛隊基地の増強や自衛隊の海外派兵をやめること。
 米軍の治外法権を認めている日米地位協定を抜本的に改定し、米軍への国内法適用や自治体職員の立ち入りを認めさせること。

一、危機打開をめざし、地域経済の振興を

1、急激な経済変動や大規模災害から中小業者の経営を守る施策の拡充を

(1)物価高騰を乗り越え、経営を継続できるよう支援を強めること
①経営再建を後押しする補助金を創設する
②税・社会保険料の減免をはじめ、固定費などの負担を軽減する直接補助を実施する
③行き過ぎた円安を是正し、急激な価格上昇を抑える対策を実施する
④経済危機時に実施する緊急融資は、完全無利子・無担保とし、積極的な資金供給に努める
⑤経営維持のための債権放棄や棚上げを含む柔軟な金融支援を行い、小規模事業者にも使いやすい資本性融資を実施する
⑥政府が実施する賃上げ支援の要件を緩和し、人手不足倒産を防ぐ
⑦休業要請等に伴って支給される給付金等は非課税とする。すでに納税された場合は遡及して還付する
⑧地方創生臨時交付金を恒久化し、自治体の裁量を広げ、予算を増額する

(2)生業と生活の再建策を拡充し、防災対策を強めること
①「被災者生活再建支援法」に基づく支援金の上限額を600万円以上に引き上げ、一部損壊や店舗・工場も対象にする
②店舗・工場など事業用資産の再建を後押しする直接補助を抜本的に拡充する。補助金の返還については、減額・免除を認めるなど、被災業者の実態に即した柔軟な運用を可能にする
③災害救助法を改正し、ジェンダーやプライバシーに配慮した避難所運営を行う。罹災証明の発行を迅速化し、住宅応急修理制度の拡充で被災者負担をなくす。食品供与額を引き上げ、被災者に十分な食料が届くようにする。応急仮設住宅を地域の気候風土に適合させるため、地元建設業者の活用を図る
④浪費型工事などに偏った国土強靭化法は見直し、自治体主体の復興支援策に改める。地元業者を活用し、公共施設の老朽化対策や上下水道など社会資本の維持・改善を進める
⑤国・自治体は災害に備え、地域の中小企業者が参加する地域防災・減災計画を確立する。インフラの復旧に必要な重機やオペレーター、人員の確保を平時から計画的に進める
⑥消防力の拡充や避難設備の改善を行い、監視・観測体制を強化し、危険箇所や河川等の整備をすすめる
⑦期限を区切った被災者支援の打ち切りや仮設・復興住宅からの一方的な追い出しをやめる
⑧インフラ整備、復興公営住宅建設など災害からの復興関連事業を地元中小業者へ発注し、生業の再建と被災住民の雇用につなげる
⑨耐震診断助成を地元中小企業優先で実施し、災害時の避難場所の耐震補強を国の責任で直ちに行う

(3)被災業者への金融支援を抜本的に強めること
①被災中小業者が抱える既往債務を凍結する
②返済凍結や債務免除、積極的な新規融資など金融機関の役割発揮を促す
③被災中小業者を不良債権扱いしない対応を徹底し、再建融資は無利子・無担保で行う。返済意思を尊重し、災害関連融資の代位弁済は行わない
④「二重債務問題」解消のための産業復興機構、産業復興相談センターの連携を強め、ワンストップで迅速な問題解決を図る
⑤「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則)を適用し、事業再建を支援する

(4)被災者の負担軽減を図り、健康と生活の保障を徹底すること
①被災者が受ける雑損控除に関して、煩雑で範囲の狭い被害額算出の簡便法を見直し、被災者が算定した概算額を認める
②滞納処分を控え、被災の程度や資金状況だけでなく被災者の心情にも配慮した納税緩和を進める。国費助成による社会保険料の減免を実施する
③応能負担原則により被災地の復興、被災者の生活再建に資する予算を拡充する
④医療費一部負担金は免除する。国の責任で医療機関や介護施設を支援してその経営安定を図り、国民の受療権や介護を受ける権利を保障する
⑤大規模災害で休業、失業を余儀なくされた場合、財産調査なしに緊急に生活保護の給付を行う

2、循環型経済を支える中小業者の仕事確保・顧客拡大と承継への支援を

(1)ものづくり技術の発展・継承、再生可能エネルギー活用への支援を強めること
①町工場の単価・工賃水準を調査し、持続可能な経営を展望できる水準まで引き上げる。工場の家賃や機械リース代の補てん、休業補償や雇用維持への支援を強める
②町工場に蓄積された技術を守り、継承する人材育成を援助する
③ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金を恒久的で使い勝手の良い制度とし、予算も含めて整備・拡充を図る
④取引先の閉鎖・縮小、産業構造の転換、市民要求や国・自治体の政策などによる経営環境の変化に対応する中小業者への支援を強化する
⑤住工混在問題の対策を確立する
⑥工場・設備の省エネ化や電源・熱源転換への助成制度を抜本的に拡充する
⑦伝統産業や地場産業に対する振興事業を拡充し、歴史、文化、特性ある産業育成と事業承継への支援に努める

(2)営業の自由を守り、小売・サービス・料飲業への経営支援を強めること
①商店街の魅力を高めるため、商圏内の消費者意識調査を支援する
②大型店・デベロッパーの身勝手を許さず、地域の商店街・中小商店の経営継続に配慮した住民中心の「まちづくり」ルールを確立し、空き店舗と空き地の活用を促進する
③宅配サービスや高齢者向け事業など新たなサービス展開、料飲オリエンテーリング、「まちゼミ」などの共同イベントへの助成制度を確立する
④卸売市場の公共的機能を守り、中小卸売業の品ぞろえや物流、商品企画・開発を支援する
⑤風俗営業適正化法(風営法)の悪用をやめ、「夜の社交場」としての料飲業者の営業の自由を保障する
⑥新規開業やフリーランスを支援する融資や税制上の支援策を拡充する

(3)インフラを支える建設・土木工事への経営支援を強めること
①「商店・店舗・工場リニューアル助成制度」を創設する
②「小規模修繕契約希望者登録制度」を実施・拡充し地元業者の仕事を増やす
③「住宅リフォーム助成制度」を創設・継続し、補助金の支給や申請手続きの簡素化を図る
④地域の防災協定を充実させ、重機や除雪機などの所有や保管、修理に対する助成を強める
⑤住生活基本法や社会資本整備総合交付金を積極的に活用し、地元建設業が地域防災を請け負う体制を維持できる仕事量を確保する。自治体は後継者育成に力を入れる
⑥中古住宅市場の拡充など空き家対策等の強化を図る
⑦社会保険の加入を建設業許可の要件にしない

(4)中小業者支援の官公需政策を抜本的に拡充すること
①公契約条例・公契約法をつくり、契約の透明性や公正な競争を確保する。中小企業向け発注目標額を着実に達成し、中小企業の受注分野への大企業の参入を規制する
②随意契約の範囲拡大について自治体の判断を国は尊重する
③「担い手3法」(公共工事品質確保促進法、建設業法、公共工事入札契約適正化法)の改正を踏まえ、受注者が「適正な利潤」を確保できるよう発注者は標準労務費に基づく適正な単価を反映した予定価格の積算に努める。「歩切りの根絶」をはかり、公共工事の担い手の確保を図る
④労務費上昇などを踏まえ、入札最低価格を適正な利潤を確保できる金額に引き上げ、「ピンハネ」やダンピングを防止するための発注者向けガイドラインを順守する
⑤発注者責任を明確にし、工事代金や賃金の未払いを防ぐ。下請け代金は現金払いを基本とする
⑥法定福利費の事業主負担分、安全衛生経費など見積書の内訳明示に基づき、安すぎる見積もりの禁止を順守し、社会保険料の原資確保を保証する

(5)公共事業を地元優先・環境保全重視にすること
①学校給食は自校方式とし、食材などの地元発注を行う。指定管理者の議会への事業報告を義務付け、事業者選定で地域中小企業の採用優先枠を設定する
②公共施設や住宅の修繕で、地元産木材、瓦などの利用や地元工務店・大工への発注を奨励する
③民間・公営住宅への省エネ・断熱改修を促進する補助制度を創設・拡充する
④国と原因企業の費用負担でアスベスト被害救済、危険物の撤去・回収・廃棄を行う。「建設アスベスト給付金法」の認定基準を拡大し、救済補償額を引き上げ、労災未加入で作業に携わった中小業者・一人親方にも労災並みの認定と補償を行う。アスベストを含む建造物の解体は、国の責任で補助する

3、中小業者と地域経済に貢献する金融制度を

(1)地域経済振興と資金繰りの円滑化を図ること
①日本版・地域再投資法を制定する
②税金滞納や過去の事故・免責、親族の債務、赤字決算、下請け代金の未払い被害などがあっても融資への道を閉ざさずに親身な相談に応じる
③金融機関は事業者への円滑な資金供給に努める。貸し付け条件の緩和や追加融資、借り換えに柔軟に応じる。「事業性評価融資」では、どうすれば融資が可能かを具体的かつ積極的に助言し、コンサルタントとしての役割を発揮する
④カードローンなど高利のプロパー融資を優先せず、小規模事業者向けの保証および、創業関連保証を積極的に活用する
⑤株式会社日本政策金融公庫は利益追求ではなく、中小業者支援での公的金融の役割を果たし、事業者への円滑な資金の供給を行い、貸し付け条件を緩和する。謝絶を避け、融資実現を徹底して支援するよう対応を改める
⑥公的金融を縮小するあらゆる策動をやめ、役割発揮を強める
⑦クレジットやキャッシュレス決済にかかる手数料負担を引き下げる

(2)預貸率を引き上げ、中小企業向け貸出残高を増やすこと
①信用金庫・信用組合など、中小業者への金融仲介機能を担う地域金融機関を守り、経営を脅かす金融政策をやめる
②地域金融機関が中小業者の再生と経営支援、地域貢献を推進するよう、監督権限を都道府県に移管する
③「経営者保証ガイドライン」の小規模事業者への適用を進め、担保や人的保証に依存しない融資慣行の普及に努める。積極的に融資を実現するよう伴走型支援の在り方を改善する
④中小業者向け融資制度から税金完納要件を廃止するとともに、業種、年齢、性別、経験年数による差別をやめる

(3)無担保・無保証人融資制度を創設・拡充すること
①「資金繰り円滑化借換保証融資」制度を自治体で創設する。融資の一本化、利子・保証料補給、借入期間の延長を可能にする制度を実施する
②特別小口保険の要件を緩和し、他の保険利用者も併用できるよう改善する。保証限度額の拡充を積極的な資金供給に生かす
③開業融資は自己資金要件を緩和する

(4)「責任共有制度」の拡大をやめ、全額保証に戻すなど信用補完制度を充実すること
①「中小企業の信用力を補完する」という信用保証理念に基づき、事業の持続的発展や事業承継など、中小企業のニーズに対応した施策を拡充する
②セーフティーネット保証を拡充し、5号(不況業種認定)の全額保証と全業種指定を復活させる
③危機関連保証の適用期限(原則1年、最大2年)を延長する
④保証協会と金融機関が連携を強め、経営支援にあたる
⑤自治体独自の損失補償施策を尊重し普及する
⑥保証協会への出捐金などを増額し、財政基盤の安定を図る
⑦財務・会計基準に応じた保証料率での差別は撤回する
⑧債権放棄による経営再生をめざす「制度融資損失補償制度」を確立する
⑨保証協会の相談・コンサルティング機能を強化し、あっせん融資を広げる

(5)多重債務救済の支援を拡充し、整理回収機構(RCC)は強引な債権回収をやめること
①貸金業法および利息制限法の上限金利を引き下げる
②利息制限法4条の賠償額予定制限を引き下げ、遅延損害金を名目にした高金利をなくす
③金融機関は「カードローン」など高利商品の販売やサラ金との提携や出資をやめる。大手不動産会社と連携した「サブリース」など借り手の利益を顧みない貸し付けをやめる
④サービサー法を改正し、売却価格の開示や回収上限の設定、連帯保証人への回収禁止を義務付ける

4、公正な取引ルール確立と業種・問題別対策を

(1)製造業等の取引で、大企業の横暴を規制すること
①改正下請2法(中小受託取引適正化法、受託中小企業振興法)を厳格に運用するため、下請検査官を増員し、立ち入り検査を強化する。事業所管省庁の指導・助言権限を強化する
②改正下請2法における運用基準・振興基準等について取引実態を踏まえ改正する
③合理性のないコスト削減、価格の据え置きは「不公正な取引」として規制するとともに、「優越的な地位の乱用」として積極的に取り締まる
④書面保存期間を5年に延長し、未払い代金や減額代金の返金で原状回復と被害救済を図る
⑤違反企業への課徴金などの罰則を強化するとともに、被害救済の違反金制度(被害額の3倍等)を創設する
⑥「セーフガード」(緊急輸入制限)の発動で、地場産地を守る
⑦大企業の海外生産と国内製造業の知財流出を規制し、産業空洞化に歯止めをかける

(2)建設工事の下請けや労働者の「適正な利潤」を保障すること
①事故があった場合は発注者と元請けの責任で未払い代金や賃金が支払われる仕組みとする。大阪・関西万博の工事代金未払い解決へ、建設業法に基づく権限を行使し、被害者の救済に当たる
②未払い代金の立替払いを拒否する元請け建設業者に対し、建設業法に基づく勧告を徹底して行う
③「公共工事設計労務単価」(2省協定賃金)の策定方法を見直し、熟練労働者の標準生計費を基準に「当該地域の同種の職業、産業労働者の賃金を下回らない」ようにする。「標準労務費」を踏まえた適切な単価や賃金の支払いが確保されるよう措置する。建設業法第20条第2項・第6項(著しく低い材料費等による見積もり・変更依頼の禁止)を順守する
④各発注機関は小規模事業者の受注機会確保に配慮し、設計と業務及び施工の分離発注、工事種別・規模に応じた分割発注に努め、応札者の負担を軽減する入札手続の簡素化を図る。発注者責任を形骸化させるCM方式(発注者代行制度)をやめる
⑤中小工事への大手の参入を規制する「条件付き」一般競争入札の普及を図る
⑥建設キャリアアップシステムへの未登録や社会保険未加入を口実にした現場からの排除をやめる。キャリアアップシステムの加入手続きを簡素化し、費用負担を軽減する

(3)小売・サービスの取引に公正な取引ルールを確立すること
①米、薬、酒などの流通への参入規制緩和を改め、住民生活の利便と健康を守る。ミニマムアクセス米の輸入は廃止する
②食品の安全を確保する中小業者への支援を強める
③理・美容やクリーニングなど生活衛生関連業の資格制度を維持し、国民の安全・衛生を確保する
④書籍、新聞、CDなどの再販制度を守り、出版や音楽の文化を健全に発展させる
⑤音楽文化の健全な発展のため、著作権使用料の徴収での行き過ぎた行為をやめる。小規模事業者の免除規定をもうけ、周知を徹底する
⑥FC加盟店と本部との公正な取引の確立へ、契約内容の禁止条項明文化、ロイヤルティーの適正化などを盛り込んだ「フランチャイズ適正化法」(仮称)を制定する。営業時間の選択や見切り販売の実施などFC加盟店の経営権を確立する。加盟店に不利を押し付けるコンビニ会計を改める
⑦住民の生活環境が守られるよう、違法民泊の取り締まりを強化し、住宅宿泊管理業者や住宅宿泊仲介業者の指導・監督を徹底する
⑧「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」の施行に当たっては、法の許可が不要となる運送を周知し、白ナンバートラックなどを一律に違法としない運用を行うこと
⑨低運賃・長時間労働を強いられている運送業者、軽貨物事業者の経営改善へ「適正原価」を下回る運賃を厳しく取り締まるとともに、荷待ち・荷役などのサービス対価や下請け発注の際の手数料などを含めた正当な対価が支払われるよう支援する
⑩損害保険代理店への手数料「ポイント制度」を是正させ、一方的な減額をなくす。契約者に最適な商品を提供できるよう「乗り合い申請」への不当な拒否をやめる
⑪郵便局・ゆうちょ銀行のサービス切り下げをやめる。郵便物の第3種、第4種の割引制度は維持する
⑫安全に責任を負わない白タク営業に道を開くライドシェアは撤回する
⑬ネット販売を手掛けるプラットフォーマーの優越的地位の乱用を規制する

(4)まちと中心市街地の荒廃に歯止めをかけること
①「まちづくり会社」など民間コンサルタントに地方の活性化策を丸投げせず、住民と自治体が主体となる「まちづくり」をめざす。コンパクトシティの名による再開発の押し付けをやめる
②中心市街地や商店街の活性化の計画に支障をきたす大型店の出店は原則禁止する
③小売商業調整特別措置法を活用し、「大規模小売店舗立地法」にある「地域的な需給状況の勘案」の禁止条項(第13条)を廃止する。大型店の深夜営業を規制し、地域住民の安全と健康を守る生活環境を確立する
④商圏が複数の自治体にまたがる大型店について、国・都道府県による規制・調整システムをつくる。大型店の撤退を規制するガイドラインを設ける
⑤社会インフラとなっているガソリンスタンドの経営継続を支援する。廃業を余儀なくされた際のタンクの撤去費用などを補助する。電気・水素ステーションを設置する中小事業者を支援する
⑥国による公共交通機関の存続・拡充への支援を強める

(5)大企業の利益を拡大する働かせ方をやめさせ、規制緩和・特区制度を廃止すること
①中小業者、フリーランスに対する優越的地位の乱用をやめさせ、適正単価を保証させる
②時間外労働に対する割増賃金の増額や同一労働・同一賃金の実現など働き方改革に対応しようとする中小業者を支援する
③構造改革特区は廃止する
④住民生活や中小業者の営業を脅かす規制緩和をやめる
⑤地域資源を生かす一次産業への支援を強める。種子法の復活、種苗法の存続を図る
⑥食料自給率引き上げを放棄する新農業基本法は撤回し、地元農産物と農業を守る農政へ転換し食糧安全保障に責任を持つ

5、原発をなくし、環境保全とエネルギー政策の転換を

(1)原発の再稼働、新増設を中止・撤回し、再生可能エネルギーの利活用を推進すること
①原発をなくし、再生可能エネルギーの活用促進を義務付ける法律を制定する。廃炉技術を確立し、再生可能エネルギーの利用を促進する条例制定を促す
②核燃料サイクルを放棄する。放射性廃棄物の処分場を自治体や地域に押し付けない
③風力、地熱、小型水力、太陽光、バイオマス、水素など再生可能エネルギー源の開発と利用を促進する。自然破壊や住民生活に支障となるメガソーラーなどを規制する
④市民向けの再生可能エネルギーの固定価格買取制度を国の責任で維持・拡充するとともに、省エネ・断熱・熱源転換への設備投資を促進する
⑤小規模再生可能エネルギーの出力抑制をやめる。発送電設備など電力系統の拡充を図り、小規模発電事業者・地域電力小売業者への支援を強化する
⑥汚染水の発生を阻止する抜本的対策を打ちつつ、原発汚染水(ALPS処理水)の海洋放出は直ちに中止する。「中間指針」見直しの確定判決を踏まえ、営業損害賠償の打ち切りをやめ、復旧・復興、住民の生活となりわいの再建を国と東電が責任を持って行う。賠償金は課税対象外にする
⑦電力会社に電気料金の算定根拠を公開させるとともに、あらゆる経費に独占的利潤を上乗せする「総括原価方式」は廃止する。消費者から強制的に入札費用を徴収し、原発の新設にも活用される「長期脱炭素電源オークション」のあり方を抜本的に見直す
⑧発送電分離、送電インフラ整備など電力の完全自由化への改革をすすめる
⑨原発・火力発電への融資を中止する

(2)地球温暖化・環境リサイクル問題の解決に国と大企業が責任を果たすこと
①温暖化ガスの排出量の3分の2を占める発電所、大工場などの排出削減について目標と義務を産業界に課す。20%を占める自動車の排出削減政策を進め、道路政策、都市計画を抜本的に転換する
②家電製品や容器のリサイクルについて、製造大企業の負担を引き上げ、中小資源回収業者などへの支援を強化する。メーカーの責任でマイクロプラスチック・ゼロをめざす。生分解性プラスチックへの転換を促す支援策を講じる
③自動車製造部品のリサイクルについて、既存の自動車販売・整備・解体関連の中小企業が持つ技術・技能、サービスを生かす
④中小業者の産業廃棄物や建設業者の残土残材処理が円滑に行えるよう、処理費用の負担を軽減するとともに、地域に最終処理場を設置する
⑤自然・環境破壊につながる大型開発をやめる。有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)による環境や人体への影響を調査し、水質基準の規制を強化する

二、税制・社会保障の民主的改革を

1、最悪の大衆課税である消費税とインボイス制度は廃止を

(1)消費税廃止をめざし、当面税率を5%以下に引き下げインボイス制度を廃止すること
①「社会保障の経費に充てる」として、目的税のように印象付けて国民をだます根拠として使われている消費税法1条2項を廃止する
②実体経済上の取引を否定する消費税法30条7項は廃止する
③免税業者の取引排除、一方的な単価切り下げなど独占禁止法違反行為及び下請法違反行為に対し、厳正に対処し、消費税の値引き強要などインボイスによる不公正な取引をやめさせる
④消費税は「預かり金」でも「預かり金的性格」でもないことを認め、「益税」宣伝を撤回する
⑤インボイス制度を廃止するまでの間は、負担を軽減する経過措置を継続・拡充する
⑥消費税の「輸出戻し税」は廃止する

(2)簡易課税制度と免税点制度を拡充し、中小業者の負担を大幅に軽減すること
①簡易課税制度と免税点制度の適用上限を消費税実施当時に戻し、総額表示義務を直ちに廃止する
②納税実務に関して「資金・時間・心理」のあらゆる負担を軽減し、記帳要件を大幅に緩和する。帳簿および請求書などの「保存義務」を軽減する。基準期間の売り上げにかかわらず、課税期間の売り上げが免税点以下の場合は非課税にする。課税事業者、簡易課税の事前届け出を廃止し、申告時に選択できるようにする
③公共入札・指名願などの条件から消費税の完納証明添付を外す
④事業主死亡による事業承継者の消費税に関する手続きや申告は新規開業者と同じ扱いにする

2、大企業優遇を是正し、生活費非課税・応能負担原則の徹底を

(1)所得税に応能負担原則を徹底すること
①所得税の基礎控除や人的控除を抜本的に引き上げ、生活費非課税を実現する。扶養控除は全ての扶養者に適用する。所得控除の全廃や消費税増税に道を開く「給付付き税額控除」は導入しない
②所得税は「能力に応じた公平な負担」の原則を貫く総合累進課税制度とし、高額所得者・大資産家への特権的優遇税制を廃止・是正する。高額所得者に対する最高税率を引き上げ、所得税・住民税は1989年の水準(65%)に、相続税は2002年の水準(70%)に戻す
③高額所得者・大資産家優遇の損益通算の特例は行わない。高額の配当や株取引への課税は当面30%とし、総合課税へ移行する
④事業主、家族従業者の働き分(自家労賃)を経費として認める。国連女性差別撤廃委員会の勧告(24年)を踏まえ、「差別法規」に当たる所得税法第56条は廃止する
⑤電子申告や電子帳簿などの義務化はしない。電子帳簿保存法による電子取引データの保存義務化に関わって設けられたダウンロード要件を乱用しない。電子申告や電子帳簿保存方式の選択や収入による青色申告特別控除の差別をやめる
⑥最低生活に必要な相続財産は非課税とし、個人事業主等の事業承継を支援する観点から、相続税の定額控除に5000万円の専従者枠を設ける
⑦申告納税制度の本旨を守り、記帳義務を要件にした経費の概算控除制度導入は断じて行わない
⑧記帳不備を理由にした過少申告加算税等の加重措置などの罰則を廃止する
⑨障害や介護の実態がある場合は障害者手帳や「障害者控除対象認定書」の有無にかかわらず、障害者控除が適用されることを周知する
⑩軍備拡大に充てる防衛特別所得税は廃止する

(2)法人税などに応能負担原則を徹底すること
①大企業に適用する法人税を累進課税とし、最高税率を引き上げる。当面、消費税導入前の42%に戻す
②大企業への特権的優遇税制を廃止・是正する。1)連結納税制度の損益通算や企業分割税制をやめ、連結付加税を復活させる。2)大企業への受取配当金益金不算入および貸倒引当金など各種引当金制度を実態に即して縮減する。研究開発減税は、適用対象に資本金上限を設け、中小企業支援を強化する。産業競争力基盤強化の名による大企業減税は行わない。蓄積された巨額の内部留保に適正な課税を行う。内部留保を増やす大企業の繰越欠損金は縮小・廃止にする。投機への適正課税を実施する
③多国籍企業の「課税のがれ」を防止する国際的な課税強化に協力し、法人税引き下げ競争をやめさせる。15%の国際最低税率を引き上げる
④事業活動を行わない人格なき社団に対する原則非課税を堅持する

(3)地方自治の本旨を踏まえ、地方税財政を拡充すること
①地方交付税による自治体財政の充実を図るとともに、地方間格差を是正する財政調整制度を尊重し、すべての地方自治体が標準的な行政サービスを行うために必要な財源を確保する
②地方自治体への税源移譲は、地方への事務配分に見合った規模を確保する。自治体財政健全化法による、画一的な自治体財政の統制をやめる。住民生活や中小業者の経営に悪影響となる法定外目的税の導入を規制する
③所得税の基礎控除引き上げに合わせ、住民税も同水準の引き上げを行う。住民税を累進課税とし、一律10%の税率を所得200万円以下については当面、5%に戻す
④大企業の法人事業税を担税力に見合って引き上げる。外形標準課税は中小法人には導入しない。赤字中小法人に対する地方税の均等割額を引き下げる
⑤個人の住宅、中小業者の店舗・工場など、小規模な土地・建物の固定資産税、都市計画税を大幅に引き下げる。200平方メートル以下の住宅への軽減措置を、店舗、工場および事業用地にも適用する。事業用資産について、経済的理由による減免制度を確立する。合併による都市計画税の安易な一律課税をやめる
⑥大工場など、大規模な土地・建物への固定資産税、都市計画税は、資産と所得を勘案し、引き上げを図る。軍事基地、軍人・軍属への特権的優遇をやめ、適正に課税する
⑦償却資産税の免税点を1点100万円、総額で1000万円まで引き上げ、低所得者への減免制度を確立する。小規模な省エネ・再生可能エネルギー活用設備は免税にする
⑧個人住民税の普通徴収の適用範囲を拡大するとともに、特別徴収への移行を強制せず事業者が選択できる規定を設ける

3、「納税者の権利憲章」を制定し、民主的な税務行政を

(1)憲法理念に基づく納税者権利憲章を制定すること
①国際社会では最低基準となっている納税者権利憲章を早期に制定し、納税者の権利保護規定を法定する
②全商連が提案する「納税者の権利憲章」(第3次案)を生かし、デジタル化の下での個人情報保護の権利や調査から徴収、不服審査、裁判に至る税務行政の適正手続きを盛り込む
③申告納税制度に権力が介入する恐れがある税務相談停止命令制度は廃止する

(2)納税者の権利を尊重し、人権を蹂躙する税務調査を行わないこと
①法定外文書や「呼び出し」「お尋ね」などの乱発をやめ、行政文書で納税者を呼び出し、事前通知のない調査への移行をやめる。「収支内訳書」「法人事業概況説明書」の提出を強要しない
②不要不急の税務調査は慎む。調査時間も必要最小限度にとどめ、納税者の生活状況や健康状態にも最大限配慮する
③事前通知、調査理由の開示を文書で行う。事前通知をしない場合は、その理由を納税者に明らかにする。「提出物件の留め置き」は最小限にし、強要しない。納税者の提出物(コピーを含む)の返還要求には直ちに応じる。USBメモリーなどへの電子データの保存、持ち帰りを強要しない
④接待交際費や旅費交通費など必要経費を家事関連費と見なして使途説明を逐一求め、一方的に否認する調査は行わない
⑤税務署員が作成する「調査報告書」「調査経過記録書」等を悪用し調査期間の延長、重加算税を課す調査は行わない
⑥税務署員による「質問応答記録書」の法的根拠はなく任意であり、納税者に署名を強要しない
⑦デジタル化によるオンライン照会を含め、納税者の承諾なしの反面調査や情報照会手続きは行わない
⑧客と偽って店内などを探る「内観・おとり調査」や、納税者を尾行・監視する「動向確認」は、納税者のプライバシーを侵害する違法な手法であるため、行わない。事前調査をやめる
⑨増額更正を原則5年とはしない。5年、7年さかのぼる不当な修正申告の勧奨や同業組合ぐるみの押し付け課税をやめる
⑩7年分の更正処分や重加算税を強要しない
⑪立会人を理由とした調査拒否や消費税の仕入税額控除否認、青色申告承認取り消しを行わない
⑫調査終了手続きで、更正・決定等すべき場合は調査結果の内容(金額、理由含む)を書面で説明する
⑬国の課税権の乱用から国民の権利擁護を図るという税法の目的を厳守し租税罰則の強化は撤回する。懲役・罰金など刑事罰と各種加算税など行政罰との二重制裁を是正し、加算税、重加算税の課税要件を明確化する

(3)不服審査や税金裁判を納税者の権利救済にふさわしくすること
①審査請求から裁判の確定までは、延滞税、加算税などをかけない。権利救済の趣旨に照らし罰則付きの質問検査権による再調査は行わない
②原処分庁の提出書類や担当審判官が所持する証拠書類について例外なく、請求人または参加人が閲覧・コピーできるようにする。審理手続きにおける「処分庁に対する質問」は文書だけでなく、口頭による納税者の主張の把握ができるようにする
③国税不服審判所を増やし、審判官は審査機関の独立性と中立性、公平性を確保するため、任用基準を定めて公表する。財務省・国税庁人事から切り離し、第三者性を高める
④裁判官と訟務検事の人事交流(判検交流)をやめる。国税庁など課税庁から裁判所への職員の任用制度を廃止する

(4)徴収行政の抜本的改善を図ること
①徴収手続きは、中小業者の生活再建と事業再生支援に役立つよう、運用の抜本改善を図る。滞納整理に当たっては、納税者の生存権的財産の処分を禁止し、差し押さえ禁止財産の範囲を拡充する。預金口座に振り込まれた場合を含め、売掛金や農・漁業保険、年金などの差し押さえをやめ、生命保険金の強制解約を強要しない。差し押さえ禁止財産が振り込まれた預金口座の差し押さえを禁じるガイドラインをつくる。
②経済的理由による納税緩和措置を認める。執行停止にも申請権を認める。「申請・添付書類の整備」「不許可事由の整備」として納税者の活用に制限を設けない。納税誓約の強要はしない。担保提供を強要しない。クレジットカード納付を強要しない
③滞納者の財産調査は本人の同意に基づき、必要と認められる範囲にとどめる
④源泉所得税は徴収義務者に無報酬で天引きさせ、納税しきれなければ自己の財産を強制徴収されるという過酷で不合理性を持っていることを踏まえ、差し押さえはしない。納税の猶予も認める。延滞金はつけない
⑤「租税回収機構」などの事務組合、広域連合に対し、自治体の監督責任を明確にするとともに、権利救済規定を設ける。法的根拠を持たない徴収機構は解散する
⑥延滞税・延滞金を引き下げ、免除措置を拡充する。予納制度を悪用した徴収強化は行わない。予定納税、中間納付に延滞税はつけない。本税を全額納付し、かつ延滞税・延滞金を納付することが困難な場合は、ただちに滞納処分の執行を停止する
⑦KSK(国税総合管理)システムによる納税者情報の収集をやめる。e-Tax(電子申告)の押し付けなど申告方法への介入やデジタル化の強要をやめる
⑧情報公開法を適正に運用し、納税者本人への情報公開や税務行政の透明化を図る
⑨書面で提出した納税者に申告書を送付する。申告書の控えの廃止をやめる。収受日付印の押なつを再開する
⑩納税者に不便を押し付ける税務署の合理化をやめる
⑪国税通則法の「扇動罪」を即時廃止する

(5)税理士法を改正し、税理士が納税者の自主申告権を擁護・発展させ、真に「独立・公正」な立場を貫けるようにすること
①税理士の業務を有償独占に限定する
②税理士・税理士会に弁護士・弁護士会と同様の団体自治を認め、国家権力から独立した地位を与える
③税務署の退職者に対する特権的な顧問先のあっせんをやめる

4、いのちと健康を守る社会保障の充実を

(1)国民健康保険(国保)制度を改善すること
①国保加入者全員に保険証や滞納の有無にかかわらず、受療権を保障する。国の医療費抑制政策をやめる。運営にあたっては市区町村の権限を維持・拡充し、国・都道府県は必要な財政支援を行う。保険料水準の都道府県統一化をやめる。国保料・税を払いきれない加入者の生活実態の把握に努め、生活再建を支援する
②国保への国庫負担を総医療費の45%に戻すとともに、均等割と平等割を廃止して応能負担原則を適用し、「払える」国保料・税にする。国保料・税の引き下げのための自治体の取り組みを尊重する。繰り入れを実施した際の保険者努力支援制度でのマイナス査定をやめる
③生活保護を基準に減免措置を拡充する。保険者は滞納者に対し、親身に実情を聞き丁寧に納付相談を行う。差し押さえありきの滞納処分は厳に慎み、国税徴収法の規定を逸脱した強権徴収は行わない。電話による納付催促など徴収にかかわる業務の民営化をやめる
④国保法44条の医療費の一部負担金の減免制度や、同77条の減免制度に対する国庫助成を拡充し、周知徹底する
⑤国保加入者に対して、傷病手当、出産手当を強制給付とする。被用者保険と同様に、育児・介護休業制度を導入する
⑥国保運営協議会は、住民生活の実情を理解した委員を構成員にし、国保加入者が意見を述べる機会を保障する
⑦医療給付とは無関係な「子ども・子育て支援金」を医療保険に上乗せして徴収しない

(2)社会保険制度を改善すること
①従業員5人未満の事業所など加入義務のない小規模事業者への社会保険加入強要をやめる
②社会保険料率の賦課方式を定率から、応能負担による累進方式に改め、上限を引き上げるとともに中小企業の負担を軽減する。小規模企業振興基本法の付帯決議を順守し、中小企業の社会保険料の減免制度を創設する。社会保険と厚生年金の保険料の対象から交通費手当を外す
③大企業が社員を非正規・派遣に切り替えることをやめさせる。大企業に相応の社会保険料や国保料・税への拠出を求める
④中小業者の社会保険料の延滞金を軽減し、雇用調整助成金を活用する事業所の延滞金を免除する。払いきれない延滞金については、執行停止により免除する
⑤雇用調整助成金の申請手続きの簡略化を図り、概算払いを行うなど、仕組みを改める
⑥中小業者が外国人労働者を雇用する場合、必要な支援を行う
⑦創業後5年未満の小規模企業に社会保険料の法定減免を創設する。賃上げや従業員を増やした小規模企業に対して、社会保険料を軽減する
⑧協会けんぽの国庫補助率を本則の20%に引き上げる
⑨払える額での分割納付を認め、強引な徴収を行わない。法律で定める「納税緩和制度」を周知徹底し、年金事務所に申請書類を完備し、納付相談に誠実に対応する
⑩日本年金機構を国の機関に改組し、社会保険の制度運用に対する公的責任を明確にする

(3)労働保険を改善すること
①労災補償への国庫負担を増やし、小規模事業所の労働保険料率を引き下げる。すべての業種で中小業者と家族従業者、フリーランスが労災保険に加入できるようにする
②労災未加入事業所の従業員の労災補償を、事業主が一律に全額自己負担する制度は撤回する
③工事現場などでの労働災害に対し、親企業は下請け業者の労災補償を行う。労災認定基準や給付内容を改善する
④雇用保険の短期特例一時金の削減をやめ、90日分の支給に戻す。併せて季節労働者への支援を強化する。積雪寒冷地域で実施していた冬期援護制度を復活する
⑤事業主一人でも加入できる労災組合の設立要件と加入条件を緩和する
⑥労働保険料と社会保険料の徴収一元化は撤回し、労働保険事務組合の育成を図る
⑦報奨金申請など労働保険事務組合の過度な実務負担を軽減する

(4)医療制度を改善すること
①医療改悪をやめる。高額療養費の現物給付は入院と通院を合算する。入院時の食事費、居住費は無料に戻す。医療費・薬剤費の自己負担分をなくす
②医療を年齢で差別する「後期高齢者医療制度」は廃止し、元の老人保健法に戻す。通院治療の「定額払い・包括払い」をやめる
③患者負担を増やす「混合診療」を拡大しない
④公立・公的病院の再編や縮小、民営化、保健所つぶしをやめ、紹介状なしの大病院受診の別途負担をなくす。自治体検診、地域医療を国の責任で拡充し、病床削減をやめ、夜間の救急外来を増やす
⑤無料低額診療を行う医療機関への支援を行う
⑥患者へ負担増を押し付ける高額療養費制度限度額の見直しや「外来特例」の見直しは撤回する

(5)健診を促進し、助け合い共済を守ること
①無料健康相談・健診制度などの施策を拡充し、特定検診を自治体の基本検診に戻す。国・自治体の責任で再検診を促進する
②保険業法・再改定で、広範な自主共済が存続できるよう監督指針の運用を緩和する。助け合い共済の団体自治に対する干渉をやめる
③在日米商工会議所などによる不当な「共済市場の開放」要求に対しては断固抗議し、撤回させる
④福島原発事故の放射能被害に対する心と身体の健康調査・検診を被災者の費用負担なしで広く実施する。母子への影響を継続的に把握し、万全の健診・医療体制を早急に確立する

(6)介護保険法を改正し、公的介護保障を確立すること
①訪問介護の報酬を抜本的に引き上げ、小規模介護事業者の経営が維持できるようにする。介護施設入居者の食費・住居費の全額自己負担を中止する。国庫負担を増やし、利用料は無料にし、保険料は低額に抑えるなど制度を改正する。要支援を含むすべての認定者を介護保険の対象とする。ケアプランの有料化をやめる
②保険料を払いきれない世帯に対する給付制限や制裁をやめる。高額介護費用の償還払い制度をやめ、受領委任払い制度にする
③特別養護老人ホームなどの待機者を出さない。要介護度での入所制限を行わず、公的な介護施設の増設やホームヘルパーの増員など、財政措置の抜本的な強化をはかりながら、介護制度を拡充する
④介護職員の賃上げを保障する。介護報酬に、出来高払いに加え、介護事業所の運営および介護職員の生活を支える人員割払いを創設する
⑤介護者の精神的ケアや緊急時の代替えなど行政支援を強化する
⑥障害者総合支援法は廃止し、支援費を引き上げるなど助成を拡充する

(7)年金改悪をやめ、安心して老後が暮らせる制度を確立すること
①年金積立金を計画的に活用し、債券や株など投機的な運用をやめ、国民年金保険料を引き下げて保険給付額を抜本的に引き上げる
②すべての国民に全額国庫負担で月額8万円の「最低保障年金制度」を創設する
③国民年金の支給額を生活保護基準以上に引き上げ、年金支給開始年齢65歳を延長しない
④厚生年金の改悪をやめ、中小業者の事業主負担を軽減する。厚生年金保険料の算定基準である標準報酬月額の上限を引き上げる
⑤年金給付の削減を目的としたマクロ経済スライドを中止する
⑥振り込まれた年金の差し押さえは行わない。納付が困難な年金保険料滞納者への差し押さえをやめる
⑦国保料・税や介護保険料・後期高齢者医療保険料、住民税の年金給付からの天引きをやめる

(8)生活を保障する制度を拡充すること
①経営と暮らしの危機に直面した中小業者の最低生活を保障し、営業再開を支援するよう生活保護法を「生活保障法」に改正する
②生活保護基準を引き上げるとともに、対象となるすべての人が受給できるようにする
③親族に扶養を押し付ける扶養照会など「水際作戦」をやめ、申請の権利を保障し、制度の周知徹底を自治体に義務付ける
④生活保護制度の「有期化」や国保編入など改悪は行わない
⑤生業扶助の生業費の限度額を引き上げ、生業を営むのに必要な資金や器具・資材の購入費を保障する
⑥休廃業からの再チャレンジができる「休廃業扶助」を設ける
⑦生活福祉資金を中小業者の生業と暮らしを支える制度に改善する。申し込みから実行までの期間を短縮し、謝絶の際は理由を明確にする
⑧国や自治体が支給する給付金は、国内で生活するすべての人に届ける。支給や補償は世帯単位ではなく、個人単位に行う
⑨居住権を社会保障として明文化する。公営住宅を増やすとともに、住宅助成制度を拡充する

三、憲法を守り、平和・中立・民主の日本を

1、立憲主義、民主主義、平和主義を擁護すること

①憲法審査会の活動を中止し、「憲法改正国民投票法」に基づく一切の策動をただちにやめる
②集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は撤回する。緊急事態条項の検討を行わない
③国家安全保障会議(日本版NSC)関連法は直ちに廃止する。「国家安全保障局」は解体する。「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(安保3文書)の閣議決定を撤回し、今後「防衛計画の大綱(防衛大綱)」の策定は行わない
④特定秘密保護法、共謀罪を撤廃する
⑤「セキュリティー・クリアランス制度」を盛り込む「重要経済安保情報保護活用法」を撤回する
⑥選挙活動における言論、文書、宣伝活動などを規制しない
⑦政党助成金をただちに廃止する。企業・団体による政治献金を禁止し、政・官・財の癒着を正す
⑧自治体職員の思想調査を直ちにやめる。自治体首長は憲法・地方自治法を堅持し、憲法違反の条例を制定しない
⑨権力による行政の私物化をやめる
⑩公文書は法律に基づいて適切に管理し、偽造、改ざん、廃棄、隠ぺいなどの違法・不当行為はしない
⑪マスメディアへの政治的介入をやめる
⑫「ヘイトスピーチ解消法」に基づき、特定の人種や民族に対する差別的言動の解消を図る
⑬性自認や国籍、人種、民族、階級などによるあらゆる差別をなくす。性暴力、DV(ドメスティックバイオレンス)などを許さない社会にする。セクハラ、パワハラなどあらゆるハラスメントを根絶する
⑭市民への監視を強め、思想統制・弾圧につながるスパイ防止法案は廃案とする

2、日米安全保障条約を廃棄し、平和友好条約を締結すること

①垂直離着陸軍用機オスプレイを日本から撤退させ、自衛隊への配備を撤回する。米国いいなりの兵器の購入は行わない
②在日米軍基地の移転費用に税金を投入しない
③住民の安全と生活を脅かす在日米軍の演習や訓練は直ちにやめる。民間空港・港湾の軍事利用や米軍と一体となった統合防空ミサイル防衛の推進は中止する。防衛装備移転三原則を武器輸出三原則に戻し、武器輸出規制を強化する
④戦争支援や「核抑止」政策を中止する。国民を戦争に強制動員する有事法制の発動も具体化も行わない
⑤日米地位協定でも負担義務のない、米軍への「思いやり予算」は直ちに廃止する
⑥在日米軍への裁判権の放棄や核持ち込みなど日米関係のあらゆる「密約」を公表、撤廃する
⑦「国民保護」法制を撤回し、新ガイドライン関連法、土地利用規制法を廃棄する
⑧米軍機、自衛隊機などの墜落事故・落下事故の徹底究明と飛行中止、被害の完全賠償を行う

3、核兵器廃絶、被爆者救済を進めること

①核兵器禁止条約を批准し、唯一の戦争被爆国として「核なき世界」の実現に貢献する
②非核三原則を法制化する。核保有国の艦船・爆撃機の日本立ち寄りに非核証明書の提出を求める
③「改正」被爆者援護法を実効あるものにし、救済が行き渡るようにする。本人の証言や科学的根拠に基づく被爆者認定を早急に行う

4、個人の尊厳とプライバシーの保護を徹底すること

①個人番号(マイナンバー)制度の利用拡大をやめ、廃止する。番号利用の範囲を無制限に拡大した憲法違反の改正法は、ただちに廃止する
②個人情報の流出や、第三者のなりすましによる悪用などの危険もあり、個人番号としての行政の活用に制限を設けるとともに、民間活用は行わない。個人情報をプロファイリングされない権利や忘れられる権利、自己情報コントロール権を保障する
③マイナンバーカードの不所持によって行政サービスが受けられないなどの不利益を禁止する
④行政職員削減を口実として進められている手続きの「原則デジタル化」方針は撤回し、窓口における対面での相談・申請体制を強化する

四、教育・保育を充実し、文化・スポーツ振興を

1、教育を充実させ、子どもの健全な発達を保障すること

①教育権を保障し、子どもの権利条約に基づく教育を進める。教育基本法による管理・統制教育をやめる。自治体首長の教育への管理体制を強化する「教育改革」をやめる。学習指導要領を抜本的に見直す
②学校教育の中で、地域の暮らしと文化を守る中小商工業者の姿を知らせ、地域振興の正しい知識を伝える。専門技術の継承・発展を図る教育を充実する
③「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱を強制しない。教科書検定をやめる。特定の歴史観による教科書の使用や史実に反する「戦争」教育、「特別の教科道徳」による特定の価値観や規範意識の押し付けをやめる。自衛隊で行われる軍事教練を学校に持ち込まない。自衛隊への職場体験や個人情報の提供をやめる
④納税義務を一面的に教え込む「租税教育」のゆがみを正し、憲法理念にのっとった正しい納税教育や権利教育を行う
⑤原発の「安全神話」を広げてきた教育を根本的に反省し、福島原発事故の教訓や放射能の危険性に対する正しい知識を広げる
⑥子どもの貧困解消のため、行政・地域・教育関係者が協力し、健全な環境をつくる
⑦教材・教具、学校給食費を含む義務教育はすべて無償とする。就学援助の認定基準を改善して支給対象を拡大し、給付額を引き上げる。一部の就学援助適用者を差別的に取り扱う「準要保護」区分をやめる。「子ども保険」や「教育国債」などは導入しない
⑧高校の授業料無償化政策を継続する。高専・大学の授業料を無償にする。日本学生支援機構の奨学金をすべて給付制にする。奨学金の返済を支援し、差し押さえはしない
⑨教職員・保護者・地域住民の共同した取り組みで、全ての子どもの命と人権が大切にされる学校・地域づくりを進める。いじめや登校拒否、不登校に苦しむ子ども、親、教師が相談できる教育委員会から独立した専任教師、スクール・カウンセラーを小・中・高校の全校に配置する。子育て支援センターや児童相談所を充実させる
⑩国の責任で教員を増やし、30人学級の早期実現と20人以下を展望した少人数学級をめざす。学校の統廃合は跡地利用も含めて地域住民の声を聞いてすすめる
⑪食育である中学校までの学校給食を無償の自校方式で実施し、地域の中小業者や農産物の活用を推進する
⑫学問の自由や大学自治への介入をやめる

2、公立保育園・幼稚園の廃止、民営化をやめ、公的保育を拡充すること

①認可保育所の増設、保育士の増員・待遇改善に取り組み、潜在待機児童も含めた保育を必要とする全ての子どもが希望通りの保育園に入れるようにする
②保育無償化を2歳児以下の全世帯にも広げるとともに、保育環境の劣悪化につながる保育基準の緩和をやめる
③病児保育への支援・強化を図る
④中小業者の就業実態に見合った保育を保障し、居宅内労働への差別を廃止する
⑤無認可保育所、学童保育への公的補助を増やし、充実を図る

3、健全な文化・芸術、スポーツを振興すること

①国民誰もが気軽に文化・芸術を楽しめるよう予算を増やす
②文化・コミュニティーを育む公的施設の維持・増設をすすめる。公的施設の利用料を引き下げる
③文化・芸術活動を担う団体や個人の地位向上を図り、助成を強める
④文化・芸術・スポーツ関連事業者が経営継続できるよう支援を強化する
⑤地域が歴史的に育んできた伝統工芸・郷土文化・芸能、祭りの振興を図り、継承者の育成をすすめる
⑥スポーツ基本法の理念に基づき、国民が自主的・自発的にスポーツを楽しめる条件を拡大するための支援を強める
⑦国・公有地、河川敷などに文化・スポーツ施設を造り、休日や夜間も利用できるようにする。施設の運営を利用者・利用団体も交え民主的に行う
⑧地域のスポーツ活動を支える指導者や、自主的なスポーツクラブを支援するために、運動施設を整備・確保し、助成を強める
⑨スポーツにおける暴力、パワハラ、セクハラなどをなくすための競技者や指導者、スポーツ団体、関係者の自主的な努力を支援する