国保料が払えない あなたの負担減らせますQ&A
コロナの影響で3割以上減収なら減免/全額免除のケースも/
「見込みも可」厚労省回答!

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 2020年度の国民健康保険(国保)料・税の納付通知書が届き始め、「国保料・税が高すぎて払えない」「負担を軽くしたい」などの声が各地から寄せられています。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、3割以上の収入減少が見込まれる世帯は国保料・税が減額・免除されます。減免の対象や申請の手続きなどについてQ&Aで解説します。

【コロナ関連Q&A】


Q1:減免される対象は?
:収入で前年比3割以上の減少が見込まれる世帯

 減免の対象となる世帯は、①主な生計維持者が、新型コロナ感染によって死亡または重篤な傷病(人工呼吸や人工肺とポンプを用いた治療を受けた)を負った世帯②主な生計維持者の事業収入等(事業や不動産、山林、給与から得ている収入)が、前年比3割以上の減少が見込まれる世帯。主な生計維持者の前年所得が1千万円以内で、事業収入以外の収入(株など)が400万円以内が対象。新型コロナの影響でないことが明らかな場合(例えば懲戒解雇や離転職による減少)を除いて減免の対象になります。
 事業収入減少の規定について、厚労省は倉林明子参院議員(共産)を通じて「減少の算定は自治体の判断になる」と答えています。神奈川県内では直近1カ月の減収で算定します。厚労省は「帳簿などの提出によって年間収入の見通しを立て、一定の合理性を担保にしつつ判断することが考えられる」としています(取り扱いに関するQ&A)。
 減免される期間は、20年2月1日から21年3月31日までが納期限の国保料・税です。すでに納付している場合でも、さかのぼって減免申請ができ、還付を決めている自治体があります。

3割減「見込みで可能」全商連がヒアリング 厚労省が回答


全国商工団体連合会(全商連)は6月19日、厚生労働省へのヒアリングを行い、新型コロナウイルス感染症に関わる国民健康保険(国保)料・税の減免制度の充実・改善を求めました。

厚労省は、要件で決めた「事業収入の3割減少」について、同省は「見込み額で判断して差し支えない。収入減少の確認は自治体によって異なるが、確定申告書だけでなく、帳簿や給与明細書などによって合理性を担保しつつ判断する。結果的に収入が3割減少しなくても、減免は取り消されない」と回答。さらに「3割減少の見込み額は直近2、3カ月で算定する自治体が多いが、合理性が担保されれば、直近1カ月でも構わない」との見解を示しました。
>>詳細 商工新聞 2020年7月6日付

Q2:減免の割合は?
:前年所得が300万円以下は全額免除も

 減免の対象となる世帯が、上記のQ&Aで示した①の場合は全額免除となります。②の場合は、前年の所得によって減免割合が5段階になります。300万円以下は全額免除、1000万円以下は20%の減額です(図1)。

図1

 広島県三原市はモデルケースで減免額を試算(図2)。「減免制度の内容が分かりづらい」と、三原民主商工会(民商)から寄せられた声に応えたものです。夫婦と子ども2人の世帯で、主な生計維持者の前年度総所得金額が300万円の場合、年間の国保税42万1200円が全額免除になります。妻などに収入がある場合は、変動することがあります。

図2

 国保料・税の減免は、国保法(第77条)に基づいて、市区町村が条例を定めて実施しています(申請減免)。
 今回の新型コロナの緊急経済対策の一つとして国保料・税が減免できるのは、申請減免条例を定めている市区町村です。条例がない場合は、条例制定を求めることが必要です。今回の減免に必要な費用は、全額を国が負担します。

Q3:申請に必要な書類は?
:収入減少の根拠となる書類など

 減免申請書や本人確認書類(運転免許証やパスポート)、事業収入等申告書を提出します。
 3割以上の減収が見込まれる場合は、2019年度確定申告書の控えや収入が分かる書類、源泉徴収票などが必要になります。
 死亡や重篤な傷病を負った場合は、それを確認できるもの。廃業や失業の場合は廃業届や雇用保険受給資格者証などが必要になります(提出書類は市区町村によって多少異なりますので、確認してください)。
 申請受け付けは、今年度の国保料・税の納付通知書が送られてから以降になります。新型コロナ感染症拡大を防ぐため、市区町村の窓口に行って申請するのではなく、郵送による方法を検討している市区町村もあります。
 納付通知書と一緒に、減免のお知らせや申請用紙、返信用の封筒が同封されている場合がありますので、確認してください。
 各地の民商は、これまでも国保料・税の減免申請に取り組んできました。今回の新型コロナの影響によって売り上げが激減する中で、高すぎる国保料・税の負担は余計に重くのしかかってきます。民商では「減免制度を活用して負担を軽くしよう」と呼び掛けています。
 申請の仕方が分からない場合などは、お近くの民商にご相談ください。


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【コロナ対策だけではありません!通常の国保減免の活用も】
※状況によっては、コロナ特例より通常の国保減免の方が、有利な場合もあるので確認しましょう。


Q1:国保料・税が高くて払えない
:減免制度を活用しよう

 国保料・税が払えないとき減額免除制度が活用できます。国が定める軽減制度(法定軽減)と各自治体が定める申請減免制度があります。
法定軽減は、世帯主(国保加入者でない場合を含む)と加入している家族の総所得が、国の定める基準額以下の世帯が対象。応益割(均等割、世帯割)が区分に応じて7割、5割、2割と減額されます(図1)。確定申告をしていれば申請の必要はありません。

図1

 所得金額の修正によって減額になった場合、国保税は5年間、国保料は2年間さかのぼって申請できます。
申請減免制度は各自治体が条例で定めています(国保法77条)。減免基準は自治体によって異なります。
民主商工会(民商)では集団で減免申請を行っていますので、払えないときは最寄りの民商に相談してください。滞納をそのまま放置していると保険証の取り上げや、滞納処分(預金等の差し押さえ)が執行されます。国保課の窓口に出向いて払う意思を示し、減免を相談しましょう。

Q2:減免が認められなかった場合は
:納税緩和制度を活用しよう

 納税緩和制度は国保料・税にも適用されます。
徴収猶予、換価の猶予、滞納処分の執行停止の三つが柱(図2)。徴収猶予が認められると1年以内の納付が猶予され、さらに1年延長できます。また、差し押さえを受けていたときは解除を申請でき、延滞金が減免されます。

図2

 「換価の猶予」は加入者の申請による申請型と市町村長の職権による制度があります。申請型「換価の猶予」は「納期限から6カ月以内の滞納」という制約がありますが、認められれば、差し押さえ処分の解除や延滞金などが減額・免除され、1年以内の分納(最長2年)が認められます。
単なる分納(納付誓約)では担当者が代わった途端に一括納付を迫られ、納付できなければ差し押さえ処分を受ける場合もあります。また、延滞金が減免されることはありません。
納税緩和制度に基づいて親身に納付相談に応じるように主張することが大切です。

Q3:分納していたら預金口座が差し押さえられた
:ただちに交渉して解除を求めよう

 厚労省は差し押さえ禁止の基準について「1カ月ごとに10万円と滞納者と生計を一にする配偶者その他の親族があるときは、1人につき4万5000円を加算した額は差し押えることができない」ことを示しています(図3、滞納処分の執行停止も同基準)。倉林明子参院議員(共産)の質問に対して加藤勝信厚労相(当時)は「生活を困窮させる恐れがあるときは差し押さえの対象外とすることが大事」と答弁しています(2017年6月8日)。

図3

 また、国税徴収法(75~78条)には生活に欠かせない衣服や寝具、家具、生活に必要な3カ月間の食料、給料・年金・手当などの一定額は「差押禁止財産」として定められています。
児童手当や年金、給与などが振り込まれる口座の差し押さえが各地で横行していますが、預金口座に振り込まれた児童手当への、鳥取県による差し押さえは違法との判決が確定しています(広島高裁松江支部13年11月27日)。
生活を困窮させる差し押さえや差押禁止財産の差し押さえは「違法である」と抗議し、解除を求めるとともに、分納ではなく徴収猶予や換価の猶予を認めるように市町村と交渉することが大切です。

Q4:保険証が取り上げられた
:払えない事情を説明して交付を求めよう

 保険証取り上げは、医療を受ける権利(受療権)を奪い、生存権を脅かしています。経済的理由による「手遅れ死亡事例」のうち47・7%が「無保険・資格証明書・短期保険証」という実態が明らかになっています(2017年全日本民主医療機関連合会調査)。
政府は国保料・税が払えず保険証が取り上げられた世帯について「医療の必要が生じ、世帯主が市町村の窓口で医療機関への医療費の一時払いが困難と申し出た場合、短期保険証を交付する」ことを閣議決定しています(09年1月20日)。
受診時にいったん医療費の全額を負担しなくてはならない資格証明書についても、高校生以下の子どもは6カ月間有効の短期保険証を交付するように国保法を改正しました(10年7月から)。
厚労省の調査(18年度)では全加入世帯1836万6762のうち、滞納世帯は267万1058に上っています。
国保料・税の滞納を理由にした短期保険証の交付は75万4043世帯、資格証明書交付は17万1501世帯で、合わせて約92万5544世帯(滞納世帯の34・7%)が正規の保険証を取り上げられています。
国保課で、払えない理由や受診が必要になったことなどを話して保険証の交付を求めましょう。

Q5:病院の窓口負担が払えない
:一部負担金減免制度を活用しよう

 国保加入者が特別な理由で、受診時の窓口負担(一部負担金)が払えない場合は減額・免除制度が活用できます(国保法44条)。対象は主に、①災害による世帯主の死亡や資産の損害②干ばつによる農作物の不作、不漁による収入減③事業の休廃止、失業や所得の減少―などとなっています。
収入がもともと少ない人への適用には、厚労省は①入院患者がいる②世帯の収入が生活保護基準以下③預貯金が生活保護基準の3カ月以下―と、厳しい基準を設けています。
減免規定がないことを理由に申請を受け付けない自治体でも、厚生労働省は条例や規則等の定めがなくても国保法に基づいて実施できることを明確にし、国の基準に該当すれば、国が減免額の2分の1を支援していますので、権利を主張して積極的に適用を求めましょう。また、国基準よりも広い範囲を設けている自治体もあるので確認しましょう。
各地で起きている豪雨災害でも災害救助法の適用を受けている市町村では基準に該当する場合、申告することで一部負担金が免除されます。東日本大震災の被災地では、宮城県が被災者への一部負担金免除を打ち切りましたが、岩手県や福島県では制度を継続しています。

Q6:国保料・税は引き下げられるの?
:公費1兆円の新たな投入で協会けんぽ並みに

 国保制度は国民の4人に1人が加入し、国民皆保険制度の重要な柱を担っています。現在、加入者のうち無職者と非正規雇用者が8割近くを占め、平均所得は230万円(95年)から85万円に減っています。低所得者が多いにもかかわらず、保険料は中小企業の労働者が加入する協会けんぽよりも高くなっています。
こうした構造的な問題を解決するため、国庫負担金を増やすことが急務です。
全国知事会が公費1兆円の投入を求めているほか、全国市長会、全国町村会も協会けんぽ並みの保険料に引き下げるため、公費増額を国に求めています。1兆円投入で「均等割」と「平等割」をなくせば、全国平均で16万円が軽減され、協会けんぽ並みになります(図4)。自治体では子育て世帯の負担軽減のため、子どもの均等割を減免する動きが広がっています。

図4

 併せて国庫負担金を医療費の45%(84年)まで戻し、国保料・税の負担を軽減させるために一般会計から法定外繰り入れの解消を自治体に迫る国の姿勢を改めることが必要です。国は法定外繰り入れに対し、国の財政支援を減額すること(マイナス評価導入)も検討しており、中止を求める運動も必要です。
また、各地の民商では地域の人たちと連携して自治体と交渉し、国保料・税の引き下げを実現させています。

国保「知っ得情報」

国保「知っ得情報」

国保料減免チェック表

下記は豊中民商が作成した「国保減免チェック表」です。

国保料減免チェック表

[提言]国民健康保険料(税)の引き下げと制度改善を

[提言]国民健康保険料(税)の引き下げと制度改善を

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