
個人事業主や家族従業者が入院したり、感染症(5類〈新型コロナなど〉以外)にかかって4日以上休業した場合、1日7千円の休業補助金が支給される―。福島県の中通りの南端に位置する西郷村は今年度から「個人事業主休業時支援補助金」を創設しました。同村を担当する白河民主商工会(民商)の会員から「民商と婦人部の長年の要望が実って、うれしい」と歓迎の声が上がっています。
白河民商と婦人部 粘り強い運動で成果


同制度は、村内の個人事業主またはその専従者が「入院を伴う傷病」または「感染症法に定められた感染症による療養(5類感染症を除く)」により休業した際、円滑・迅速な事業再開を支援するもの。当事者の申請に基づき、休業4日目から1日7千円(上限は同一年度内で25日間分、17万5千円)が支給されます。「1日7千円」について村側は、厚生労働省が告示・公表する「『標準報酬月額』の平均値を参考に設定した」と説明します。
制度創設には、民商や婦人部の粘り強い運動がありました。コロナ禍の2020年、国が国民健康保険(国保)に加入する被用者に傷病手当金を給付することを決めたことを受け、婦人部は翌21年2月、髙橋廣志村長と懇談。「市町村長の判断で、被用者以外にも対象を広げることができる。ぜひ個人事業主にも支給を」と訴えると、髙橋村長は「村の財政からすると容易ではないので、県選出の国会議員に、対象を事業主まで広げるよう要請した。みんなで声を上げていきたい」と答えました。
民商の西郷第2支部の上田秀人支部長=農業、村議=も、議会で度々、傷病手当の創設を求めてきました。
25年の9月議会では「休んだら、お金が入らないから休めない」と、真冬の作業所でストーブもつけず、せき込みながらガラス研磨をしていた村内の自営業者の実態を紹介。「無理をして働き続ければ、病状が悪化し、そのまま廃業につながる恐れもある。村の産業や個人事業主、農家を守り、育成するという観点からも、傷病手当の実施を」と迫りました。髙橋村長が「制度上、傷病手当には一般財源から繰り入れができない」と答弁したのに対し「それならば、産業育成を目的とする傷病『見舞金』として検討してはどうか」と提案したところ、髙橋村長は「実施する方向で検討します」と応じ、今年度から、休業時支援補助金制度が実施されました。
同制度は、地域振興課が担当する施策で、国保とは全く別の制度です。「円滑・迅速な事業再開」が目的なので、補助は「営業停止の場合」に限定され、家族従業者の傷病では使いにくいとの懸念もあります。上田支部長は「14日時点で利用者はまだいないものの、一般会計なので、コロナ禍の時のような臨時的措置ではなく、継続が予定される。改善すべき点は議会などでも指摘していきたい」と話します。
同支部に所属する小山公子婦人部副部長=管工事=は「国民健康保険とは別建てですが、民商や婦人部の長年の願いだった、個人事業主と家族従業者向けの傷病手当が創設されたのは貴重な成果です。村の広報誌には載りましたが、認知度は高くないので、村に在籍する全会員60人に制度を知らせ、支援が必要な人に届く制度にしたい」と意気込んでいます。

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