もともと消費税の免税事業者で、インボイス(適格請求書)登録によって課税事業者となった割合は34.6%、納めた消費税額は平均18万6千円で、今後の負担増には「自分の利益や貯金などを削って払う」46.3%―。大阪商工団体連合会(大商連)の「インボイス制度の実態アンケート第3弾」(6月29日発表)で、インボイスの負担にあえぐ個人事業主の姿が明らかになりました。
「身銭切って払う」5割/「3割特例」への改悪に不安
3085人が回答個人事業者9割超
調査は2024年、25年に続く3回目。25年12月~26年4月30日までに3085人が答えました。そのうち個人事業者が95.6%、法人が4.4%。業種は①建設39.7%②飲食14.0%③サービス13.1%④製造7.9%⑤卸小売6.8%⑥運送3.1%⑦その他6.6%―など。
インボイスの登録を行った時期は、インボイス制度が23年10月から強行実施された23年が32.2%と最多。次いで24年が20.3%、25年が6.7%でした。「24年以降はインボイスが本格実施となり、1年分の消費税がかかるため、元請けや取引先が負担軽減のためにインボイス登録を迫ったと推測される」としています。
インボイス登録した理由は「取引先やお客に求められた」78.0%が断トツ。取引先からは「単に『登録するように言われた』」が61.4%と最多だったものの、中には「登録しないと取引停止」17.6%、「単価引き下げ・消費税分払わない」9.9%も。「登録しないと使ってもらえない」(居酒屋)、自動車関係の「オークション」のように商売上の必要に迫られて登録したほか「元請けが勝手に登録していた」(エクステリア)という事例も。「国が定めたことなので」(鉄工)のように「制度だから当然」と登録したケースもあり、引き続き「登録は任意であることや、インボイス・消費税の問題点を広く伝えることが課題」としています。
平均負担額19万円「3割」で28万円に
インボイス登録による消費税の平均負担額(「2割特例」利用者のみ)は18万6千円で、24年分の15万1000円から3万5千円増加。2027年分からの申告で「3割特例」に改悪されると、納付額は単純計算で1.5倍となり、同27.9万円へとハネ上がる見込みです(図1)。

「免税業者だった」事業者のうち50.3%が、消費税申告の際に「2割特例で申告」と答えました。自由記述欄には「2割負担までなら何とかなるが、それ以上になればかなり厳しくなる。その時が来るのが怖い」(運送)など、10月から予定されている「3割特例」への改悪に対する不安の声が寄せられました。
消費税の負担が増えたことに対する対応については「値上げや転嫁を求める」が36.8%と、前回調査(45.7%)より約9ポイント減少する一方で「自分の利益や貯金で払う」が46.3%と前回(38.0%)より8.3ポイント増加(図2)。全体の約半数が「身銭を切って納めざるを得ない」と考えていることが判明しました。

特例改悪を許さずインボイス廃止に
インボイス登録をしていないことでの不利益については、「取引がなくなった・減らされた」9.8%、「単価を下げられた・消費税分を下げられた」14.0%など、インボイス登録をしないことへの圧力は強くなっています(図3)。

自由記述欄には「登録しないことで消費税の20%分を3年間値引きしている」(製本)、「『登録しないと仕事を出せない』と言われ、仕事が減らされた」(管工事)などの不利益事例も報告されています。
大商連は、アンケート結果を基に「2割特例改悪を許さず、インボイス廃止・消費税5%実現」を訴えるとともに、自治体要請を強め、物価高騰や資材不足にあえぐ中小業者への直接支援など支援策の拡充を求めることにしています。

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