外国人経営者の「経営・管理」ビザ 「厳格化」の撤回を|全国商工新聞

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地域経済壊す人権問題
店も街もつぶす経営・管理ビザ改悪ストップアクション 国会内で集会

「経営・管理」ビザ厳格化反対と訴える集会参加者=5月13日、国会内

 「30年間、言葉の壁や生活習慣の壁を乗り越え、日本で頑張ってきた。それなのに、どうして」―。2月に出入国在留管理局(入管)から在留資格「経営・管理」(「経営・管理」ビザ)の更新を認められなかったインドカレーレストラン元経営者のMさんが涙ながらに訴えました。昨年10月16日の省令改正で厳格化された「経営・管理」ビザを巡り、「厳格化」の撤回を求めて5月13日に開かれた国会内集会での一こまです。

 主催は、有志が立ち上げた「店も街もつぶす経営・管理ビザ改悪ストップアクション」。同アクションの中山永月さんは「経営・管理ビザ厳格化で、4万人もの在留外国人経営者の仕事や生活の基盤が脅かされ、地域経済にも悪影響を与える」。金澤伶さんは「日本は排外主義の道を突き進み、不合理な政策が人々の生活と日本経済を破壊しているのではないか」と、それぞれ告発しました。
 集会では、オンライン署名「#推しエスニックといつまでも」を呼び掛ける鶴ヶ島たろうさん(本紙4月20日号1面既報)が「『経営・管理』ビザ厳格化の問題は、当事者と、その家族に影響の及ぶ人権問題だ。撤回させなければならない」と強調。前日までに集まった署名5万3千人分を入管庁に提出しました。
 「経営・管理」ビザ厳格化の問題に取り組む行政書士やNPO代表、地方議員、ジャーナリストが問題の背景を解説し、実態を告発しました。打越さく良(立民)、山添拓(共産)、福島みずほ(社民)の各参院議員が出席し、あいさつしました。

署名5万3千人超何としても撤回へ 鶴ヶ島たろうさん

 2月14日にスタートした署名は昨日、5万3千人分を突破しました。署名では①「経営・管理」ビザの審査に当たり、資本金の額ではなく、経営実態をちゃんと見る②経過措置の延長③影響を評価し公表する―ことを求めています。この集会で、集まった
 署名を入管庁に提出します。署名を始めるきっかけは、私が暮らす街のインドカレーレストランのオーナーから「経営・管理ビザの更新ができず、このままだと国に帰らないといけない」と相談を受けたことでした。経営・管理ビザの厳格化は、当事者と、その家族に影響が及ぶ人権問題です。日本経済や地域コミュニティーにも大きな影響を及ぼします。誰も得をしません。何としても撤回させたい。

元インドカレーレストラン経営 急に「帰れ」はとてもひどい Mさん

 日本に来て30年になります。約10年間、お金をこつこつため、経営・管理ビザを取り、自分の店を経営してきました。結婚し、2人の子どもが生まれ、上の子は今、高校3年生です。子どもにとっても大事な時期に、ルールが急に厳しくなり、2週間前に入管から「帰国」と言われました。
 子どもたちは日本で生まれ育ち、日本語しか分からない。日本人の友達しかいない。それなのに、インドに帰れと言われて、どうすればいいのですか。入管から「帰国」と言われて、妻も、娘も泣いています。私もすごく苦しいです。
 30年間、言葉の壁、生活環境の違いに、とても苦労してきましたが、同じ飲食店のシェフたちや商工会、市役所の人、お客さんに支えてもらいながら、ここまで頑張ってきた。苦労して家も買いました。子どもも高校生になりました。やっと、ここまで来たのに、一方的に帰れというのは、人道的にもどうなのでしょうか。私たち家族はすごく困っています。皆さん、助けてください。
 日本にルールがあるのは分かる。悪いことして「帰れ」と言われたら、とっとと帰ります。でも私は、何も悪いことしてない。急にルールが変わり「帰れ」と言われるのは、それは人間的にとてもひどいことだと私は思います。

「厳格化」は官製ヘイト 登壇者発言

ジャーナリスト・室橋裕和さん

 東京・新大久保(新宿区)の街で、外国の方々を取材、発信しています。「厳格化」は、日本でビジネスに挑戦し、頑張っている人の人生設計を狂わせる。店を畳む人が次々と出てくるのではないか。

大阪府島本町議(共産)、映画監督・河上りささん

 経営者をはじめ外国の方々が日本で暮らすためのハードルを一気に引き上げ、根拠なく追い出すことになる。このことが、地域経済や日本経済の悪化を招き、この国の将来を暗くさせてしまう。

移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)共同代表理事・鳥井一平さん

 「経営・管理」などの在留資格を持つ人や非正規滞在者の人々が、あちこちで働いて社会が成り立っている事実に目を向けるべきだ。「厳格化」は”官製ヘイト”。ヘイトは明日を壊すだけ。

行政書士・吉永藍さん

 人口問題の解決には外国人との共生しかない。在留外国人の方々は消費もし、納税もする。日本で生まれ育った子どもたちは将来の財産だ。その人たちをなぜ追い出すのか。

行政書士・山田恭永さん(東京・杉並民主商工会会長)

 昨年10月16日以降、経営・管理ビザの審査がめちゃめちゃ厳しくなった。許可に2カ月かかることも。これはいじめであり、官製ヘイト。人権問題として考える必要がある。

大阪入管 料理店工事中の外国人に出国迫る 資材不足で営業許可に遅れ
「個別事情を踏まえ、対応せよ」 参院法務委 仁比聡平議員(共産)が追及

質問する仁比議員=5月14日、参院法務委

 日本で料理店を経営しようと「経営・管理」の在留資格を得て入国した外国人が、店舗の工事や法人登記、保健所の営業許可の取得に取り組んできたものの、建築資材不足により営業許可が遅れたことを理由に、大阪出入国在留管理局(入管)が在留期間の更新を認めず、無慈悲に出国を迫る―。入管の非人道的な実態を日本共産党の仁比聡平参院議員が5月14日の参院法務委員会で告発しました。
 この経営者は、在留期間の更新が必要となったものの、中東情勢の影響による建築資材不足などから、営業許可証取得に必要な追加工事が滞ったため、保健所からの営業許可証を取得できず、当初の在留期間中の営業許可には至りませんでした。その後、営業許可証交付の見通しが立ち、安心していたところ、大阪入管が「営業許可」の書類がないことを理由に、しゃくし定規に在留期間の更新を認めず、出国を迫っているというケースです。
 仁比議員は「当初の在留期間に営業許可に至らなかったのは、昨今の建築資材不足、建設職人不足によって、受注業者の工事が大幅に遅れたからだ。こうした状況は今、日本国民も、外国籍住民も同じ事態に置かれている」と強調。「申請者の責めに帰すべきではない事情で、在留資格の更新を認めないのは理不尽ではないか」と追及しました。
 出入国在留管理庁の内藤惣一郎次長は「さまざまな事情はあるとは思うが、提出書類等に基づき審査し、適切に判断した」と冷たく突き放しました。
 仁比議員は平口洋法相が在留外国人の”個別事情を踏まえた対応”をするとした答弁(4月21日、参院法務委員会)に触れ「個別の対応を本当にしているのか。5月13日の国会内集会で、中心的な要求は『一律の資本金基準で排除しないで、実態で見てほしい』というものだった。実態を把握せず、真面目に頑張ってきた中小事業者に対する在留資格の許可要件を一方的に『厳格化』し、事業と生活の基盤を奪ってはならない」と追及しました。

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