昨年12月に成立した国の補正予算で、エネルギーや物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の支援を目的に、地方自治体が地域の実情に応じて活用できる「重点支援地方交付金」が2兆円、積み増しされました。各地の民主商工会(民商)は、事業者の実情に合い、使い勝手の良い支援制度になるように自治体へ要請。民商の提案が一定、反映した支援制度も創設されています。市長と初めて懇談した民商では、中小業者の生の声を直接届け、歓迎されました。
長崎県大村市 一律給付4万円から 大村民商が活用を呼び掛け

長崎県大村市は昨年に続いて、16日から「大村市中小企業者等事業継続支援給付金」をスタートしました(5月29日まで)。市内で事業を行う法人・個人を対象に、従業員数1~5人の場合は一律4万円▽6~20人の場合は同7万円▽21人以上の場合は同10万円―を給付する制度で、従業員のいない一人親方やフリーランスも対象です。「市税滞納のない者」との制約はありますが、仕入れ値の上昇を証明する書類などは必要ありません。
大村民商は昨年11月、長崎県の社会保障推進協議会が取り組んだ「自治体キャラバン」に参加。重点支援地方交付金を活用した中小業者への支援策として、商品券やキャッシュレスポイントなどに限定せず、現金給付の創設を求めていました。その後、永山真美市議(共産)による12月議会での働き掛けもあり、給付金が実現しました。
民商では、事務所に申込書を用意。民商ニュース「大村民商会報」でも市の給付金創設を告知し「ぜひ早めの申し込みを」と呼び掛けています。
群馬県渋川市 新市長が民商を訪問 渋川北群馬民商会員ら25人と懇談
住宅リフォーム・店舗改装助成「今後も進めたい」

群馬県渋川市では昨年8月に市長選が行われ、元県議の星名建市氏が初当選しました。星名市長と市の職員ら9人が先ごろ、渋川北群馬民商の事務所を初めて訪れ、民商の役員・会員ら25人と懇談しました。
民商の狩野哲夫会長=鉄工所=が「地域循環型の経済を、どのようにつくっていくか。市とも連携して進めていきたい。今日は有意義な懇談会にしましょう」とあいさつ。星名市長は「中小業者への支援を強めていきたい。今日は業者の生の意見を聞かせてほしい」と応じ、和やかに懇談が始まりました。
市側は、市の中小企業振興基本条例に基づく振興会議で「渋川市の中小企業振興に関する提言書(令和7年度)」を策定したことを紹介しました。2026年度の中小企業振興に向けて「経営環境の激変に対する伴走支援」「人材確保・育成・定着に向けた総合的支援策の展開」「農福連携・商福連携の推進による担い手確保」などを提案しています。民商の藤川衛一経営対策部長が、同会議の委員を務めていることも念頭に「”チーム渋川”として、今後も民商さんにも協力してほしい」と述べました。
賃上げについて、市独自の賃上げ支援制度「しぶかわ中小企業賃上げ応援奨励金」(従業員の賃金を5%以上引き上げた中小企業に、従業員1人当たり1万円を給付)の申請実績は80件ほどと、見込みより少なかったことを紹介。市側も中小業者の厳しさを認識しているようでした。
継続実施されている住宅リフォーム・店舗改装助成については「地域の業者も潤うので、今後も進めていきたい」と表明。今年度の申請は144件で、予算枠の900万円を使い切ったと報告されました。2024年から始まった国民健康保険税の子ども(未就学児と18歳以下)の均等割額相当額の支援については「予算次第だが、来年も引き続き支援していきたい」としました。
参加者からは「子どもの通学路で、枝が伸びているなど危険な箇所があるので対応してほしい」「古巻地域で子ども食堂を立ち上げたいと考えており、空き家情報を取りやすくしてほしい。人件費がネックなので助成金の対象にしてほしい」などの要望を伝えました。「自治会に加入しない人が増え、自治会運営が崩壊しつつある。現状を把握しているか」との質問には「各地域の代表の方と意見交換していて、対応策を検討している」と回答しました。
懇談後、行方良平理事=印刷=は「率直な懇談ができて良かった」。狩野会長は「自治体との懇談・要請で首長が出席することは、あまりない。市長に直接、業者の声を届けることができて良かった。市長が業者のことを考えていることが分かった」と手応えを語りました。
広島県 安芸高田市 振興条例を「検討」 三次民商が初めて市長と懇談
懇談受け納税緩和制度の告知が改善

広島・三次民商は先ごろ、安芸高田市の藤本悦志市長と初めて懇談しました。民商から、国重俊彦会長=農業、植野修・高田支部長=ミシン販売=ら4人が市役所を訪れ、市長を含む3人が応対しました。
冒頭、国重会長が藤本市長に要望書を手渡し、市の地域経済を振興する立場で懇談。中小企業振興条例について、廿日日市市や北広島町など、県内の他自治体で制定されている事例を紹介し「安芸高田市でも条例制定を」と訴えると、市側は「県内の条例を見て検討していきたい」と回答しました。
市は昨年11月、国の地方創生臨時交付金を活用し、事業所でのLED照明や省エネ空調などの導入を支援する「事業所省エネ設備導入支援事業」を実施(支援対象経費の4分の3以内、上限50万円)。人気が非常に高く、1日で2200万円の予算上限に達して打ち切ったため、市から今後、国の追加交付金が給付された際には、今回申請から外れた事業者を優先したいとの意向が示されました。民商は、2028年以降の蛍光ランプの製造・輸出入の禁止などを背景に、LED照明の需要が急増し、全国的に納期未定の状態が続いていると指摘。追加交付金が決定しても、期限までに調達・設置できない事態が生じている状況を伝え、柔軟な対応を求めました。
中小業者への市独自の恒久的な補助金創設について、市側は「財政状況に鑑みて困難」と回答。民商は、コロナ禍に始まり、物価高騰と事業者の高齢化、人手不足、最賃引き上げなど深刻な経営実態を伝え「頑張って事業継続する地元業者を応援してほしい」と重ねて求めました。
藤本市長は「頂いた提案について、実現可能なことから、責任を持って関係各課と共有し、具体的に着手していきます」と表明しました。
懇談後、市はホームページで「市税等の徴収・換価の猶予制度について」の記事を掲載。民商では「市長との懇談で、納税緩和制度の積極活用を訴えた成果が、早速、あったね」と喜び合っています。

03-3987-4391






