高市早苗首相は10月24日、国会で初めて行った所信表明演説で、アメリカ言いなりの大軍拡推進と、大企業優遇や社会保障削減を強調しました。一方、自民党裏金事件や消費税減税については何も語らず、ジェンダー平等につながる文言も一切、見られませんでした。石破茂前首相が言及していた男女賃金格差是正の言葉も消えました。世界148カ国中118位という、日本の遅れたジェンダー平等を後退させる危険があります。
高市氏本人は、戦前の「家制度」を「美しい国」とする家父長的な古い価値観に固執しています。選択的夫婦別姓制度に反対し、その理由に「家族単位の社会制度の崩壊を招く可能性」を挙げています。2021年、選択的夫婦別姓実現の意見書を自治体が可決しないよう求める文書が、自民党国会議員有志の連名で、約40の県議会議長に送られました。これには高市氏をはじめ、高市政権の閣僚の何人もが名を連ねました。
6月22日に閉会した第217回通常国会では、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の24年勧告を受け、立憲民主党と国民民主党が提出した選択的夫婦別姓を導入する2法案と日本維新の会が提出した通称使用を法制化する法案が、28年ぶりに審議され、継続審議となっています。維新案と高市氏は選択的夫婦別姓を認めないという点で一致しており、勧告を生かした運動をさらに強めることが求められます。
勧告は、家父長的な世帯単位課税を今に引き継ぐ所得税法第56条の改正も指摘しています。日本社会に根強く残る家父長制的態度や差別的ステレオタイプの削除を求める運動は、56条を廃止に追い込む力ともなります。
高市首相の政治姿勢は、生活保護利用者や外国人をはじめとする弱者・少数者を攻撃するなど、極右・排外主義的です。自民党が、維新に加えて参政党を取り込むならば、排外主義と一体になり、ジェンダー平等に大逆流をもたらすことが危惧されます。
全ての人に開かれた共生社会こそ、経済発展にも寄与することを大いに知らせ、差別と排外主義を扇動する高市政権と自民党政治を終わらせる運動を強めましょう。

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