参議院でも与党過半数割れの審判が下った7月の参院選から、自民党の内紛によって3カ月もの政治空白を経て、臨時国会が10月21日、ようやく始まりました。少数与党の高市早苗自維連立政権の下、参院選で何らかの消費税減税とインボイス(適格請求書)制度廃止を公約に掲げた政党が多数を占め、臨時国会での実現が大きな焦点です。この間、各地の6月議会や9月議会で可決された消費税減税やインボイス制度廃止、「2割特例」「8割控除」の継続を求める意見書を紹介します(下の図、10月21日時点、本紙調べ。7月21日号1面既報分を除く)。

【長野県下諏訪町】「2割特例」など継続も求める
長野県下諏訪町議会は9月26日、「インボイス制度廃止と、『2割特例』『8割控除』の継続を求める意見書を賛成多数で可決しました。
意見書は、商工新聞読者の金井敬子議員(共産)が議員提案したもの。金井議員は本会議前に、諏訪地方民主商工会(民商)から、インボイスで苦境に陥る中小業者や建設業者の実情を聞き取り、「インボイス制度廃止までの間、『2割特例』『8割控除』の継続を求めます」と主張しました。民商は「諏訪圏(諏訪市、茅野市、富士見町、原村)の12月議会で、意見書可決を広げたい」と、署名の推進を会員に呼び掛けています。
【岩手県金ケ崎町】地方経済への弊害が議論に

岩手県金ケ崎町議会は9月12日、胆江民商も参加する国民大運動実行委員会が9月定例会に提出した「消費税率一律5%以下への引き下げとインボイス制度の廃止を求める請願」を採択し、意見書を可決しました。
岩手県内で「消費税減税、インボイス廃止」の意見書を可決した自治体は、北上市、奥州市、金ケ崎町の3自治体となりました。
同5日の金ケ崎町議会常任委員会では、事業を営む保守系議員が、インボイス制度の事務手続きの複雑さや免税事業者から課税事業者となった苦しみを生々しく告発。インボイス制度が地方経済にとって弊害になっている実態が議論され、請願を全会一致で採択。同12日の本会議では、公明党や一部の無所属議員が反対したものの、10対4で請願を採択しました。
【大分県日田市】各会派訪問し実情を訴えて
大分県日田市議会は9月25日、「インボイス制度の中止を求める意見書」を賛成多数で可決しました。
意見書は、日田民商や新日本婦人の会などでつくる「くらしと平和を守る日田地区連絡会」が提出した請願が採択されたことに基づくもの。
同連絡会は、請願がこれまでに3回不採択となったことを受け、町議会の各会派を訪問。中小業者の実情とインボイスの弊害などを訴え、請願採択を要請した行動が実りました。

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