「社保倒産」連鎖止めよ 全商連が厚労省に強権徴収の是正求める|全国商工新聞

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 「岐阜・高山年金事務所は、『社保倒産』の連鎖につながるような強権徴収を直ちに中止せよ」―。全国商工団体連合会(全商連)は9月25日、社会保険料の強権的な徴収の是正を求めて、厚労省に要請しました。
 岐阜・飛騨民主商工会(民商)のSさん=土木=は、コロナ禍の影響で受注が大きく減少。社会保険料の納付が困難になり、コロナ特例猶予を活用し、乗り越えてきました。
 ところが、経営状況が回復してきた昨年、元請け事業者が社会保険料を差し押さえされ、工事代金が未払いに。Sさんも連鎖的に、社会保険料の納付が困難になり、約800万円を滞納しました。
 Sさんは「年金事務所の徴収担当者に経営実態や納付見通しを伝えてきたが、『最低でも新規発生分を全額納めてもらえないと、差し押さえる』と繰り返すばかり。猶予制度も周知されず”差し押さえありき”の対応だ。このままでは、年金事務所によって事業をつぶされてしまう」と訴えました。
 省側は「年金事務所に照会し、納付相談に応じるよう伝えた」と回答。同席した日本共産党の田村貴昭衆院議員は「滞納者に寄り添った対応を」と求めました。
 全商連の中山眞常任理事は「社会保険料の差し押さえで社保倒産の連鎖が起きる危険性は、これまでも繰り返し警鐘を鳴らしてきた。年金事務所が社保倒産を起こさないように、まずは納付相談に応じてほしい」と重ねて要望しました。

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