公庫で融資450万円実現 「民商に背中押してもらって勇気出た」|全国商工新聞

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 「コロナ禍の借り入れが残ってたけど、公庫から満額450万円の融資が受けられた。これで商売が続けられる。諦めずに、民商と一緒に申し込んで良かった」―。笑顔いっぱいで、こう喜ぶのは、大阪・東淀川民主商工会(民商)豊新支部の安本順子さん。チラシなど印刷物の折り加工やシール貼りなどの内職手加工を手掛ける創業18年の「JTサービス」を、ベテラン従業員12人と営んでいます。この度、日本政策金融公庫(政策公庫)から、「満額は厳しい」という見立てを覆し、申請金額の満額に当たる450万円の融資が見事、実行されました。

「JTサービス」=内職手加工 
大阪・東淀川民商 安本順子さん

満額の融資が実行され、喜ぶ安本さん

 「受注が減って、支払いに困ってんねん。融資を申し込まれへんかな」。5月中旬、安本さんから民商に、こんな相談がありました。相談に応じた事務局員は「数年前に実行された『コロナ特別貸付』の返済があり、審査は厳しいかもしれないけど、借り入れは、中小業者の権利。ピンチをチャンスに変えましょう」とアドバイスし、一緒に融資を申し込むことに。
 政策公庫への融資の申請は、最近は全てインターネット経由になっており、安本さんは試行錯誤しながら申し込みました。「ネット申請はハードルが高かった。民商に相談できて、助かった」と一安心しました。
 次のハードルは、政策公庫の担当者との面接です。民商で、仕事内容から収支、取引先まで、面接で聞かれるであろう内容をシミュレーション。「最後は気持ちを前面に出そう」と話し合いました。
 こうして迎えた面談では「商売を続けたい。時期により、受注にムラはあるが、来た仕事は迅速、丁寧に納める自信があるし、自慢の従業員もいる。雇用も継続したい」と訴えました。政策公庫の職員は「満額は厳しい。しかし、誠意は受け止めました。稟議にかけますので時間をください」と答えましたが、安本さんは引き下がらず「ありがとうございます。でも、満額じゃないと、商売が続けられません。満額をお願いします」と熱を込めました。面接を終えた安本さんは「自分の気持ちは全部、伝えた。後は待つのみ」の心境でした。
 数日後、安本さんに満額の融資決定の通知が届きました。笑顔いっぱいで民商事務所を訪れ「既存の借り入れがあり、諦めかけてたけど、思い切って申し込んで良かった。民商に背中を押してもらって勇気が出た」と話していました。
 融資決定後は、なぜか受注が舞い込み、てんてこ舞いの忙しさに。まさに「ピンチがチャンス」に変わりました。
 この間、民商で自主記帳・自主計算にも挑戦し、経理に自信が持てるようになった安本さん。消費税額を計算すると、負担の大きさにビックリしました。「営業破壊の消費税は、ほんまに減税してほしいわ」と怒っています。

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