平和で誇りある豊かな沖縄へ 玉城デニー知事に聞く 基地なき自立型経済こそ 中小業者支援し守り抜く|全国商工新聞

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1959年、与那城村(現うるま市)生まれ。与那城小、与勝第二中、前原高校、上智社会福祉専門学校卒。内装業者、タレント、沖縄市議、衆院議員(沖縄3区)を経て、2018年、故・翁長雄志前知事の後継者として知事選に立候補し、当選(2期)。

 沖縄県知事選(8月27日告示、9月13日投開票)で、3選をめざす玉城デニー知事。経済振興の実績を上げる一方、「オール沖縄」の故・翁長雄志県政以来、知事を支え、共に行動してきた県内の全衆院議員が議席を失うなどの激変した情勢の下、「大変厳しいたたかいになる」との認識を示します。知事選に臨む意気込みや米軍新基地建設問題、中小企業振興策などについて話を聞きました。

玉城デニー知事に聞く

―厳しいたたかいになりそうですね。

 デニー  高市早苗政権の高い支持率を背景に行われた2月の衆院選では、自民党が圧倒的多数を占め、県内4選挙区でも、私と共に行動していただいた議員の皆さんが全て議席を失いました。今度の知事選では、県内11市のうち南城市を除く10市長が相手候補の支援を表明し、大変厳しいたたかいになると考えています。
 高市政権が軍拡路線を進め、憲法9条の改憲にも前のめりになる下で、戦争への道を進むのか、平和な国と沖縄に進むのか、その岐路に立つたたかいとなります。私は「平和で誇りある豊かな沖縄」の道を前に進めたい。
 県民、中小業者の皆さんの側に立ち、時の政権にモノを言える知事が必要です。皆さんと歩んだ8年間を確信に、私は、ぶれずに元気に頑張ります。

誰一人取り残さない

―辺野古新基地建設の強行に沖縄振興予算の減額、絶えず起こる米兵による事件など、ともすればくじけそうになる情勢の下で「平和で誇りある豊かな沖縄」「誰一人取り残さない優しい沖縄」を力強く掲げておられます。

 デニー ありがとうございます。
 私は、伊江島出身の母と沖縄に駐留していた米海兵隊員の父との下に生を受けました。父は帰国し、母は名護市辺野古で住み込みで働き、私は、別の家庭で愛情深く育てられました。
 故・翁長前知事がおっしゃられたように、いわば「沖縄の戦後の申し子」みたいな環境で、いろんな方々に支えられて育ちました。ハーフだからと容貌をからかわれ、いじめにも遭いました。母との二人暮らしの中で、経済的に非常に厳しい母子家庭の環境も経験してきました。
 沖縄では今なお、そうした社会的環境の下で生活に厳しい方々がたくさんいらっしゃいます。その方々に、政治がどう機能していくべきなのか。沖縄市議から始まった私の政治の道で、ずっと考え続けています。
 根幹にあるのは、「誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会」を、絶対に実現しなければならないとの強い思いです。くじけてなんていられません。

県経済は”V字回復”

―知事の8年間、沖縄はどう変化してきましたか。

 デニー この2期8年は、コロナの感染拡大による経済的な大きな打撃からの復興が大きな課題でした。そのさなかに、鳥インフルエンザや海底火山噴火による軽石被害などが否応なく起こりました。そうした災害に対応しつつ、経済をいかに立て直し、生活者を支える予算を投入していくのか。ここを最優先に考えてきました。
 子どもの貧困対策や中小業者の皆さんへの経営支援など、その取り組みが今、数字として結果に現れてきていると実感しています。
 コロナ禍以降の県経済は、観光業などが非常に順調に推移しています。国の沖縄振興予算の減額などはありますが、県民の皆さんと力を合わせて、県経済は、限りなく”I字回復”に近い”V字回復”を実現してきました。
 県税収も増え、2026年度の県予算は県政史上最高の9468億円を編成でき、自民党を含む与野党の全会一致で可決されました。当初予算案の全会一致での可決は、91年以来35年ぶりです。
 県経済の98%を支えるのは中小業者です。その業者の皆さんが、終わりの見えない物価高、エネルギーや資材の高騰に襲われ、ホルムズ危機が追い打ちをかけています。
 私自身も政治の道を歩む前に、内装工事の一人親方として営業もし、現場に入ってきた人間です。業者の皆さんの状況や考えが痛いほど分かります。その経験が、知事の仕事に生かされています。
 厳しい環境に置かれている中小業者の皆さんを守り抜きたい。資金繰り支援や県単独の融資事業など、柔軟で機動的かつ迅速な経営支援をしていきます。

武力ではなく対話で

―県内の全6民主商工会(民商)もデニー知事と一緒にたたかいます。

 デニー 日頃からさまざまな経済団体の方々と意見交換しますが、経済の話が中心です。
 しかし、経済を担っている皆さんにこそ「平和が第一」という話をしてもらいたいのです。だから、民商の皆さんが掲げている「平和でこそ商売繁盛」という信条は、私の政治姿勢の根幹とも一致します。平和なくして地域の経済は成り立たず、商売の繁栄もありません。
 今の政治状況の下、平和を見通す方向とは別の方向に進んで行きそうな不安を、県民はじめ、多くの皆さんが感じています。特に、ご商売をなさっている皆さんは、肌感覚で常にその不安を感じています。
 だから私は、知事として、武力に頼るのではなく「対話による信頼関係の構築と平和による相互関係の発展を」と、声を大にして言っていきたい。
 「私たちに敵はいない」「全人類と共栄するんだ」ということを、日本政府がアジアや中東の国々、世界に向けて発信すべきです。
 非核三原則を堅持し、憲法を真摯に擁護、尊重すべきです。政治がその方向に進もうとしていると示すことが、皆さんに安心感を与えることになるでしょう。
 基地のない平和な沖縄をめざし、基地の跡地利用に多くの県民の皆さんが関わることで、私たちがめざす将来像を自分たちでつくっていきたい。同時に、基地に頼らない自立型経済に向けて、県民がさまざまな分野の産業の振興を図ることで、経済の好循環がもたらされる。そんな沖縄をつくっていきたい。
 子どもの貧困や環境問題、基地問題など、今、足元にある問題も決して見過ごさず、しっかり対応しながら、大きなビジョンを掲げ、県民と一緒に希望の先に進んでいく県政をめざします。

ホルムズ危機 思い切った支援を
沖縄県連がデニー知事に推薦書

 沖縄県商工団体連合会は7月17日、那覇市内で、知事選での3選をめざす玉城デニー知事に推薦書を手渡し、吉良悟会長らががっちり握手を交わしました。
 推薦書では「知事選挙にのぞむ私たちの要求」として、ホルムズ危機による影響で経営危機にある中小業者に対する思い切った金融支援▽消費税率一律5%減税、インボイス廃止を国に求めること▽国に基地撤去を要求し「平和で豊かな沖縄の実現」をめざす▽中小業者の支援を強め、自立した沖縄経済を確立する―などを求めています。

>> 玉城デニー県政 2期8年の豊かな実績

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