「毎年、民商(民主商工会)に相談して、国民健康保険(国保)税の減免制度を活用。昨年は約25万円の保険料が15万円に減額され、月額1万円ほど負担が軽くなった」「民商の班会で”昨年の国保料36万円が高過ぎる…”と愚痴をこぼしたら、役員から減免制度の活用を勧められて申請。10万円が還付された」―。国保料・税の減額免除(減免)制度を民商の集団減免などで活用し、負担が軽くなったと喜ぶ声です。6月以降、各自治体から国保料・税の決定通知書が届き、高過ぎる保険料に中小業者の悲鳴が上がっています。民商では減免制度の活用法や、国保料・税が高くなる原因を学び、国保制度の改善運動を進めています。
払える制度に改善を 埼玉県連が国保学習会 構造的な問題を告発

埼玉県商工団体連合会(県連)は先ごろ「国保税なぜ高い!分かりにくい国保制度国保学習会」をオンライン併用で開催。19民商から50人が参加しました。秩父民商の小林新一事務局長が国保制度のしくみを講演しました。
県連社会保障部会の金澤利行部長=接骨院=が「国保をもっともっと解りやすく学び合おう」と題して講義。「国保税はなぜ高いのでしょうか」と問い掛け、国保の「構造的な問題」といわれる、高齢世帯、低所得者、年金世帯が多く、被保険者の所得水準に対して、保険料の負担率が高い▽生まれたばかりの赤ちゃんにもかかり”人頭税”ともいわれる『均等割』が家族全員にかかる(協会けんぽには無い)▽社会保険に移行する方が増え、国保加入者が減っている▽協会けんぽのような事業者負担がなく、全額支払っている▽国庫負担が減らされている―という要因を指摘しました。
「埼玉県では、国保料・税の県内完全統一に向けて、国保料・税が急激に引き上げられている。国保料・税も含めた税金負担率は所得の45%以上を占めている」と告発しました。
”誰でも払える国保料・税、安心してかかれる医療”をめざし、協会けんぽ並みの保険料に引き下げるべく公費1兆円を国保財政に投入する▽一般会計への法定外繰り入れを解消しない▽子どもの均等割を無くす―などの国保改善運動を提起。「各自治体に粘り強く運動することが大切」と強調しました。
解説 減免制度の活用 法定軽減と申請で
高過ぎる国保料・税が払えない場合、減免制度を活用しましょう。減免制度には①国が定める軽減制度(法定軽減)②各自治体が定める申請減免制度―の2種類があります。
法定軽減は、世帯主(国保加入者でない場合を含む)と、加入している家族の総所得が、国の定める基準(図1)以下の世帯が対象です。収入や資産に関係なく一律に計算する「応益割(均等割、世帯割)」が区分に応じて7割、5割、2割に減額されます。確定申告をしている場合は申請の必要はありません。

自治体の申請減免制度は、所得の急激な減少など、各自治体が独自に定めた減免基準に該当する場合に、申請に基づいて保険料を減免します。
減免基準は、各自治体が国保条例で定めます。災害で被害を受けたり、公的扶助を受けている方以外に、「営業不振」など特別な事由により納付・納税が困難な方も対象にしている自治体もあります(図2)。

厚労省は、全国商工団体連合会(全商連)の要請(6月10日)に対して、ホルムズ海峡封鎖の影響による所得の急激な減少について「自治体判断で国保法77条の『特別の理由』(地方税法717条の特別の事情)に該当すると判断すれば、当然できる」と回答。財源についても「減免額の著しい変動があれば、国から『特別調整交付金』を10分の8の割合で交付する」と述べました。厚労省の回答や、ホルムズ危機による苦境にあえぐ中小業者の実態も示し、保険料の減免を認めるよう、自治体要請を強めましょう。
国保の「構造的な問題」 国庫負担削減や「平準化」口実
国保制度は、加入者の平均年齢が高く、加入者1人当たりの医療費が協会けんぽや健保組合の2倍近くかかるのに、加入者の平均所得は低く、保険料負担率は9.3%と、協会けんぽの7.2%、組合健保の5.7%を上回っています(図3)。このため、毎年11月、知事会や市町村長会といった全自治体が主催して開かれる「国保改善強化全国大会」では「被保険者にこれ以上負担を求めることは極めて困難」と毎回宣言しています。

高過ぎる国保料・税の最大の要因は、1984年に国保法が改悪され、国庫負担が削減され続けたことです。1984年に、国庫負担率が医療費総額の45%から35%に引き下げられ、近年では30%前後にまで下がっています。
国が都道府県での国保料・税の完全統一化をめざす中で、県内自治体の国保料・税をならす「平準化」を口実に、国保料・税が大幅に引き上げられています。自治体が国保料・税の上昇を抑制するために独自に実施していた一般会計から国保特別会計への「法定外繰り入れ」解消を国が掲げているため、さらなる国保料・税の引き上げを招いています。

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