「支援は待ったなし」各地でホルムズ危機打開へ 県連の要請に 県が「支援策を検討」|全国商工新聞

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 「建設業者は材料が入らず、仕事できなくなった。『廃業しなければいけないかも…』と追い詰められている仲間もいる」「弁当のプラスチック容器が4割値上げなど、仕入れ価格が上がったきり、下がらない」―。各地の県商工団体連合会(県連)は、廃業の危機にある中小業者に緊急の支援策を講じるよう、県に要請しています。米国とイランがホルムズ海峡の開放と戦闘終結で合意したものの、国内での”ナフサ・ショック”は、すぐには解消しない見込みです。全国商工団体連合会(全商連)が作成した自治体要請の要請事項や、東京都中野区や高知県など制度融資の進んだ事例も参考に(下の別項)、各地で危機打開の自治体要請を強めましょう。

「迅速柔軟な支援が不可欠」 鹿児島県連 メディア10社が取材

鹿児島県への要請後、地元メディアから取材を受ける県連の松山忠樹会長(奥中央)

 鹿児島県連は5月27日、鹿児島県に要請。松山忠樹会長=内装、出原宗一副会長=庭園管理、山内太志郎事務局長の3人が県庁を訪れ、平良行雄県議(共産)も同席しました。
 要請は、地元民放4社(鹿児島テレビ、南日本放送、鹿児島放送、鹿児島読売テレビ)とNHK、南日本新聞、読売、朝日、日経、南海日日新聞の計10社が取材。当日夕方のニュースや翌朝の紙面で取り上げられ、県内の中小業者が直面する危機の深刻さを広く伝えました。
 県連は、ホルムズ海峡封鎖の影響調査を行い、県内の会員76人分を集計。「影響がある」が60%、「現在はないが今後ありそう」34%と合わせて、94%の会員が直接、または潜在的な影響を懸念していました。具体的には「仕入れ・資材の高騰」が最も多く「調達困難」が続きました。「仕事・売上の減少」「利益の減少」や「資金繰りの悪化」も目立ちました。
 松山会長は「特に、建設や設備、塗装の業種で資材が入らず、工事がストップするケースが目立っている。資材価格の高騰と供給不足は全業種に広がっており、事業継続に大きな影響を与えている」と指摘。山内事務局長は「資材価格の上昇と供給不安が重なり、中小業者の経営に多面的な影響を及ぼしている。地域経済を支える中小業者の持続的な経営のため、迅速かつ柔軟な支援が不可欠」と、県に具体的措置を講じるよう強く求めました。
 県側は「政府が国会に提出する補正予算案なども踏まえながら、支援策を検討していく」との考えを示しました。

「個人の努力で解決できぬ」 佐賀県連 地域経済守れと訴え

佐賀県に要請書を手渡す県連の古川勝矢会長(左)

 「資材の高騰や不足が、営業と暮らしを直撃し、個人の経営努力では解決できない。地域経済を守るためにも、直ちに緊急支援を」―。佐賀県連は1日、県に「イラン戦争に起因するホルムズ危機から業者を救う施策を求める申入れ」を実施。古川勝矢会長=印刷、福田清道副会長=不動産、唐津民主商工会(民商)の櫻井健一事務局長が参加し、武藤明美県議(共産)らが同席しました。しんぶん赤旗が取材しました。
 古川会長は「ある建設業者は、材料が入らず、仕事ができなくなり『廃業しなければいけないかも…』と追い詰められている。弁当販売の会員は容器が4割も上がったと嘆いていた。私の生業の印刷業でも、インクや紙の値上げが止まらず、終わりが見えない」と告発。福田副会長は「神埼市では、建設業者が『資材不足で、建物の引き渡しができない』と困っている。コロナ対応のゼロゼロ融資の返済が終わっていない業者もおり、さらに借り入れたら二重債務になってしまう」と訴えました。
 県側は「事業者が厳しい状況にあると聞いていたが、生々しい話を伺った。どんな支援ができるか、検討させていただく」と回答しました。
 古川会長は「『検討』の結果どうなったか、引き続き確認したい。県だけでなく、市町村にも要請が必要だ。中小業者の危機打開へ『ホルムズ危機で困ったら、民商に相談を』の宣伝も強めたい」と話しています。

新潟県聖篭町が物価高騰対策補助金 業者への直接支援が大好評

聖籠町長(左)と懇談し、要請書を渡す新発田民商の中村登会長=2025年12月3日

 「法人は20万円、個人は10万円の補助金で、町が事業者を応援してくれると、元気が出るね」「申請も簡単で、めちゃ助かる。継続してほしい」―。新潟県聖籠町の事業者向け直接支援制度「物価高騰対策小規模事業者等支援事業補助金」が好評です。同町は、新潟市の中心部から北東へ約20キロ、車で30分ほどの場所にあり、人口は約1万4千人。同町を担当する新発田民主商工会(民商)では、町内の会員46人のうち既に15人が活用。申請期限の7月末までに、利用する会員は20人を超える見込みです。

聖籠町「物価高騰対策小規模事業者等支援事業補助金」

【対象事業者】①町内に本社または本店がある小規模事業者等(常時使用する従業員数が20人〈商業・サービス業は5人〉以下の事業者)②農業者(販売実績があること)【支給要件】次のいずれかを満たす事業者。①2025年1~12月までの売上高が前年同期間と比較して減少していること②2025年1~12月までの燃料費、原材料費、光熱水費の経費の合計が、前年同期間と比較して増加していること
【補助金額】小規模事業者等=法人20万円、個人10万円。農業者=耕作面積(水田、畑、果樹の合計)10アールあたり1万円(農業法人等は20万円、個人は10万円を限度)
【申請方法】7月31日までに、聖籠町商工会会員は町商工会窓口へ、それ以外の事業者は役場産業観光課へ申請書類を提出
【事業費(予算)】4千万円

補助金の活用を呼び掛ける新発田民商の相談会のチラシ

制度融資の先進的な事例

実質金利ゼロ
東京都中野区中東情勢対応資金

●申込受付期間
2026年6月1日~9月30日
※今後の中東情勢により、変更となる場合あり

●利用対象者
以下の要件すべてを満たす事業者
①中野区内に主たる事業所を有する中小企業者または組合であること。
②中東情勢に伴う原油・原材料価格の高騰等により、資金繰りに支障が生じていること。
③東京都信用保証協会の保証対象業種に属する事業を営んでいること。ただし、一定の業歴要件が必要となる場合がある。
④当該事業を営むために許可、認可、登録、届出等を必要とする業種にあっては、当該許可等を受けている(又は、受ける)こと。
⑤事業税その他租税の未申告・滞納や、社会保険料の滞納がないこと。ただし、完納の見通しが立つ場合などはこの限りではない。
⑥現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと、暴力団員等が経営を支配していると認められる関係等を有しないこと及び暴力的な要求行為等を行わないこと。
⑦次のア~エのいずれかに該当していること。
ア 「最近3カ月間(申し込み月の前々月を含める)の売り上げ実績」または「今後3カ月間(申込月の翌月を含める)の売り上げ見込み」が前年同期と比較して、5%以上減少している。
イ 原油価格の上昇により、製品の製造もしくは加工または役務の提供(以下「製品等」)に係る最近1カ月間の売上原価のうち20%以上を占める原油または石油製品(以下「原油等」)の最近1カ月間の仕入れ単価が20%以上上昇しているにもかかわらず、物の販売または役務の提供の価格(加工賃を含む)の引き上げが著しく困難であるため、最近3カ月間の売上高に占める原油等の仕入れ価格の割合が、前年同期の売上高に占める原油等仕入れ価格の割合を上回っている。
ウ 「最近3カ月間の売上高営業利益率」が前年同期と比較して、20%以上減少している。
エ 金融機関からの総借入金が前年同期と比較して、10%以上減少している。

●資金使途
運転資金(借換不可)

●融資限度額
2千万円

●返済期間
7年以内(据置1年以内)

●本人負担金利
実質0.0%(利子補給1.9%)

●信用保証料・担保
・信用保証料
信用保証料は、区が全額負担(小規模企業者の場合、東京都が2分の1を負担し、区が2分の1を負担)
・担保
担保は原則として不要。場合により要求されることがある。条件等は取扱金融機関に問い合わせを

10年返済(据え置き2年)
高知県原油・原材料価格 高騰対策緊急支援融資

●融資対象者
○県内において指定事業を営む中小企業者で左記のアまたはイのいずれかに該当する者
ア 中東情勢による原油・原材料価格の高騰に起因して、最近1カ月間または影響を受ける見込みの月の売上高等(売上高、販売数量、完成工事高及び受注残高〈建設業に限る〉をいう。以下同じ)が、前年同期に比して5%以上減少しているまたは減少する見込みがある者
イ 中東情勢による原油・原材料価格の高騰に起因して、最近1カ月間または影響を受ける見込みの月における売上総利益率または営業利益率のいずれかが、前年同期に比して5%以上減少している又は減少する見込みがある者
※借り換えを行う場合、既存保証付き融資は、融資額の2分の1未満とする。

●資金使途
運転資金

●貸付利率
2.47以内(変動)0.40~0.80

●貸付限度額
1億円

●償還期間
10年以内(据え置き2年以内)

●担保・保証人
保証協会の定めるところによる

【全商連作成の自治体への要請事項】
ホルムズ海峡封鎖等の影響による中小業者の緊急事態の打開を求める要請

 【要請事項】
 1、重点支援地方交付金を活用し、電気・ガス代、資材の高騰に対し、負担を軽減する助成制度など直接支援策を実施すること
 2、工場・家賃リース料などの固定費補助を行うこと
 3、既往債務の返済凍結、長期据え置きの借り換え制度をはじめ、保証協会の100%保証付き新規融資など自治体独自の融資制度を設けること。金利・保証料補給を行う制度を実施するなど資金繰り支援を強めること
 4、地方税や国民健康保険料・税の納付を猶予・免除する特例制度を実施すること
 5、コロナ禍に実施された「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援策の実現や自治体が行う支援策への財政措置を行うよう、政府に要請していただくこと

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