高市早苗首相は7日、衆議院予算委員会で「台湾有事」が発生した場合、「存立危機事態」に該当すると答弁しました。歴代首相の答弁を踏み越え、米国の戦争に自衛隊の参戦を示唆する発言で、中国の猛反発を招いています。軍拡に前のめりな高市首相は防衛産業を成長戦略の重点と位置付け、維新の会との連立で、殺傷武器の全面的な輸出解禁の検討を開始するなど、国を挙げて武器を売る「死の商人」国家へと突き進もうとしています。
そもそも日本は「武器輸出三原則」で、武器が紛争地などで使用されないよう、武器輸出を原則的に禁止してきました。2014年、安倍内閣が「防衛装備移転三原則」へと改悪し、国際共同開発・生産に限り、殺傷能力がある武器の輸出を認め、同盟国への輸出は殺傷力が低い「救難・輸送・警戒・監視・海掃」5類型に制限しました。自・維両党の協議では、この5類型を来年の通常国会で撤廃し、武器輸出の全面解禁を狙っています。
24年3月には、岸田内閣が日英伊3国で共同開発する次期開発戦闘機の第三国への輸出解禁を閣議決定し、ライセンス契約で三菱重工が製造するパトリオットミサイルの米国への輸出も行われています。この間も「もがみ型」護衛艦をオーストラリアと共同開発し来年には契約。「あぶくま型」護衛艦(中古)6隻のフィリピンへの輸出も検討されています。日本の軍事産業の中核を担う重工各社の防衛省との24年度の契約は、三菱重工が1兆4千億円余り、川崎重工が6300億円と、23年以降大幅に増えています。改修・仕様変更を共同開発と言いくるめ、殺傷武器の輸出を拡大すれば、メード・イン・ジャパンの武器が他国の人の命を奪うことになります。
全商連は武器輸出の拡大中止を求め、日本平和委員会が行った防衛装備庁への要請(10月2日)に参加しました。同庁は紛争地での武器使用を否定できませんでした。「平和でこそ商売繁盛」は、戦時中、中小業者が自由な商売を奪われ、戦争に協力させられた苦い経験から得た信条です。戦闘機の製造には千社が関係するともいわれ、知らずして関わる中小業者も存在します。「武器輸出の全面解禁を許さない」の声を広げましょう。

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