江藤農水相が暴言で辞任 コメ不足解消求め厳しい審判を|全国商工新聞

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 「コメを買ったことない。支援者の方々がたくさんくださるんですね。売るほどある」などと発言した江藤拓農林水産相が5月21日、辞任しました。国民の怒りを受けて事実上の更迭です。
 後任として、小泉進次郎元環境大臣が同日就任しました。閣僚の辞任は、石破政権では初めてですが、暴言発覚後も石破首相は、続投を指示していました。同20日に、立民、維新、国民、共産、れいわの5党国対委員長が集まり、江藤農水相の更迭を求めることで一致し、内閣不信任案の提出も示唆したところ、急転直下、更迭を決めたとされています。
 小泉農水相は同23日、随意契約で放出する備蓄米の店頭価格を5㌔当たり2千円程度にすると表明。価格を市場任せにしていた、これまでの政府の対応を転換しました。
 江藤氏の発言は、コメ不足や価格高騰に苦しむ国民感情を踏みにじる重大発言で、その後の釈明も到底、納得できません。にもかかわらず、いったんは続投させるとした石破政権には、国政を担う資格も、自覚もありません。
 今回のコメ不足や価格高騰を招いたのは、歴代の自民党政権による農業および食糧政策に根本原因があります。
 マスコミの世論調査でも、価格高騰を招いた最大の要因として「コメの生産量を減らしてきた農業政策にある」が最多を占めるように、生産削減を農家に押し付け、米価は市場任せという自民党政治が進めてきた農政そのものに原因があることを、多くの国民が気付き始めています。
 小泉農水相は自民党の農林部会長時代に、コメ・麦・食肉など重要5項目の30%で関税撤廃を受け入れるなどして農産物の輸入自由化を進めたTPP(環太平洋連携協定)の締結や、効率一辺倒の大規模化を推進し、大多数の家族経営を切り捨ててきた一人です。自民党農政の失政を抜本的に改める姿勢は全く期待できません。知名度が高い小泉氏を担ぎ出し、参院選を乗り切りたいとする石破首相の企てに他なりません。
 コメ不足解消と価格安定を求めるためにも、6月の都議選、7月予定の参院選で、国民の苦しみを理解できない石破政権に、「ノー」の厳しい審判を下しましょう。

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