力と心をひとつに 全婦協50年 記念の夕べで祝い合い 希望の新時代築こう|全国商工新聞

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全国で「元気な婦人部」を 半世紀の運動、次代につなげ

6年ぶりに一堂に会した全婦協第35回定期総会=10月26~27日、東京都内

 「業者婦人をはじめ、誰もが尊厳を持って生きられるよう、全婦協50周年を節目に新たな歴史を築こう」―。全商連婦人部協議会(全婦協)は10月26、27の両日、東京都内で第35回定期総会を開催。役員・代議員ら296人が6年ぶりに一堂に会し、向こう2年間の活動方針を定めた決議案や決算・予算案を、いずれも満場一致で採択。役員を選出しました。

 「婦人部で集まって話し合うと、元気が出る」「半世紀、切り開いてきた業者婦人運動を次代につなげよう」―。6年ぶりに役員、代議員・評議員296人が顔をそろえた全商連婦人部協議会(全婦協)の第35回定期総会(10月26~27日、東京都内)。各地の民主商工会(民商)婦人部は、総会成功へ「部員拡大ゼロの婦人部をなくす」取り組みを強め、9月1日以降、683人の新たな仲間を迎え入れました。全体会での「沖縄県内の過半数の自治体で、業者婦人らの働き分を認めない所得税法第56条廃止の意見書採択を勝ち取った」などの発言や、15の分散会に分かれての討論などを通じて、各地で「元気な婦人部」をつくる決意を固め合いました。

 塚田豊子会長が、あいさつ。「婦人部の仲間たちは、消費税の税率が8%、10%に上がった時も、いち早く街頭に立ち、反対の声を大きく上げてきました。人間らしく誇りを持って、商売ができる社会の実現をめざす業者婦人運動を次の世代につなげよう」と呼び掛けました。
 全国商工団体連合会からのあいさつでは、太田義郎会長が「56条の問題は、女性の人権問題だ。今後も人権回復をめざす運動を共に進めよう」と激励。全商連青年部協議会からのあいさつでは、中裕紀議長が「顔を合わせると、気遣ってくれる婦人部役員の優しさに、いつも感謝しています。何でも本音で話せる婦人部は、青年部のお手本です」と述べました。
 土井淳子事務局長が常任幹事会の報告を行い、10人が全体会発言を行いました。
 2日目は15の分散会で討議(左下の別項)。56条廃止を求める運動や、記帳教室など自主計算の取り組み、仲間づくり、婦人部ニュースの発行や世代継承への挑戦など、多彩な活動を交流しました。「部員の得意分野を生かした活動を継続して取り組んでいくことが大切」などと互いにエールを送りました。
 続く全体会では、提案した議案と決算・予算案等を満場一致で採択。会員比8割の婦人部達成、第34回総会時より5%増勢などの基準を突破した57組織が拍手と共に表彰されました。
 三役や常任幹事など新役員を選出。代表して塚田豊子会長が「この2日間、コロナ禍でリアルに会えなかった分を取り戻すような熱い交流ができました。集まって、わいわい話す会議は元気が出ます。皆さんと力を合わせて元気な婦人部をつくっていきたい」と決意を述べました。
 退任役員を代表して前副会長の井賀久恵さんが、あいさつ。財務省に56条廃止の問題で何度も要請したことを振り返り、「56条廃止の意見書が、全自治体の過半数で採択されれば、潮目は変わる。今が頑張り時です。地元に戻って、皆さんと一緒に奮闘します」と笑顔で語りました。
 新副会長の伊礼綾子さんが閉会あいさつ。「業者婦人をはじめ、誰もが尊厳を持って生きられる世の中をめざし、全婦協50周年を節目に、婦人部の新たな歴史をつくっていきましょう」と呼び掛けました。
 総会には来賓として、日本婦人団体連合会の柴田真佐子会長が駆け付け、日本共産党の田村智子委員長からメッセージが寄せられました。

共通の思いで熱い議論 分散会
分散会では各地の多彩な活動を活発に交流

 15の分散会討議では、各地の婦人部の生き生きとした活動を交流しました。56条廃止を求める運動や、婦人部の新たな担い手づくり、マルシェ(市場)など、多彩な取り組みの発言に質問も相次ぎ、総会で得たものを各地に持ち帰ろうとする活気に満ちました。
 「共済会から援助してもらい、2年に1度、血液検査で分かる、がん検診に取り組んだ。これを機に入部する人も」(静岡)、「『婦人部が何をやっているのか分からない』と言われ、月イチで活動を知らせるニュースを発行。行事などがあれば、なるべく早く出すようにしている」(東京)、「部員の誕生日プレゼントを手渡ししている。喜びが分かるので、訪ねる側もホッとする」(秋田)など、仲間とつながる取り組みを交流しました。
 56条廃止を求める運動の進め方についての質問も。「請願を提出する際は、56条のパンフレットと手紙を議員に渡している」(滋賀)、「常任理事会などの後に宣伝している。負担が片寄らないよう、グループLINEで、いろんな人に声を掛けている」(京都)、などの経験が語られ、「本気度がすごい。56条の問題を自分の言葉で話せるように勉強したい」などと刺激を受けていました。
 新たな担い手づくりでは、「マルシェの実行委員会で人材を掘り起こし、次の世代につなげる」(大阪)、「部長と副部長を2年ごとに交代して、刷新している」(岩手)、「原水爆禁止の署名運動など婦人部の歴史と意義を話していく中で、新しい役員をつくれた」(埼玉)などと、共通の悩みだからこそ、熱心な議論が交わされました。

民商音頭の踊りに合わせて立ち上がって手拍子する人も

同26日夜に開いた「全婦協創立50周年記念の夕べ」では、半世紀にわたる業者婦人運動の歴史を振り返り、長年の奮闘をたたえ合いました。「日頃の取り組みの積み重ねが歴史をつくる」ことを確信に、希望が持てる新時代を築くため、「力と心をひとつに」新たな一歩を踏み出す決意を固め合いました。

 全婦協創立50周年記念の夕べは、全国から集まった業者婦人が久しぶりに顔を合わせ、全労連の髙木りつさん、自由法曹団の中野和子さんからあいさつをいただき、50年の節目を祝う喜びに包まれました。
 これまでの歩みを写真と音楽で振り返る「創立50周年記念ムービー」の上映では、各地の活動がスクリーンに映し出され、「思い出がよみがえり、感動して涙が出た」と目頭を押さえる人も。映像が変わる度に、あちこちのテーブルで「懐かしい!」「うちの婦人部が出てるよ!」と声が上がり、若手部員は「自分が生まれる前から、婦人部があったんだ」とスマホを構えました。上映後は、歓声と割れんばかりの拍手が送られました。

50年への思いの込もった発言は共感の拍手で包まれました
清水由美子さん
加藤三重子さん
光瀬政江さん
仲間との思い出

 「50周年記念トーク『私と全婦協』」では、全国商工団体連合会の太田義郎会長と日本婦人団体連合会の柴田真佐子会長、全婦協元三役ら5人が語り合いました。
 埼玉県連婦人部協議会(県婦協)の清水由美子副会長は「税金のことは、まるで分からなかったが、民商や婦人部で学べた。婦人部が元気だと、民商も元気になる。頑張りましょう」と笑顔で呼び掛けました。
 全婦協の前副会長、加藤三重子さん(愛知県婦協)は「一緒に過ごしてきた仲間と50年の節目を祝いたい。これからも共に歩もう」と訴えました。
 兵庫県婦協の光瀬政江副会長は「阪神淡路大震災(1995年)で、取引先などが全焼し、自宅も損壊した。所属する須磨民商事務所も全壊したが、仲間と助け合い、やってこれた。心から感謝しています」と語り、感動が広がりました。

民商音頭で踊り

 「汗を流して働くことが(ソレ)好きなやつなら皆仲間まぶしい目を見りゃ顔見りゃ分かる」―。おなじみの民商音頭が流れると開催地の東婦協のメンバーがカラフルな法被などをまとい、ステージに登壇しました。音頭に引かれて、民商の法被や婦人部のジャンパーをはおった仲間が続々と集合。日頃の苦労をしばし忘れ、楽しく踊り、参加者の心が一つになりました。
 全婦協の藤江由美子副会長が結びのあいさつ。「一人の力は微力でも、集まれば、力は増していく。力と心を合わせて、みんなで頑張っていきましょう」と元気に締めくくりました。

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