「最高裁判決を覆そう」 原発訴訟全国連 国の責任追及へ集会|全国商工新聞

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「原発事故は国の責任」とコールする参加者たち

 「福島第1原発の事故で国の責任を否定した2022年6月の最高裁判決をひっくり返すたたかいを」―。原発被害者訴訟原告団全国連絡会(原発訴訟全国連)は2月10日、東京都内で「原発事故は国の責任です~私たちは被害者切り捨てと分断を許さない」と題した集会を開催。全国から参加した110人が、福島第1原発事故の国の責任を認めさせる運動を強めようと改めて決意しました。
 福島県浪江町の津島地区の住民約630人が原告になった津島訴訟の代表は「容易に帰れないのに、ふるさとを捨てたと思われるのがつらい。厳しいたたかいだが、次世代のために、国の責任を認めさせたい」。東京訴訟の代表は「原発事故の翌日に自宅を離れてから、一度も戻っていない。『復興』や『絆』という美談で隠すことなく、被害の発信を続けたい」などと、今なお続く苦しみを分かち合い、さらなる奮闘を誓いました。
 立命館大学名誉教授の吉村良一さんが講演。「国を免罪した最高裁は、国の統治機構の一員として、国策で進めてきた原発を擁護する立場に立った。最高裁判決以降、各地の高裁でも国の責任を認めない判決が続いている」と指摘。「今後は、世論を喚起させる『法廷外での取り組み』が重要だ」と強調しました。
 「生業を返せ、地域を返せ」福島原発訴訟原告団の団長で福島・相双民主商工会会員の中島孝さん=食品小売り=が閉会あいさつ。「能登地震の災害対応が、東日本大震災や熊本地震より劣化しているのは、被災さえも『自己責任』にさせられているからだ、との指摘もある。私たちの被害の訴えは、日本人の将来にとっても大切なことだ。今は少数かもしれないが、当たり前の声を上げ続け、社会を変えよう」と呼び掛けました。

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