失望広げた締約国会議不参加 署名広げ核禁条約批准求めよう|全国商工新聞

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 ニューヨークの国連本部で開かれた第2回核兵器禁止条約締約国会議が1日、「政治宣言」を採択して閉幕しました。
 核兵器禁止条約は2021年1月に発効し、世界の国の半数に近い97の国と地域が署名、批准も69カ国へと広がっています。核兵器の製造や実験、使用、保有、威嚇など、あらゆる活動を禁止し、国際的な規範として大きな力を発揮しています。
 核兵器を巡る情勢は、冷戦時代以降で最大の危機にあります。戦争当事国のロシアが核の脅しを続け、隣国ベラルーシへ戦略核を配備しました。核不拡散条約(NPT)に非加盟のイスラエルの閣僚が、ガザに対して核兵器の使用を示唆し、北朝鮮が新たに核兵器を保有するなど、リスクが高まっています。
 全会一致で採択された「政治宣言」は、「核リスクの増大と核抑止力の危険な永続化を傍観するものではない」として、核兵器の完全廃絶めざす明確なメッセージを発信しました。
 議論の中では核兵器に固執する核抑止の危険性を指摘する発言が相次ぎ、次回25年の第3回会議までに「新たな科学的見地を踏まえた核抑止に基づく安全保障概念に挑戦する報告書」を作成することが決められました。
 こうした中で、唯一の戦争被爆国である日本の態度が問われています。米国の同盟国であるドイツやオーストラリアをはじめ35カ国がオブザーバー参加し、出席と発言が歓迎されたのに対し、日本政府は参加せず、失望が広がりました。岸田文雄首相は日本の役割を、核保有国と非核国との「橋渡し」だと言います。それならば参加して対話をリードすべきです。
 今回の会議には、日本から被爆者をはじめ、専門家や多くの若者が参加しました。全商連も加盟する日本原水協が代表団を送り、市民社会の運動とその役割について発言。世界の大勢は、人類と核兵器は共存できないとの思いを共有しています。
 核兵器が二度と使われない保証は、核兵器の廃絶しかありません。「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」を大きく広げ、日本政府の態度を変える運動が求められています。

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