インボイスではなく“消費税減税”を! 各界連「全国でいっせい宣伝」|全国商工新聞

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 ガソリンをはじめ食料品や電気代などが高騰する中、実質賃金は15カ月連続で前年割れ、中小業者は“ゼロゼロ融資返済”の本格化にあえいでいます。そんな中、「実質1兆円もの消費税インボイス(適格請求書)増税は許されない」「10月実施はインボイス制度ではなく、消費税5%への減税!」と、全国商工団体連合会(全商連)も参加する消費税廃止各界連絡会(各界連)は8月24日、「全国いっせい宣伝」を実施。全国40を超える都道府県の各地で、県商工団体連絡会(県連)や民主商工会(民商)も加わる地域各界連が、1989年の消費税導入以来、ほぼ毎月24日に消費税反対の定例宣伝を続けてきた底力を発揮し、宣伝やデモ、自動車パレードなど多彩に取り組みました。

【大阪連絡会】「声優が反対するので」

「インボイス知ってる」と、高校生がシール投票した大阪連絡会の宣伝

 大商連が参加する消費税廃止大阪連絡会は夕方、大阪市中央区の玉造交差点で、宣伝行動に取り組みました。
 参加者が「世界では104の国と地域が減税に踏み出している。日本でも、できないはずはない」「インボイス制度の実施で、電力会社が“損した”分を電気代に上乗せすることになる。インボイス制度の中止を」などと訴え、シール投票や署名への協力を呼びかけました。
 シール投票に応じ、「応援している声優がインボイスに反対しているので、知っている」と語る高校生も。
 商売をしているという人は「こんな制度が始まったら困る。中止してほしい」と署名に応じました。1時間の行動で、署名12人分が集まりました。

【長野県各界連】自動車14台でアピール

自動車パレードでアピールした長野県各界連(画像一部加工)

 長野県連も加わる長野県各界連は8月27日、長野市内で自動車パレードを行いました。
 「10月からの実施はインボイスではなく消費税5%への減税」と欠いたステッカーを車体に張った軽トラックや自家用車など14台が市内を走行し、アピールしました。
 パレード前の集会では、大工の男性が「資材価格も高騰し、長野はガソリン価格も全国で一番高い。この中でインボイスが始まったらどうなるか。不安だ」と語り、印刷業の男性は「インボイスで、新たに発生する消費税分を価格に転嫁できない。苦しんでいます」と訴えました。
 あべ孝二長野市議(共産)が情勢報告しました。

【北海道各界連】大学生が飛び入りで

大学生2人(前列中央)が飛び入りで参加した北海道各界連の宣伝

 北海道各界連は昼、札幌市の大通公園で宣伝行動に取り組み、15人が参加しました。
 リレートークでは、北海道連、道労連、新婦人、道社保協、農民連、共産党が、それぞれの要求を消費税と絡めて発言。「今の厳しい経済状況は消費税が元凶」「物価高騰対策には消費税減税が一番」などと呼び掛けました。
 北海道連の岡田義輝会長は「10月から始まろうとするインボイス制度は多くの小規模事業者やフリーランスの人々を苦しめると同時に、物価の高騰に拍車をかけ、消費者にも大きな影響を及ぼす」「何としても中止・延期をさせるために協力を」と訴えました。
 元衆院議員の畠山和也さん(共産)は、「多くの国や地域で日本の消費税に当たる付加価値税を引き下げている。日本の不公平な税制を変えれば、消費税を減税して社会保障を豊かにすることは可能だ」と強調しました。
 男子大学生の2人が横断幕を持つ人に、「一緒に持たせてもらっていいですか」と飛び入り参加。「物価が高くて毎日大変。消費税は引き下げてほしい」と話していました。

【鹿児島県各界連】軍事費よりも暮らしを

猛暑の中、署名への協力を訴える鹿児島県各界連

 鹿児島県連も参加する鹿児島県各界連は、鹿児島市内の繁華街・天文館で宣伝を行い、鹿児島県連と鹿児島民商から4人が参加しました。
 気温30度を超える猛暑でしたが、横断幕とプラカードを掲げ、ハンドマイクで「軍事費よりも商売とくらしの支援を」と訴え。インボイス署名への協力を訴えました。
 宣伝後、参加者は「地域業者の営業を守るために最後まで諦めずインボイス中止の声を上げていきたい」と決意を語っていました。

【秋田県各界連】観光客からも声援が

秋田県各界連の宣伝で「これ以上の増税は大変」と署名する女性(画像一部加工)

 秋田県連も参加する県各界連は、秋田市内で定例の署名行動を実施。秋田民商婦人部と新日本婦人の会からの参加もありました。
 駅前買い物広場は、観光客がいつもより多く、「これ以上、消費税上がるのは大変よ。こういう運動は女性が頑張って」との声も掛かりました。

【広島西部民商】宣伝カーで注目集め

「消費者にも影響」と宣伝カーで訴えた広島西部民商(画像一部加工)

 広島西部民商は、宣伝カーによる宣伝を3人で行いました。
 インボイス制度によって①小規模事業者の税負担と事務負担の増加につながる②1兆円もの税負担が価格に転嫁されれば、消費者にも影響が及ぶ③電気代の値上げにもつながり、さらなる物価高を呼び込みかねない―ことなど訴えました。
 宣伝カーは、五日市・コイン通り商店街、宮島街道、廿日市・税務署前通り、廿日市駅前・商店街を回り、通行人から大いに注目を集めました。
 宣伝カーを運転した役員は、「国民の思いとかけ離れた政府に、何かできないかという思いで参加した」と感想を語りました。

【愛媛】インボイス学習会で「反対」の思いを強め

新居浜市内の宣伝には5団体16人が参加しました

 愛媛・新居浜民商も加わる新居浜各界連は、新居浜市内の簡易裁判所交差点で街頭宣伝を行い、5団体(民商・新婦人・年金者組合・共産党・新居浜労連)16人が参加しました。
 宣伝前には、民商の岩田豊史事務局長を講師に、インボイスの学習会を実施。年金者組合の参加者からは「私たちにはインボイスは関係ないと思っていたけど、電気代値上げの話などを聞いて、反対しなければいけないと思った」との感想も。
 民商は、新居浜市の9月議会に「インボイス制度の実施延期を求める請願」を提出しました。

【青森】猛暑日の訴え 署名が広がる

 青森民商も参加する各界連は、青森市内で9人が署名宣伝。署名8人分を集めました。
 猛暑日のこの日、足を止めてくれる人は少なく、ある通行人は最初、「近いうちに、また増税するんでしょ」と冷ややかな反応。参加者が「物価高騰での消費税負担に我慢の限界だ。怒りの声を国会に届けたい」と訴えると、署名に応じてくれました。

【新潟】インボイスは増税そのもの

 新潟県連も加わる県各界連は、JR新潟駅前で10団体の30人が宣伝。新潟市東区に事務所を構える「インボイス制度中止を求める税理士の会」の神田知宜税理士は「インボイス制度は、消費税増税そのものだ」と告発。中小企業診断士の山田まり子さんは「インボイス実施で消費税負担が増え、物価も上がり、生活が大変になる」と訴えました。
 長岡市各界連は25日、長岡、三条両民商も参加し、長岡市内で宣伝しました。

【滋賀】シール投票で「減税」が圧倒

 滋賀・草津甲賀民商も加わる各界連は、JR草津駅前で、初参加の民商会員を含め11人が宣伝。
 「消費税減税に賛成?反対?」「求める税率は?」のシール投票も呼び掛け、大学生グループなどが応じました。シール投票では、ほぼ全員が「減税に賛成」。求める税率は5%が多く挙がりました。

 滋賀・彦根民商も参加する各界連は、彦根市の京橋口で宣伝。長崎から来た2人連れなど、署名4人分が集まりました。
 「物価高騰で、食料品もガソリンも上がり困る」との声も。「ベルギーなど少なくない国で食料品の税率がゼロになっている」と話すと、「どうしても必要な物は消費税ゼロにしてほしい」と語る人もいました。

【香川】消費者も影響 署名に応じる

 香川県高松市では、市内中心部の商店街で、高松民商も参加する各界連と、STOP!インボイス高松サポーターズで宣伝。
 「インボイスって何?」との質問に、参加者が「事業者だけじゃなくて消費者も関係あります」と答えると署名に応じる人など、さまざまな反応がありました。
 インボイス制度を考えるフリーランスの会が作成したイラスト入りのチラシと、各界連のメッセージ付きティッシュを通行人が快く受け取っていました。

【静岡】年金だけではこの先が不安

 静岡県連も参加する県各界連は、静岡市内で署名宣伝。5団体から7人が参加し、署名9人分を集めました。
 署名をするため立ち止まった30代男性は「給料も低いため生活が大変、いまの物価高騰が続いたら…」と不安そうに語り、70代の女性は当初、ためらっていたものの、家計のやりくりについて「スーパーでの買い物に、最近は1回4千円くらいかかっている。年金だけでは続かない。この先が不安」と語り、署名しました。
 夫が商売をしている60代女性は、インボイスについて「何も対策していないけれど、どうしたらいいの」と質問。参加者が説明し、「いつでも相談してください」と話すと、「家に帰ったら夫に話してみる」と話し、署名しました。

【熊本】4年ぶり祭り 「5%に賛成」

 熊本・宇城民商も参加する各界連は、8月23日に4年ぶりに開催された「うと地蔵まつり」で、民商など3団体7人の参加で署名・宣伝。多くの若者や家族連れでにぎわう、まつり会場で宣伝しました。
 「消費税5%賛成」と声を掛けていく若者や、チラシを受け取り、目を通した後、「署名させて下さい」と署名に応じるカップルの姿もあり、署名25人分が寄せられました。

【三重】政治家トップ 変えなければ

 三重県各界連は、津市の津センターパレス前で、定例宣伝を実施。消費税をなくす三重の会の大川博事務局長が「インボイスはやめさせよう」と訴えました。
 署名に応じた女性は「ぜひ消費税を減税してほしい」と語り、年配の男性は、「政治家のトップをすげ変えなければ、暮らしは良くならない」と語りました。

【群馬】野党共闘広げ政治変えよう

東毛、館林民商などが参加した、太田市役所前での宣伝

 群馬県内では、県内7カ所で宣伝が行われ、12団体42人が参加しました。
 JR前橋駅北口では前橋民商、「消費税10%ストップ!前橋ネットワーク」(前橋ネット)、消費税をなくす群馬の会、新婦人前橋支部の4団体7人が参加。前橋ネットから元参議院副議長の角田義一さんが「野党共闘で政治を変えよう」と訴えました。配布物の受け取りが「いつもより良かった」「若い人が受け取ってくれた」などの感想が寄せられました。
 東毛、館林両民商など3団体10人が参加した太田市役所前の宣伝では、「車中から手を振る反応が多かった」との感想が。高崎民商はJR高崎駅西口で6人が宣伝。大塚三枝子副会長がマイクを握りました。伊勢崎佐波民商は伊勢崎市内の商業施設2カ所で9人が宣伝。沼田民商、渋川北群馬民商も街頭宣伝を行いました。
 吾妻民商は23日に宣伝。車の助手席から手を振ってくれる反応がありました。

【福岡】県内8地区で宣伝パレード

 福岡県内では、各地の各界連が、県内8地区で宣伝。
 県各界連はJR博多駅の2カ所で宣伝。博多口には4団体47人が参加しました。
 筑紫口には7団体41人が参加。高校生が「消費税5%に下げられるんですか?」とシール投票に参加しました。
 小倉地区では、JR小倉駅前で4団体25人が参加。署名31人分を集め、青年が多く署名に応じていました。
 飯塚地区では、新飯塚駅前に飯塚民商から8人、田川民商から4人の計12人が参加。学生や仕事帰りのサラリーマンに訴えました。
 直鞍地区ではJR直方駅むな前で3団体12人が宣伝。宗かた像地区では、赤間交差点で宣伝。宗像福津古賀民商から4人が参加し、ハンドマイクや横断幕でのアピールに、車中から笑顔で手を振る姿も。
 八女地区では、筑後市役所前で、2団体10人で宣伝。大牟田地区では、大牟田駅前で3団体12人で宣伝し、のぼり旗とポスターを掲げて道行く人にアピールしました。筑後地区では、西鉄久留米駅西口前で、9人が宣伝しました。

【千葉】訴えに応じて戻って署名も

 千葉・柏民商も参加する、柏市連絡会は13人で宣伝。リレートークやポケットティッシュとチラシの配布、スタンディングや署名の呼び掛けを行い、署名22人分を集めました。
 当初は通り過ぎたものの戻って署名する人の姿もあり、「物価高で苦しい。消費税を下げてほしい」との声も。業者でない人からも「インボイスが必要な意味が分からない」「弱い人を苦しめるだけ」などの声が寄せられました。

【高知】反対の声聞け リレートーク

 高知・中村民商は、高知県四万十市のJA前で3団体7人で宣伝。リレートークし、「消費税インボイスは、業者も国民も増税になる」「全国200を超える自治体から中止延期の意見書が提出」「原発事故汚染水の海洋放出も、マイナンバーカードの強制も、国民の声を聞いてほしい」などと訴えました。

【富山】横断幕掲げて署名を集める

 消費税廃止富山県各界連は夕方、富山駅南口のCIC前広場でスタンディング宣伝。富山民商から黒崎忍会長ら4人など計13人が参加しました。横断幕やプラカードを掲げ、ポケットティッシュを配布し、署名を集めました。
 能沢吉晴県連事務局長と消費税をなくす富山の会の水谷敏彦代表が、消費税減税とインボイス中止を訴えました。

【埼玉】訴えに好反応 署名も22人分

 埼玉県連も加わる「消費税廃止を求める埼玉連絡会」は、浦和駅東口で、8団体22人で宣伝。署名22人分を集めました。

【兵庫】生活が苦しい 減税を望む声

 兵庫県連も参加する県各界連は、神戸大丸前で宣伝しました。フリーランスらにも呼び掛け、5団体11人が参加。「物価高騰で生活に困っている」と話し、署名する人の姿もありました。
 JR垂水駅では3団体12人の参加で署名40人分を集めました。
 県内4カ所で街頭宣伝し、計34人が参加。宣伝カーでの宣伝も行いました。

 明石民商は8月18日、明石駅周辺で宣伝。森川裕司会長を先頭に、中川正副会長、寺田幸子婦人部長ら5人が、リーフレットを配り、署名を訴えました。
 宣伝開始直後は反応が鈍かったものの、「インボイスで電気代がもっと上がります」と訴えると、リーフレットの受け取りが良くなり、45分の行動で、5人が署名に応じました。
 宣伝後、「諦めんと行動せないかん」と感想を出し合いました。
 24日は、婦人部幹事も参加し、3人で宣伝しました。

【東京】「消費税ゼロ」 カンパ千円も

 東京・板橋民商も参加する消費税廃止板橋連絡会と消費税をなくす板橋の会は、都営三田線蓮根駅前で、5団体13人が参加し、署名・宣伝行動。通行人が駆け寄り、「消費税はゼロがいい」と署名し、カンパ千円を寄せました。1時間程度で署名20人分を集めました。

【福島】非課税業者に課税は違憲だ

 福島民商も参加する各界連は昼、福島駅前通りで集会を開きました。
 集会では、参加者が「税金は応能負担が原則だ。本来、非課税の業者に課税を義務付けるなど憲法違反だ」などと訴え。「『インボイス中止、消費税は5%に』を直ちに実現せよ、と声を上げ続けよう」と呼び掛けました。

【岩手】プラカードに通行人が注目

 岩手県各界連は、盛岡市内で宣伝。照り付ける暑さの中、岩手県連や、いわて労連、県生活と健康を守る会などから14人が参加しました。
 県連の関沢淨会長は「物価高騰の今、行うべきは消費税減税だ」と訴えました。新しい横断幕や県各界連作成のプラカードが通行人の注目を集めました。

【広島】目立つ横断幕声援掛けられ

 広島・三原民商は、婦人部の島谷富美子副部長を先頭に5人で宣伝。午前10時に民商事務所に集まった参加者は、車2台で宣伝し、寺田元子市議(共産)らが訴えました。
 市内7カ所のスーパーやドラッグストア前では、寺田拓也事務局長、岸久美子事務局員、寺田市議が交代で訴えました。
 横断幕が目立ち、声援も掛けられました。初参加の宇根和彦さん=大工=は「自分もインボイスが実施されたら大変。行動は元気が出た」と話していました。

【和歌山】30分で16人分署名が集まる

 和歌山県連も参加する各界連と消費税をなくす会は昼、JR和歌山駅前で8人が宣伝・署名行動。
 横断幕を掲げ、各界連作製のチラシを入れたポケットティッシュを配布。ハンドマイクで訴えました。
 30分余りの行動で署名16人分を集めました。

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